SHOH's LIVE REPORTS

Vigilante (October 10,1998, Meguro Live Station, Tokyo)


育の日という、まさにメタルを聴くにふさわしい(^^;)日に行われたこの夜のライブは、日本のバンドが5バンド出演するもので、この間の渋谷Egg-manでのライブとは、曲も少なく、客層もいろいろという違いがあった。

私は彼らの演奏が始まる15分前に着いたのだが、ときたま雷が鳴るというあいにくの天気にも関わらず、狭いライブハウスは人であふれかえっていた。うーん、日本のメタルシーンもなかなかにぎわっているじゃないか。でもまあ、各バンドの関係者だけでもかなりの数になりそうだから、純粋な観客数としてはそれほどでもないのかな?

演奏が始まってまずたまげたのが音のでかさ。そりゃあメタルなんだから音は大きいほうがいいに決まってるが、あの小さな会場であそこまででかくする必要はまったくないだろうと思うのだが。SLAYERでもあそこまで大きくなかったぞ(^^;)。あわててティッシュを出して耳に詰めたが、他の客はみんな平気な顔をしている。それまでの2バドで耳が慣れてしまっているのだろうか?

バンドは9月中旬にドイツに行って、向こうのHM雑誌主催のフェスティバルを見てきたらしい。GRAVE DIGGERやICED EARTHなんかが出た、いかにもメタルメタルしたものだったそうだが、丹羽氏と堀江氏はステージにあげられ、インタビューも受けたらしい。ドイツではアルバムの評判もとてもよいらしいから、どうせなら1曲くらい演奏できればよかたのにね(^_^)。

というようなこともあって、とても機嫌よさそうにしていたメンバーたちだったのだが、残念ながら音のほうはあまりご機嫌がよくはなかった。なんと表現すればいいのかわからないのだけれど、それぞれの音がみんなバラバラでかみ合っていなかったように思う。決して誰かが調子悪かったとか失敗したとかいうのではないのだけれど・・・。リズム隊とギター、ギターとギター、そしてバックの演奏とヴォーカル、どれもが何かしら不協和音を醸し出していた。特にヴォーカルの丹羽氏が、いつものように声は出ているのだけれど、音をはずし気味で、大音響の演奏の中に歌が埋もれてしまい、何をやってるのかよくわからないという個所がかなりあった。

前のほうに詰め掛けたファンは曲を熟知しているから、どの曲でもみんな熱狂的に歌い、こぶしを振り上げ、頭を振ってはいたが、後ろのほうではついていけなくて茫然としている人の姿もけっこう見られた。

このあたり、次に出たMASTERMINDのヴォーカルの人も同様に苦労していたから、多分、音の大きさが災いしていたのだろう。要は音のバランスの問題なのかも。となると、バンド側よりライブハウス側に問題があるのかもしれない。でも、前にここで友人のバンドがやったときには、それほどひどいとは思わなかったんだけどなあ。

持ち時間が短かったせいもあり、まとまりをつかむ前に演奏は終了してしまった。彼らのことだから決してそれほどクオリティが低かったわけではないのだけれど、この前のライブがあまりにも素晴らしかったため、こちらの期待も大きくふくれあがっていたから、かなり残念な思いが残った。

次は1月14日、新宿ロフトであるらしい。ワンマンかどうかわからないが、この次は納得できるものを聴かせてくれるものと期待しよう。


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