BLACK BONZO
邦題:幻想の迷宮〜ブラック・ボンゾ登場!
BLACK BONZO


1. LADY OF THE NIGHT
2. BRAVE YOUNG SOLDIER
3. THESE ARE DAYS OF SORROW
4. NEW DAY
  INTERMISSION
5. FANTASYWORLD
6. FREEDOM
7. SIRENS
8. JAILBAIT
9. LEAVE YOUR BURDENS
10. WHERE THE RIVER MEETS THE SEA
   LADY OF THE NIGHT revisited
11. THE PATH
12. SIRENS(alternate take)
1.光の女神
2. 若き兵士
3. デイズ・オブ・ソロウ
4. ニュー・デイ〜インターミッション
5. 幻想世界
6. 自由
7. セイレーンの誘い
8. ジェイルベイト
9. リーヴ・ユア・バーデンズ
10. 川が海へと注ぐ場所へ
  (光の女神再び)
11. ザ・パス
12. セイレーンの誘い(alternate take)


 一部好事家(失礼!)やその手の音が好きな人達には絶賛されるであろう、このバンド。その手とは帯のあおり文句にあります。

「ユーライア・ヒープ、ディープ・パープル、70年代ヴィンテージ・ロックのDNAを現在に受け継ぐプログレッシヴ・ハード・ロマネスクの旗手、スウェーデンより来襲!」

 実際「DNAを現在に受け継ぐ」というかまんまなんですけどね。1曲目を聴くとあおり文句通り、君達の主張はわかったよって感じです。唸り、馨り立つキーボード(ヴィンテージ)サウンドバリバリ。ここまで明け透けにやられると逆に笑みさえこぼれます。主メロがユーライア・ヒープの「幻想への回帰」まんますぎるのは…笑っちゃってすますのが一番でしょう(笑)。
 先進性やモダンと言ったモノの欠片などは無く、自分達が好きなサウンドを押し進めていく、ある意味究極のアマチュアリズムがプロを生む好例?なのでしょう。ライナーからの抜粋ですが「俺達はキーボードが全面に出たサウンドが好きなんだ。ミックス・ダウンされて均等にならされたサウンドなんてまっぴらさ〜」と語っています。開き直ってると言うか、これはもう趣味の問題ですがね。こういった姿勢は僕は大好きです。
 そんなしっかりした姿勢(というか開き直りに近い)を持ってるからこそ、アマチュアの悪い所に流されないのも事実。演奏もしっかりとした技術があるし、キーボードが全面に押し出され過ぎてはいますが、その他の楽器が聴こえないなんてコトはありません。主役がキーボードってだけの話です。その辺のプロダクションはしっかりとしてるし、曲、曲展開も良く出来てるから安心してオーディオの前に陣どれます。
 曲想も基本は「光の女神」だの「セイレーン」だのファンタジックなタイトルが多く、もったりした印象を受けそうですが、ハード・ロック調な曲もあって、「Rock'n Roll Save My Soul」なんて結構ハズい歌詞も見受けられるのでひと安心(何が?)。逆に破綻が無いだけにこれからの展開が難しいのではないか?なんて事も考えたりしちゃいますけどね。
 
 この手の音ってパンク人類からは煙たがられるようなサウンドです。聴く音楽や演奏する音楽で差別する人達には格好の批難の的。「今頃こんなのを〜」とか「リアルじゃない(笑)」とかね。
 僕はこの混沌とした音楽世界の中ではそんな主張は全く意味無いものだと思います。たとえ「プログレ」を標榜していても、それが自分達の自己表現の手段だったら何をやったって良いんですよ。これは「プログレ」を「パンク」と置き換えても当てはまる事です。パンクの原始的衝動だけが人の表現法だけではありません。逆にプログレ表現を使って世の中に出て行こうとする方がよっぽど大変で姿勢はパンクっぽいですよね。
 音楽としてのパンクが嫌いな訳ではないんですけどね。アティチュードの問題です。「何でも聴こう」が僕のアティチュードなもんでね。