SHOH's LIVE REPORTS

Vigilante (August 14,1998, Shibuya Egg-man, Tokyo)


が見た彼らのライブの中では最高の出来だった。

会場は前回のON AIR WESTに比べると小さい感じがしたし、真ん中から後ろ3分の2くらいは椅子席だったので、果たして盛り上がるのだろうかと心配していたが、よけいなお世話だったようだ(^^;)。

7時開演だったが、今回は前座のバンドがつき、ここが30分くらい演奏してからだったので、実際に始まったのは8時過ぎくらいだったと思う。前座のバンドは、剃り込みを入れた生え際だけ黒く残し、あとは金髪のストレートロングヘアという過激なルックスのヴォーカリストで、どんな音を聴かせてくれるんだろうかと期待したが、割とよくあるヘヴィーメタル・ハードコア系かなという感じ。とにかく音のバランスが悪くて(前座の宿命?)、始まったとたんにあわててティッシュを耳に詰めてしまった。あそこまで音が悪いと、音楽を楽しむどころじゃなくなってしまう。バンドにはちょっと気の毒だったが、それでも最前列に立ってずっとヘッドバンギングしている忠実なファン(友人?)が何人かいたのには、日本人って義理がたい〜と感心してしまった。

そんな前座のあとだっただけに、PAのことなどちょっと心配していたのだが、さすがメインアクト。"The Riviving World"が始まったとたんに「おお、いい音だ!」と安心。もちろんティッシュはとっくに外している。

新譜の「CHAOS〜PILGRIMAAGE」は聴いていたが、曲名は覚えていないので、セットリストはわからない。でも、新譜からの曲はけっこうやったような気が・・・。

特筆すべきなのは、前回のライブまでずっと感じていたDREAM THEATER臭さがほとんど消えていたこと。VIGILANTEならではの音をようやくつかんだのかな、という気がした。あるいは私がようやくDREAM THEATERの呪縛から逃れられただけ、ということなのかもしれないが。

ヴォーカルの丹羽氏は、高校時代に行ったというWASPのTシャツを着て、とっても楽しそうにMCしながらの熱唱。新譜の反応は外国でもいいらしく、そのへんも話してくれた。時々「きょうは喋りすぎだよね」と大本氏のほうをうかがいながらも、それでも止まらない(^^;)。でも、その楽しさが客席にも伝染して、ON AIR WESTのときみたいな息詰まるような沈黙とか間といったものがまったくない、実になごやかでなおかつ集中力が持続したステージと客席だった。

丹羽氏の声は相変わらず絶好調。あそこまで声が出たらほんとに気持ちいいだろうなあ。

新曲も1曲、披露してくれたが、かなりヘヴィーで、丹羽氏が「思いきり頭振れるよ」と言ってた通り、速いナンバーだった。が、それだけではなく、いかにもVIGIKLANTEらしい変拍子の叙情的な部分もあり、バランスのいい曲だ。正直言って「CHAOS〜PILGRIMAAGE」では、途中少しダレたりした私だったので、次のアルバムへの期待が多いにふくらんだ。

個人的にこの夜のハイライトだったのは、QUEENSRYCHEの"Warning"から続けて始まったオリジナル曲(曲名わかんない)。丹羽氏も「カヴァーよりオリジナルの反応がよかったのがすげえうれしい」と言っていたが、ほんとにかっこよかったんだもの。でもまあ、何年も昔の古きよき時代のヘヴィーメタル然とした曲から入って、そのよさをとり入れながらも今の時代のエッセンスをしっかり吸収させた曲を聴かせたんだから、映えるのは当然とも言える。頭脳プレイだな。

アンコールの最後は"Relapse Of Your Privacy"で思いきり首を振って終わり。(バンドも客も)双方が大満足し、にこにこしながら終了したライブだった。

(彼らのホームページはこちら。)


1998 I INDEX I Vの目次へ