アスガル

Illustration:ヴァッサゴ

PNG-U1-Cの売込みに失敗したPNGはその後も特殊仕様のTU開発を続けたが、唯一まともな受注を得られたのがこのPNG-U1-F、議会軍愛称「アスガル」である。当時議会軍は、教練中のTU損壊の多発により訓練日程と修理予算に頭を悩ませていた。そこにPNGが売り込んだ本機は、PNGのお家芸である軟質装甲により高い耐衝撃性を有し、不慣れなパイロットが機体を激しく転倒、衝突させてもなかなか致命的損傷を負わないというものだった。無償試用にてその有用性を確認した議会軍は直後に採用を決定。PNGは生産拠点を従来のトランキリティの工場から工場衛星パキケファラスに移転させ、議会軍の大量発注に迅速に対応してみせた。

もっとも、アスガルの軟質装甲も、衝撃を受けるたびに内部構造が徐々に破壊されていく。しかしパキケファラスの新工場にて生産される軟質装甲は従来品よりも圧倒的に性能が向上しており、ほとんどの機体が訓練生入れ替えまで装甲交換を必要としなかった。

なお、PNG初の傑作機となったアスガルだが、軟質装甲の原価が抑えきれずにかなり薄利の価格設定で売り込まざるを得ず、結果、PNGのTU開発部門はギリギリ赤字を脱出するにとどまった。


<工場衛星パキケファラス>

Illustration:無学

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