SHOH's LIVE REPORTS

Eagles (Nov 15,1995 at Tokyo Dome,Tokyo)


ってきましたぁ!

休憩をはさんでの2部構成。アンコール3回で26数曲3時間という充実のライブ。開演が少し遅れたから、終わったのが10時というありさまで、仕事終わってすぐに駆けつけた私はお腹がすいて死にそうになってしまった。おまけに帰りは雨ザアザア降りだし……それでもニコニコしながら「うえるかっとぅざほてるかりふぉーにゃ」と歌いながら歩けたのは、とにかく楽しかったから。

なにしろドームだし、まわりを見回すと、ひょっとしたらストーンズのときより年齢層高いんじゃないかと思えるほどの観客ばかりだし、一体どんなライブになるのだろうと、実は一抹の不安があったのだけど、始まってみたらおやまあびっくり。

なんというのかな。ものすごく自然でアットホームな雰囲気がステージからだけでなくて、会場からもひしひしと感じられる。アリーナもスタンドもみんな座ってるんだけど、1曲始まるごとにどよめくその気配で、どんなにみんなが待っていたのか、そして喜んでいるのかがよ〜くわかる。

ストーンズのときよりも年齢層が高い、と書いたけど、それは多分あのときみたいに「音楽的な興味はないけど、なんだか珍しいらしいから一応見ておこう」みたいな観客が少なかったからじゃないかと思うんだ。同じ時代を共有した人たちが、同窓会のようにして集まってきた。そんなふうでした。

ステージの両脇には岩のようなハリボテのセット。ステージの上は工場の廃墟のような雰囲気に作ってあって、巨大なナットが立ってたり金属板みたいなものが倒れていたりする。ステージの両側にスクリーンがあって、メンバーが代わりばんこに写ってる。

私は1階スタンドだったから、双眼鏡を一応持っていってはみたものの、それで見ても顔なんて識別不能だから、どうしたって実際のステージよりこのスクリーンのほうを見てしまうのだけれど、そうするとメンバー全員の動きとかがわかんなくなっちゃうんですよね。というわけで私は、ティモシーのときはスクリーン、他のメンバーのときはステージを見てました。

キーボード(2人も!)、バイオリン、サックス、パーカッションという豪華サポートメンバーが参加していたせいで、音の厚みは最高。まあ、ドームだから例の反響はすさまじかったけど、それでもドーム公演の中で比較すれば格段にいい音だったと思う。

しかし! しょっぱなから「HOTEL CALIFORNIA」をやってしまうとは! しかもオリジナル・ヴァージョン。

MTVで流した向こうでのライブでは、この曲がアコースティックで演奏されていて、それはそれでとてもすてきだったけど、リアルタイムで彼らを聴いたことのない私としては、やはりオリジナルのあのギターを聴きたかったから、もううれしくてうれしくて。ドン・フェルダーのダブルネックギターはほんとにいい音してました。

ほとんどのMCをとっていたのはグレン・フライ。この人が胃かいようの手術をしたために前回の公演が延期になったわけだけれど、手術はうまくいったようで、すごく元気そうでした。アロハみたいなシャツを着て歌ってる姿は、温泉ホテルの余興に出てきそうな芸人風。「YOU BELONG TO THE CITY」 はサックスもばしばし入ってリキ入りまくりだったんだけど、なぜかアレンジが少し不自然な気がしたのは私だけ?

このとき、ドン・ヘンリーは下に降りてきてコンガを叩いていて、ドラムスはサポートメンバーの若い子(この子がけっこう可愛い!)が叩いてたんだけど、そのせいかなあ? この曲、昔MTVでかかりまくりだった頃にすごく好きだった曲だったのでちょっと残念でした。

想像以上にすてきだったのがティモシー・シュミット。いやもうあの年であのルックスを保っていられるなんてすごいわ! おまけにあの美しい声。ソロで歌ったのは2曲だけだったけど、彼のコーラスがつくとつかないとでは曲のイメージがまったく変わっちゃうと思う。それを言うならグレン・フライだってドン・ヘンリーだって同じで(ウォルシュおじさんはご愛嬌ね)、ソロで堂々歌える人たちがたくさんいるバンドってとっても強い。

ジョー・ウォルシュは、なんだかすごくおかしなおじさん。偏屈に見えるけど実はすっごくユーモアのセンスがあって面白い人って感じです。彼はEAGLESの曲でギター弾いてるときよりも自分のソロの曲をやってるときのほうがかっこよかったな。

で、実はいちばんのお気に入りのドン・ヘンリー。いやあ、老けてました。前に大晦日の東京ドームでカウントダウンのコンサーートをやったときは、もうほんとにいい男で、マイケル・モンローがかすんでしまうほどだったのに、なぜ。髪を短く刈っちゃったのと、お太りあそばしたのが原因だと思うのだが、前に書いたMTVのライブビデオでだって、これほど老けてなかったぞ。

でもまあ、声は全然変わってない。この人の声、もう死ぬほど好き。ちょっとかすれて苦しそうに張り上げるところも、小さく呟くように歌うところも、高い裏声も、いちいち背筋がぞくぞくしちゃうんですよねえ。

4曲目くらいにやった「WASTED TIME」 を聴いてたら、歌詞が理解できたわけでもないのに、なんだかとってもしみじみしてきてしまって、目頭が熱くなってしまいました。

「HEART OF THE MATTER」も「DESPERADO」も超すてき。ただし、グレンの「YOU BELONG 〜」と同じ理由なのか、「THE BOYS OF SUMMER」はイマイチだったかな? もう1度、今度はソロで来日してくれないかなあ。今から思えば、今回の来日、どうせならEAGLESとしての公演と各メンバーのソロ公演を組み合わせて1ヵ月くらい滞在してくれればよかったのにね(って自分の都合ばかり考えてるな)。

バンドも観客も、年齢なりに落ち着いてゆったりと、自分たちにぴったりのテンポで楽しめたライブでした。これ、どこかで放映されないかなあ?

1.HOTEL CALIFORNIA
2.VICTIM OF LOVE
3.NEW KID IN TOWN
4.WASTED TIME
5.PRETTY MAIDS ALL IN A ROW
6.THE GIRL FROM YESTERDAY
7.I CAN'T TELL YOU WHY
8.ORDINARY AVERAGE GUY
9.LYIN' EYES
10.ONE OF THESE NIGHT
-INTERMISSION-
11.WASTED TIME(REPRISE)
12.TEQUILA SUNRISE
13.HELP ME THROUGH THE NIGHT
14.LOVE WILL KEEP US ALIVE
15.THE HEART OF MATTER
16.YOU BELONG TO THE CITY
17.THE BOYS OF SUMMER
18.FUNK #49
19.DIRTY LAUNDRY
20.SMUGGLER'S BLUES
21.LIFE'S BEEN GOOD
22.HEARTACHE TONIGHT
23.LIFE IN THE FAST LANE
-ENCORE-
24.GET OVER IT
25.AMAZING GRACE
26.ROCKY MOUNTAIN WAY
-ENCORE-
27.ALREADY GONE
28.DESPERADO
-ENCORE-
29.TAKE IT EASY

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