「君は人のために死ねるか」
なんて素晴らしいタイトルなんでしょう。レジで買った時、表示板に商品名が出るじゃないですか、そこに「杉良太郎/君は人のために死ねるか」って出てくるんですよ、もう最高ですね。
最近の杉様ブームがどうなのか良く分らないけど、こんなのが単体で出てしまうのだから少しは盛り上がっているのでしょうか。
杉節炸裂のこの歌、凡百の歌手では感情移入など出来ません。まさに杉様だからこその為せる歌で、その凄さは言葉では言い表せない程の迫力。作詞が御本人なせいかもしれませんが、気合い入っちゃってるんですよ、特にラ行は全て巻舌で歌われます。まぁ、普通に言うと「ドスが効いてる」っていうのかもしれませんが。
多分詞先で作った歌なんですよね、この歌。普通は曲が先のパターンが多いと思うのですが、詞の組み立て方から見るとどう見ても詞が先行。イントロが終わり、Aメロ(正確にはメロディではない)に当る部分は語りで始まるのですが、このとってもカッコいい部分作るの大変だったろうなぁ、なんて思っちゃいます。
ジャケも凝ってます。ケースを振るとあら、違う杉様が現われちゃいました。でも僕はオリジナルジャケの方が好き。これで刑事物、どう見てもそうは見え…いや、やめましょう(笑)。DISC2の映像はライブ映像ですが、1分半程度のモノが一曲入っているだけ。せっかくのDVDなのだからもうちょっと映像を入れて欲しかったですね。
その他収録曲では6の「チャンピオン」は杉様の(過剰な)表現力を垣間見れます。アリスが歌ってるよりも「ドスが」効いていて面白いです。惜しむらくは6曲目、これを入れるなら僕は「新五捕物帳」の「江戸の黒豹」を入れますね。「江戸の黒豹」のTVバージョンも良いですね、オリジナルより少し回転数が上がっててよりカッコ良く(元曲だってカッコいい!)聴こえます。まぁ戯言です、流して下さい。
超有名曲7は一般的には演歌の類いで語られていますが、実は演歌を超越した普遍的なポピュラーソングとして評価すべきだと僕は思います。
一般的な演歌のキーワード「義理人情」「酒・男・女」「忍ぶ恋」等のイメージは皆無。ちょっと上から見下ろした感もしますが、前述のイメージとはかけ離れながらも日本的情緒を醸し出しつつ、愛を、人生を歌う日本歌曲史上に残る大傑作。
杉様の情念と感情をほとばしらせる歌唱力も凄まじいのですが、それに負けない、曲とアレンジがまた秀逸な上、小技の効いたバラライカの音色がもう堪りません。
この歌、杉様主演の「遠山の金さん」のエンディングでした。当時小学生だった僕は時代劇を祖父と一緒に見ていてこの歌はもう耳から覚えました。今でもそらで歌えます。だから妙に肩入れしてるのかもしれません。けれど、それを差し引いた(滅茶苦茶差し引く事になりそうですけど)としても名曲なんですね。
プロジェクトXの主題歌が「すきま風」の連続チャートイン記録を抜きましたが、あれはテレビ局の後押しや「すきま風」の記録を抜くだとか、自信を失っている世代の主題歌だとか言うアジテーションがあったからだと思います。
SAS(イギリスの特殊部隊ではない)のデビュー曲が1位になってないから1位にしようというファンのワガママとそれに乗ったレコード会社が目論んだ(と僕は思っています)のと同程度の話なんですよ、僕からすれば。
当時はそんな下らないメディア戦略もなく、この曲が大記録を打ち立てているんです。素晴らしい事です。発売一週間でちょっと売れるともう「名曲」などと言われるモノがはびこる中、「演歌」という現在では狭過ぎる範疇に入れられている「すきま風」を当「studio
SUBLUMARY」は後生に伝える普遍的な曲として大プッシュ。もちろん「君は〜」も大プッシュ!
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