SHOH's LIVE REPORTS

Enuff Z'nuff(with Talas) (September 13,1998 at Hibiya Yagai Ongakudo,Tokyo)


う絶対にものたりない! 最初から予想はしていたけれど、待って待って待って、ようやく大好きなバンドのライブが見られるというのに、それが前座だなんて・・・。

16日の単独公演があるから、まあ、きょうは様子見というかウォーミングアップのつもりではいたんだけれど、始まっちゃったらそんなこと忘れてどっぷり。

まず最初に伊藤政則氏が登場してバンドを紹介したのには驚いた。まあ、このあとのTALASのときにもやっていたから、ズナフのために特別に来たというのではないんだろうが、昔からけっこうプッシュしていたのは確かだもんな。

で、まだ明るいステージにばらばらと出てきたメンバーを見て、まず最初のふたりが短髪なのにギョッとする。近頃はどこのバンドもみんな"ALMOST CUT MY HAIR"状態で、まあ私も絶対長髪でなきゃいやだというわけでもなく、似合ってればいいか、という感じではあるのだが、なぜかズナフだけは長髪でないとしっくりこない。長髪に派手な衣装に不健康な雰囲気。これがイメージとして植え付けられちゃってるからなあ。

が、次に出てきたドニーを見てほっと安心。長髪のまま。金色っぽいぱさぱさした茶髪に、いまどきどこで売ってるんだと思うようなサイケ柄のシャツ、黒い革パンツに銀色のベルト、これまたサイケなサングラスに、生まれてからこのかたスポーツなんてしたことないです、昼間は外に出ないです、というような青白い顔。もう私のイメージするドニーそのままだった。←なんちゅう期待をするファンだ(^^;)

が、チップが想像していたよりずっと背が高くて、ずっとすらっとしてて、かっこよかったのにはびっくり。髪はちょっと短めみたいだが、帽子をかぶっているのでよくわからない。くすんだグリーン系の縦縞が入った、なかなかお洒落なシャツを着ている。ドニーの派手なだけのシャツとは好対照。

マイクに向かったドニーの第一声は「Finally!」だった。しかも2度も繰り返して。胸がつまった。その言葉は私たちファンのほうでも本当に言いたかったことなんだもの。「ついに」「とうとう」私たちのENUFF Z'NUFFを生で聴くことが出来る! そしてバンドも心からそう思ってくれているんだと信じられて、なんだか目の前が少しかすんでしまった。

ドニーの声は、もうほんとにアルバムそのまんま。ライブだとちょっと弱かったりするかなあ、なんて危惧していたのだが、そんな心配あっという間に吹き飛んだ。歌いながら腰を振ったり手を振り上げたりと、けっこうステージパフォーマンスが派手だったのは予想外。ちょっとジョン・ボンジョヴィが入ってるかな、というふうでもあった。

途中、右端に置いたピアノのほうに行って、「BROTHERS」に入ってた曲を演奏したのだが、あれはきっと単独のときはもっと長く、あるいは何度か繰り返されるんじゃないだろうか、などと妄想にふける(^^;)。

チップがお茶目なところは予想どおりで、ステージの上をちょこまか歩いたり、「うふ」というように口元に手をあてたり、曲の最後にピョンと飛び上がってシャツの裾から裸のお腹を見せちゃうとこなんて、まるで少年のような雰囲気がある。

野外で、前座ということもあって、音のバランスはかなり悪く、ギタリスト寄りの席にいた私にはドニーのギターの音はほとんど聞こえず、逆にチップ側にいた友人はギタリストの音がよく聞こえなかったという。それでも、彼らの素晴らしさは充分に伝わってきた。曲の途中にさりげなくはさまれるBEATLESフレースも健在で、思わず顔がゆるんでしまう(^_^)。

"REVOLUTION"が始まったときには「え〜っ、もうこれで終わり?」と愕然とするほどちょっとしかやっていないような気がしたが、それでも40分は演っていたらしい。でも、あの曲もあの曲もあの曲も演ってないじゃないかあ(・_・)。

というわけで、ライブレポートにもならないご報告でした。16日にはたっぷりね(^^)。

あ、TALASについてもひとこと。MR.BIG が "SHY BOY"をカヴァーしていたから名前だけは知っていたが、トリオ・バンドだというのは見て初めてわかった。ドラマーとギタリストとベーシストがみんなリードヴォーカルをとるというのは、それはそれで面白かったけど、逆にどの曲もヴォーカルが弱くて印象に残らないという弱点にもつながっていたように思えた。

曲そのものも、昔なつかしいアメリカンロックという感じで(私には)可もなく不可もなし。昔、好きだった人がなつかしんで聴くにはいいのかもしれないけど、あえて今再結成して、昔を知らない若いファンに聴かせたからといってどうなるものでもないんじゃないかなあ。

EAGLESみたいに、それでも東京ドームを満員に出来るくらい客が集まるなら、それはそれで興行価値もあるが、音楽的傾向がまったく異なるENUFF Z'NUFFのファンを無理矢理ひっぱりだしてまで集客しようという姿勢には疑問を感じた。まあ、これはバンドが悪いわけではないのだけれど。


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