UFO
(パーカッション独奏と管弦楽のためのUFO)

ドアティ
(MICHAEL DAUGHERTY)

1999年 アメリカ


管弦楽のためのフィラデルフィア・ストーリーズ(2001)


1.サウスストリートの日没
2.告げ口ハープ
3.ストコフスキーのためのベル


パーカッション独奏と管弦楽のためのUFO
UFO(1999) for Solo Percussion and Orchestra


4.トラヴェリング・ミュージック
(Traveling Music)
5.未確認
(unidentified)
6.飛行
(Flying)
7.???
(???)
8.物体
(Objects)


「パーカッション独奏と管弦楽のためのUFO」ってこんなタイトルを見ちゃったら聴かなきゃいられません。
 1947年7月初頭に起こったアメリカはニュー・メキシコ、ロズウェル近郊の牧場にUFOが墜落し、軍によって一緒に乗っていた宇宙人の遺体(生きていたと言う話もあり)というこの界隈では著名なロズウェル事件をモチーフにしたモノであると解説にはあります。

 出だしでのヒリヒリする緊張感、サイレンが鳴ったりして緊張感を高めつつ作品は進行。ストレンジさを盛り上げる多種類のパーカッション、あえてメロディを提示しない事で「何だか解らないもの」を意識させます。そしてヴィブラフォン(ヴァイブラフォン)の透明感と奥行の深い音色は雄大な宇宙空間を飛んでくる様なUFOのミステリアスかつファンタジックなイメージにとてもマッチしています。弦楽器とヴィブラフォンの絡み合いがとっても素敵です。

 最高なのは「???」の楽章。宇宙人を音で表現している様なミステリアスな雰囲気を漂わせます。宇宙人の声っぽく引っ掻く様な音が(楽器種類不明)が鳴っているのが聴いていてもう…。
 最終章は大団円の感漂うまとめ章、この章の主題のSF映画のような決めフレーズをダイナミックに鳴らすパーカッションとホーンがとてもカッコよい。
 聴いてるとどんどんSF映画のBGM(とは言ってもB級もしくはテレビ連続シリーズっぽいSFですが)にも聴こえちゃいます。まさその様な音楽は我々の頭に刷り込まれているのでそっちを狙っているのかもしれませんが。
 しかしこの曲、楽章のタイトルがそのままなのはとっても好きです。だからって邦題もそのまんまの訳なっちゃってる所がまた大好き。
 現代音楽=難しいって思いがちですが、まずはタイトル見て面白そうだなと思ったらまず聴いてみる事をお勧めします。結構そんなふうにして聴くと面白いですよ、この手の標題音楽は。

 ロズウェル事件自体は軍によれば「核実験の観測用気球の破片」を回収したに過ぎず、宇宙人等見た事もないって発表されたのですが、軍の言う事なのでビリーバーといわれるUFO(=宇宙人の乗物)の存在を信じる人にとってはそんなモノは言い訳にしか聞こえず、話はヒートアップ。さらにはその破片と宇宙人の遺体を回収したと証言する軍人さんまであらわれる始末。その人はちょっと虚言癖というかカッコつけだったとのことですが。
 一時期、宇宙人の解体フィルムなんてのも出回っておりましたが、あれこそその時の宇宙人を解剖したフィルムなのだ!なんて話も出ました。インチキだったらしいですが。(当たり前か)
 破片と宇宙人がこれまたその界隈での名所エリア51にまで運ばれた!なんて話も聞きますねぇ?一体どこから??(これはこのCDの解説にも書いてありました)
 
 このドアティさん(ジャケ画像に出てるちょっとカッコつけ気味の御仁)の他作品見てみると「メトロポリス」とかいうのもあったりするし(未聴です)この手のもの大好きそう。
 様々な妄想、陰謀を掻き立てられる事件だけに音楽のモチーフ、題材にしても面白そうだったので曲を作ってみたのかなぁ?実はもしかしてこの作曲家、ドアティさん…ビリーバー???w
 他の盤でもう「ウププ…」なジャケのやつもあるのですがまだそっちは手に入れてません。そっちの盤入りましたら追記、もしくは他の曲で新エントリー立てます。