Ballet For Life (July 8,1998 at Gotanda Kani-Hoken Hall,Tokyo)
モーリス・ベジャール・バレエ団の「バレエ・フォー・ライフ」を五反田ゆうぽーとで見てきました。これはベジャールが愛したダンサー、ジョルジュ・ドン(エイズで亡くなりました)をフレディ・マーキュリーの姿に重ねた内容で、音楽はほとんどQUEEN、衣装はこれまた先日亡くなったヴェルサーチという、まさにゲイ・トリビュートとでもいうべき作品。
私自身は、もともとベジャールのところは美形でなおかつ力のあるダンサーがたくさんいるのでファンだったんですが、今回はとにかくQUEENの音楽をどういうふうに踊るのか、というところに興味がありました。
結論から言うと、やはりロックはバレエには合いません(^^;)。ガラ公演みたいなもので、1曲だけさっと踊って終わるのでしたらいいのかもしれませんが、何曲も続けてヒットソングを流され、それぞれに振り付けがされていると、なんだか歌謡ショーを見ているみたいな気恥ずかしさを感じてしまいました。たまにモーツァルトなんかがかかるとほっとしたりして。
とはいうものん、ダンサー達は相変わらず男性も女性もみんな素晴らしく美しく、踊りも上手で、ほんの一瞬も目を離せないという感じでした。特にフレディ役を踊った男性が超かっこよくて、例の胸を大きくはだけたぴったりした全身タイツに黒い長髪のかつらで踊ったときなんて口を開けて見入ってしまいました。
面白かったのは客層で、いつものバレエ・ファンの女性のほかに、いかにもQUEENが好きで見に来ましたという男性客がちらほら。ただ、上演中に踊りそのものではなく、かかった曲に反応して口笛を吹くのや、"RADIO GA GA"だったかダンサーの踊りを無視したような手拍子を叩くのはやめてほしいなあとは思いましたが。
最後は予想通り"SHOW MUST GO ON"がドラマチックに流れ、巨大スクリーンに晩年のジョルジュ・ドンの鬼気迫る踊りが写されて幕となりました。
一緒に行った友人とも話したのですが、QUEENの音楽というのは、どれもすべてドラマチックな盛り上げ系なので(というか、そういうのが主に使われていた)、それでよけいに歌謡ショーになったのかもしれません。あれがZEPPELINとかだったらまた違ってたかも。でも踊りにくそうでダンサーには嫌われそうですけど。