Varttina (August 24,1998, Shibuya Club Quatro, Tokyo)
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フィンランドの現在の音楽シーンをノンジャンルで紹介するコンピレーションを人からもらって聴いていたら、中にえらくかっこいい民族音楽のバンドがいた。それが VARTTINA。1曲だけなので、実際にライブを見たらどうなのかは不明だったが、たまたま来日公演があると聞いて、チケットを手配してしまった。
日本での認知度は低いから、きっとクアトロはガラガラだろうなと思いつつ行ったのだが、どうしてどうして、あとからあとから人が入ってきて、最終的には9割近く埋まっていたのではないだろうか。びっくり。ステージでのMCで今回が2度目の来日と言っていたので、もしかしたら私が知らなかっただけで、かなり人気が定着しているバンドなのかも(^^;)。年齢層もかなり広い。
さて、開演時間。ステージに4人の女性が登場した。かなり暗いので年格好はほとんどわからず、シルエットから判断するにかなりのおばさま達なのではないかと思えた。そして4人がアカペラで歌い出したのだが、この声もけっこう意表をついていた。どうも私のほうにトラッドというと透き通るような女性ヴォーカルというイメージがあったようで、それとは正反対の、どっちかというとドラ声というか地の声だったので。でも、4人のハーモニーの素晴らしさとあいまって、とても迫力があり、聴衆はいきなりVARTTINA WORLDに誘い込まれてしまった。
1曲終わるとステージも明るくなり、バックの演奏陣が登場。フィドル、アコーディオン、ブズーキ(この人はサックスも担当していた)、ドラム、ウッドベース、それにアコースティックギターという構成。全部で10人! 狭いクアトロのステージだと、ひとりくらい端からはみ出してしまいそうな気がする。
明るくなってよく見ると、女性はみんなけっこう若かった。全員ヘッドインカムのマイクを付けて、狭いステージで少しでも動けるようにしている。
左端から、ノースリーブで裾の長いワンピースを着て、薄い色の金髪をおさげにした少女のような人。その隣りは黒でまとめたパンツルックの体格のいい黒髪ショートカット。露出度の高いカラフルなジャンプスーツを着た金髪ショートカット。黒のパンツの上にやはり黒っぽいミニワンピを重ねた小太りの金髪ショートカット。
ジャンプスーツの女性以外はそれほど美人というのでもないが、とても素朴で明るい感じがよい。なにより楽しそうに歌って踊るのが、見ていても気持ちいい。歌詞がわからなくても、なにかユーモラスで楽しい内容なんだろうなあ、と漠然と想像できて、見ているこちらもニコニコしてしまうことが何度もあった。
ほとんどの曲は4人全員のハーモニーを聴かせるタイプだったが、なかには1人がソロをとって他のメンバーがコーラスをつけたり、4人が順番にソロを交替して歌ったりとあきさせない内容。インストだけの曲も2曲ほどあり、トラッド好きの観客から大きな拍手と歓声を受けていた。
ベースの人はけっこう若いみたいで、弾きながらとびはねてたし、途中ベースを弓で弾くなどの目立つ部分もあった(^_^)。フィドルのおじさまが楽器の音自体は目立つのに、あくまでも粛々と演奏していたのと好対照。なんかこういうのっていいなあ。
最初のうちは、じっと立っている人が多かったが、最後のほうにはフロアの人はみんな体を動かし、前のほうでは踊り狂っていた人もいたような。私は一段高くなったカウンターの後ろあたりで見ていたけれど、それでもしっかり踊ってしまった。こういうライブでは踊ったもの勝ちだもんね(^^;)。
ステージ終了後、会場でCDを買った人はメンバーとのサイン会があったようだ。