SHOH's LIVE REPORTS

Def Leppard in Japan (September 26 - October 4,1999)


10月4日の横浜最終公演を下敷きにしたレポートですが、ところどころ他の日に関しても混ぜ込んであります。


開演前の音楽はほとんど前回、前々回と同じだったような。GUNSの"Coma" をきっかけにして "We will rock you" に入っていくところはまったく同じで、そのあとにゲイリー・グリッターが入るのが "EUPHORIA" ツアーらしい趣向だった。

DEF LEPPARD クラスのバンドになると、私のように来日公演を複数回見る、という人も多いので、最終日ともなるとさすがに "We will rock you" のドンドンパッ!もゲイリー・グリッターでの手拍子も増えてきて、それらしい雰囲気を出している。「さあ始まるぞ」という気持ちと「ああ、きょうで最後かあ(涙)」という気持ちが交錯して、なんだか始まる前から泣き出しそう。

が、そんな感傷的な気分は客電が落ちるなりスタートする最初の曲ではじけ飛ぶ。まわりじゅうが「えにしんごー!」と叫んでいる。"Rock! Rock!" を最初に持ってくるのは正解かもなあ。テンションが一気にあがるもの。

ジョーは黒の長袖シャツの下に黒のタンクトップ、黒のジーンズという黒ずくめの服装。サヴはそれと対照的に長い白のエレガントなジャケットに黒のパンツで貴公子然としている。金髪には白が映えるのよね。ヴィヴは赤のビニールみたいな素材の半袖シャツに黒のパンツ、フィルは深いグリーンのレースの長袖シャツに黒の細身のパンツ。今回の衣装はみんな前回ツアー時のカジュアルな服装と違っていてとてもかっこいい。リックだけは動きやすさ重視で毎回マーチャンにあったサッカーシャツ。

そうそう、リックのドラム台の両脇には、東京公演の初日から赤提灯が下げられるようになっていた。大阪公演のときにはなかったから、福岡公演のオフのときに買ってきたに違いない。あれ、このあとの英国公演でも使うつもりなんだろうか。向こうのファンになんて説明するつもりなんだろう。「日本でパブをみつけようと思ったら、こういう赤ランプを探すといいんだよ」とか言うのかな(笑)。

まったく曲間をあけずに "Action" のイントロに入る。この次の "Demolition Man" までMCも空白もなし。とにかく最初の3曲で聴衆をがっちりつかんでしまおうという魂胆だ。もちろん私たちはまんまとその手にハマる。

それにしてもコーラスがほんとうに気持ちいい。"Action" などはアルバムで聞いているときよりもずっと力強くて男っぽいので、お腹に力がぐっと入って、みるみるエネルギーが体じゅうにみなぎってくるような気がする。

"Demolition Man" は新譜からの曲の最初の登場だが、アルバムを聴いたときからライヴの最初のほうにやるだろうなと思っていた。SLANG ツアーのときの "Gift Of Fresh" みたいに、ひょっとしたら1曲目かも? なんて考えていたが、さすがにそこまでの冒険はできなかったようだ。でも、新曲とは思えないくらい客の反応はいい。サビのところではちゃんと一緒に歌っているし、腕も上がっている。

こういう速い曲のときのジョーって、マイクスタンドを両手でがっちりつかんで足をがっと開き、まるでマイクがハンドルで、超高速で車をぶっ飛ばしているかのように歌う。あまり体も動かさないでいるのが、逆に下手に動いたら振り落とされそうなスピードを感じさせる。

ここでようやくMCが入る。

「こんばんわ、トーキョー!」
「We are Def Leppard!」
「And this is what we do!」

ステージ右端の花道の入り口あたり、客席に近い位置についていたフィルが右手を掲げてからジョーの言葉にかぶせるように "Women" のあの印象的なリフをいっぱいにためて弾き始める。それに合わせるようにジョーがフィルのほうに体を傾けながら「ああ〜〜あ〜」とシャウトする。ここの部分はもう何度見てもゾクゾクする。最終日の横浜ではフィルが最後のソロを正面で弾いたあと後ろ向きになって、おおげさなガニ股でドラム台のほうに歩いていくので、どうしたのかと見ていたら、最後のジャン!のところで左手を上げて腰をひねり、「サタデーナイト・フィーバー」(古い!)のトラボルタのポーズをしてみせていた(^^;)。

「ども〜ありがと〜」妙に平坦なジョーの日本語が響き、すぐに次の "Make Love Like A Man" へと突入する。最初の部分の「ウッ!」というところでは客席からも声があがって(もちろん私も一緒にやって)、ものすごく気持ちいい。途中の突っ込むように歌う部分になるとフィルが中央のジョーのところまでやってきて、体を傾け、ジョーが差し出すマイクに噛みつくようにして歌う。最後のところでジョーもマイクに近づいてコーラスをかぶせるところは、何度見てもかっこいい。今思い出してみると、フィルって大体このときにはもう上半身裸になっていた。

最後の部分でジョーがいったん歌いやめ、わざとらしく咳払いなどしてから長〜く息を伸ばしてみせるのはいつもの手。でもファンは律義だからそのたびに歓声をあげてその心意気に応える。しかし、すごい肺活量だと思う。もうここまでだろうな、と思うところでまだ半分くらいなんだから。まああれだけ厚い胸板をしていれば肺も大きいのかも。

最後のギターをそのまま長くひっぱったまま、次の曲のイントロに入る。"When Love And Hate Collide" だ! SLANGツアーではアコースティック・セットで演奏されたので、日本のファンがこの曲をオリジナルヴァージョンで聴くのは初めて。そのためか、始まったときには一瞬シーンとなり、次の瞬間歓声が。みんな待ってたのだと思う。涙を押さえられない人もいたようだ。

大阪初日と東京2日目にはここに「PYROMANIA」アルバムからの "Too Late For Love" が入った。これもかなり高音がキツそうで、ジョーの喉の調子がいいときにしかやらないのかもしれない。

「ヘイヘイヘイ! どもありがと〜ト〜キョ〜!」
「次の曲は一緒に歌ってほしんだ」
いえ〜!
「オーライト?」お〜らい!

催促されなくたって "Animal" だったら一緒に歌うよね。ちゃんとその前の手拍子だってみんなやってるもん。こういうふうにちょっとしたお約束があって、それにのれるとものすごい一体感が味わえるライヴって、ほんとに楽しいんだなあ。もちろんそのためにはちょっとした予習が必要だけどね。でも、好きだったらちっとも苦にならない。

"When Love And Hate Collide" をやってしまったので今日はやらないだろうなと思っていたのに、シャンシャンシャンシャンというシンバルのカウントから "Hysteria" が始まった。うわあ、すごい大盤振る舞い。赤と紫を基調にしたライティングにメンバーの姿が浮かび、夢のような空間を繰り広げる。途中のブレイクでジョーが長い腕を大きく横に広げて静止した瞬間に白いスポットライトがパーッと当たり、素晴らしくドラマチックだ。ギターソロのときには腕を横に上げたまま後向きになってドラム台のほうに下がっていくのだが、向こう側から当たった光がラメ入りの黒のシャツを透けさせてみせ、とてもセクシーに見せる。そこまで計算して衣装選びをしているのか? でも、いつも長袖のシャツを羽織っているのは絶対に計算ずみだと思う。カフスのボタンをわざと外してダランとさせているのだが、それが彼の長い腕を強調している。しかも、それをみせつけるようにバラードの間奏部分では両腕を広げたまま歩いたりするんだもんなあ。

今回この曲の最後でジョーはなんと POLICE の「みつめてほしい( Every Breath You Take )」を3フレーズ歌ってフィニッシュにしていた。いかにも幅広い音楽を聴いているジョーらしいアイディアだ。

これまた印象的なリフで始まる "Foolin'" では、中央のマイクスタンドでジョーとフィルがこれ以上無理というくらい顔を密着させて一緒に歌うシーンがハイライト。いつでもちょっとドキドキしてしまう。

「また戻ってこれてうれしいよ。もちろん俺たちがここにいるのはニューアルバムを出したからだ。ゆ〜ふぉ〜りあ〜!」大歓声
「その新譜からの曲で "Paper Sun" だ」

ステージに黄色のレーザー光線があふれ、その中でギターを弾くフィルとヴィヴに紫色のスポットが当たる。とても幻想的で曲のイメージにぴったり。最初にラジオで聴いたときから感動した曲だったので、ぜひライヴで聴きたいと思っていた。その期待を裏切らず、壮大でスケール感のある演奏。なんだかこの曲ではサヴがやけにがんばってコーラスを歌っているような気がした。お気に入りなのかも。途中で転調するところはすごくヘヴィーで、思わず首が振れてしまうかっこよさ。最後はフィルが前に出てきて最後のギターソロを弾き、暗くなった中で弦をもってギターをぶら下げるようにして終わらせ、客席に向かって親指を上げてから下がっていく。

感動の拍手が鳴り響き、みんながまだ余韻に酔っているところにジョーのMCが入る。「That was "Paper Sun"」と言ってから、「And this is」で言葉を切ったところに、シンバルがにぎやかに入って、ダンサブルな "Slang"! ほんとにこの曲ではみんなすごく楽しそうに踊っている。ジョーもステージの上を右に左にと歩き回り、客席に合図をしては煽っている。例の1から4まで数える部分は、大阪1日目は「One, Two Three, Four」の英語ヴァージョン、2日目が「Uno, Dos, Tres, Quatro」のスペイン語ヴァージョン、それ以降はずっと「イチ、ニ、サン、シ」の日本語ヴァージョンだった。

おおいに盛り上がったところで新譜からの曲が2曲続く。この構成はすごく巧いと思った。ファーストシングルの "Promises" はラジオでもCD店の店頭でもさんざん流れていただけあって、会場の反応は昔からのヒット曲であるかのようにいい。「お〜お〜」というコーラスの部分も、ジョーにうながされるまでもなく、最初から自然にみんなが歌っていた。しかしアルバムに比べて速いことったら。ふつうライヴではみんな速くなるものだけれど、この曲は特にそれがきわだっていて、あっという間に終わってしまった印象がある(笑)。

そして、最初に聴いたときに涙が出てしまった曲 "Goodbye"。この曲はサヴの作詞作曲なのだが、そのせいなのか、イントロ部分ではものすごくキメキメのポーズをとったサヴにスポットライトが当たる。ジョーの声はちょっときつそうだが、ヴィヴの高い声のコーラスがものすごくきれい。

感動をすぐに消さないために、このあとにはバラードを続けるというふうに決めているらしく、MCなしですぐにリックのカウントが入り、"Love Bites" へとつなぐ。が、これは実にキツそう。ほとんど高音ばかりだから血管が切れるんじゃないかと心配になってしまう。それでもやっぱり聴きたいファン心理。

9月30日にはここにジョーのMCが入って「High And Dryアルバムからの曲だ」というので、あれ? "Love Bites" のはずなのに? と首をひねったところに "Bringin' On The Heartbreak" が始まってしまい、金縛りにあってしまった。しかもお約束通り "Switch 625" がちゃんとあとに続く。サヴが黒い革手袋をはめた右手を高く掲げるポーズもキマる。結局この日1度しかやってくれなかったけれど、ジョーの声の調子を考えると仕方がないかなと思う。30日は間にオフが1日入ったので、少し調子を取り戻していたのだろう。

国際フォーラムでの初日、9月30日にはステージ両側に客席のほうにずっと伸びた花道があったのがうれしかったらしく、ジョーは右に左にと走り回っていたのだが、とうとう 次の "Armagedon It" で右側の花道から飛び降りて、客席内の真ん中の通路を歩き始めてしまった。ちょうど照明の死角に当たる位置でスポットも当たらないのだが、人波の動きでジョーがどのへんにいるのかはすぐにわかる。警備員が必死で追いかけ、前に出てこようとする客を押しとどめている。大阪ではステージと最前列の間の空間に降りてきたりはしたが、ここまでの暴挙は初めてだ。さすがに悪いと思ったのか、左側の花道にたどり着いて、上で待っていた数人のセキュリティに迎えられたときには、軽く頭を下げていたジョーであった。もちろん、こんなことはこの日限り。4日に出演したラジオ番組でこの日のことを聞かれ、「もうやってほしくないって言われた」とジョーが笑って答えていた。

「カンパ〜イ!」
と言いながらペットボトルの水をぐっと飲む。大阪ではすでにここでプラスチックカップに入れた酒を飲んでいたのだが、さすがにまずいと思ったのか、東京では水になっていた。
「これはただの水だよ。サケは後ろ」
なんだ、用意はしてるのか(笑)。
「ここでちょっとゲームをしよう。後ろのあれが見える?」
そこにはもちろん大きなユニオンジャックが。
「俺達の国の旗だよ」
と言ったところでヴィヴのほうを向くとアンプにアイルランドの旗がかけてある。
「あ〜もしくは連合する国の旗だ」
(^^;)
「あれは俺たちの曲を示すものなんだけど・・・」
最初の日はちょっと戸惑って沈黙してしまった私達。
「ひとつヒントをあげよう。マリリン・モンロー。どう?」
そうか〜! そういえば "Photograph" でメンバーはみんなユニオンジャック柄の服を着ていたっけ。ふぉ〜とぐら〜ふ〜!
「そう、それだ!」

大合唱になった "Photograph" の最後のギターの余韻がまだ残るところに間髪を入れずギター、ドラムが入り、ジョーが「ギター!」「ドラムス!」と叫びながらフィルとリックを指差す。「ろけっと、いえ〜!」では全員の手があがり声が会場を満たす。目を射るような白いレーザーが客席のほうに向けられ、空中に突き出された腕を浮かびあがらせる。リックのドラムがリズムを刻み、なんともいえない高揚感にぼーっとしてくる。最後にジョーが「ろけっと、いえ〜」でマイクスタンドを客席に銃のように突きつけてブレイク。う〜〜〜、かっこいい〜!

リックのドラムに合わせて客席から「へい!」と声が上がる。"Pour Some Sugar On Me" は一緒になって歌うところが多くて忙しい。掛け合いみたいになるから、タイミングを合わせるのがけっこう難しいが、それがぴったり合ったときの気持ちよさといったら。途中の「俺の頭から足の先まで」のところ、ジョーは「頭から俺の」まで歌ったところで黙ってしまい、意味ありげににやっとして口を閉ざしてみせる。確か前回は歌詞は全部歌って、手を頭から下半身あたりまで持ってきて止めたんんじゃなかったかな。なんかどんどん中年オヤジっぽいヴァージョンになってるような気が(汗)。

「カンパイ。水じゃないよ。オイチイ。キレイ」
オイチイは酒を、キレイはオーディエンスを指している。キレイっていうのは女性ファンに対してではなくて、ファン全体に Lovely 言ってるつもりなんだと思う。が、変。

「俺たちはあまり日本語を知らないんだ。でも、今回は4つの言葉を日本語にして紹介しようって決めたんだ。こういう言葉だ」
前回はなかったリックの鼻モゲラ語がしっかり入って本編最後の "Rock Of Ages" に突入。みんな半狂乱で「I want rock n' roll! Only rock n' roll!」と歌う。「いえ〜!と言ってくれ」のところでは、ジョーが差し出すマイクに向かって喉が焼ききれるまで叫んだ。

大歓声の客席に向かってメンバー全員が手を振って回り、最後にジョーが挨拶する。

「もう一度ありがとう! また会おう! 多分明日、あるいはあさって、もしくはその次の機会に。ド〜モアリガト〜! サヨナ〜ラ!」

再びステージに登場したメンバーはそれぞれ手に飲み物を持っている。ジョーは酒、サヴ、ヴィヴ、リックはビールだ。フィルはお酒を飲まないのでミネラルウォーター。みんなのビールを指差してジョーが「サッポロ、キリン、ハイネケン?」と聞いているとサヴが「アサヒ」と答える。大阪では「キリン」と言ってたんだけどな。なんでもいいのか(^^;)。

「もちろん俺のはサケだよ。みんな酒をプレゼントしてくれてありがとうね。でも、全然残ってないんだよね。だって俺って酔っ払いなんだもん」(メンバー大笑い)

10月1日にはステージに現れたメンバーに向かって客席からサッカーボールが投げ込まれた。すかさず全員が遊び始める。ふだんやってるだけにみんなすごく上手だ。誰もボールを落とさないから「いつまでやってるつもりだ(^^;)」と思っていたら、さすがにジョーが左足で思いきり客席に向かって蹴り込んで終了。「英国人にボールを与えるもんじゃないぜ。止まらないんだから」とジョーが釘をさす。

2日は登場するなりフィルが "Wasted" のイントロを弾き、客席から「お〜〜〜〜っ!!!」という歓声が上がったのだが、すぐにやめてしまった。「あ〜〜あ(・_・)」とがっかりした声が漏れると、ジョーが「でんででんでで〜ん」とふざけて歌う。まったくもう(^^;)。 「質問があるんだ」これはお決まりの導入。30日にはここで客席からわけのわからない叫びがあがったもので、ジョーが失笑してしまうシーンも。でもすぐに気をとりなおして、「Do you wanna get rock〜〜〜〜〜〜〜〜〜?!」

今回初めての趣向かなと思ったのは、途中で正面のマイクのところにサヴ、ヴィヴ、フィルが集まり、客席に背を向けて立つジョーを囲むようにして演奏する部分。日によってはヴィヴだけがすぐにその輪を離れて、ひとりでちょこまかとみんなの回りを走り回っているのが可愛らしかった。1回目のアンコールはこの1曲で終わり、すぐにメンバーは引っ込んでしまう。これはちょっと物足りない気がした。何も2回に分ける必要はないんじゃないだろうか。それとも、ここでいったん引っ込んで次をどうするのか相談してるのかなあ。

再登場したフィルはなぜか大きな誘蛾灯みたいなものを持っていて、マイクにそれを近づけてジージーいう音を聞かせている。ジョーだったかが「ガイガーカウンター」などと、いま言うにはあまりにも危険なネタを口にする。

そして、2日には次に "Let It Go" が始まるとばかり思っていた私たちに向かってジョーが、「ちょっとしたサプライズがあるよ。さっきちょこっと弾いたときに歓声が大きかったからやろうと思うんだ。ファーストアルバムからの曲だ」と言って、初来日以来の "Wasted" をやってくれたのだった。いやあ、これはキたなあ。首振りまくり、拳振り上げまくり。この曲のときのジョーは、昔のビデオクリップで見られるような両足を膝のところから横に上げるようなジャンプをピョンピョンとしてみせて、まるで20代前半に戻ったみたいだ。 実は30日にも2度目のアンコールに登場したときフィルが "Wasted" のイントロを弾いていた。このとき客席からの反応がよかったら演奏するつもりだったのかもしれない。が、この日はここでリックが変な宇宙人の耳みたいなものを頭につけて登場したものだから、オーディエンスの関心がそっちに向かってしまい、結局そのまま "Let It Go" に入ってしまったのだった。

最終日の横浜では「俺たちを長年サポートしているマサ・イトウからのリクエストがあったので」ともう一度演奏してくれた。

"Let It Go" は、大阪2日目でやったときには、ジョーが歌に入って2小節目くらいでやめてしまい、「キーを間違えたからもう一度」と言ってやり直していた。で、30日には似てはいるけれど別の曲をやはり2小節くらい歌ってから「ただの冗談だよ。今のは AC/DCさ」と言ってストップし、またやり直したという、演出なのかミスなのかわからない展開だった。あとで友人に聞いたところ AC/DC の曲というのは "Whole Lotta Rosie" で、LEPPS が "Let It Go" を発表したときに似ていると指摘されたこともあるらしい。ふ〜む、ジョーって意外に根にもつタイプかも。東京最終日にはなかなか歌に入らずに客を煽り、手拍子を催促してからようやく歌に入った。横浜最終日では AC/DC のパターン。バンドとしてもまだどれがいいのか決めかねているのかもしれない。

前回ツアーのときのアンコールは静かな "Love Bites" で始まって、にぎやかな "Let's Get Rocked""Action!" で締めた。今回は古めの曲をもってきたことで、会場の一部ではノれないファンもいたみたいだ。アンコール本来の趣旨から言えば、いかにも「サプライズ」な選曲でマニアは大喜びだったが、ショウの盛り上がりということを考えると前回のような形のほうがよかったのかも?

でも、そうなるとまさか "Wasted""Let It Go" を中盤にもってくるわけにもいかないからセットから外れちゃうよなあ。それもつまんないなあ。要は LEPPS みたいにキャリアが長くて、しかもヒット曲の多いバンドのセットリストを考えるのがいかに大変か、ということなんだろうな。

な〜んてことはあくまでも後から考えたことでその時点ではもう大満足。メンバーもみんな全力でプレイしたあとの爽快感を漂わせて手を振っている。リックはいつも通り、客席を指さして大笑いしている。

「ありがとう、ト〜キョ〜! ド〜モアリガト〜!」
「また明日、それとも次回会おう! Stay cool! Don't forget us! We won't forget you! サヨナ〜ラ!」

忘れるものか〜。最終日にジョーが残した「Maybe next year!」の言葉を信じて待ってるぞ〜〜っ!


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