かたつむり (かばん 01.6)

みどりの強い光のその石はたったひとつという意味でした

時間のことばかり考えていたら、かたつむりを踏んでしまった

遠い日の恋人のようにぼたん雪ふるぼたん雪ふるぼたん雪ふる

猫帰る 強くなでてやる はるばる遭えたような風の日

死者生者生者死者死者花を摘む ジェット音降る青空の下

黄アゲハは風に圧されて屋上のフェンスの向こうに見えなくなった

暖かな重荷を負って花のもと歩めばはつかくれないに寄る

からまった洗濯物をほどきつつ吸われた光のゆくえを思う