「これで良いのか 景気指標」 (歯痒末説 ver97.1)

 この今が 戦後最長の(と云うことは 昭和の好況を超えた) 好況の継続

なのだそうである。そう…もう昭和の アノ高度成長を知ら無い人が多くなって

来た…と云うことなのか。そのつど 根拠の数値を確かめた訳で無いから、報

道の文脈から 推し量るより無いが、これは或いは 経済の問題では無く 

表現の問題≠ネのかも知れ無い。

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 経済が 数値的に表現される以前は、景気は 人間がその時その場で 

肌で感じたままを口にしていた筈である。だから昔は景気の時系列の比較も 

体感の主観的な印象のものだった。それが… バカな人間は、経済が一たび

数値表現されると その数値の根拠を疑いもせず、数値を絶対化し それに

自分の感覚を合わせ=@始める。

 

 まあそれが数値と云うものだから 当座はそれでも良いが、長期的には や

はり肌で 数値基準を見直す&K要がある。その点 「基本投入費原理」で

の景気観≠ノは、今の処 数値と肌感覚に乖離は無く、その視点から見る

と 在来の景気指標の乖離の理由も判るし、日銀総裁の景気と 生活≠フ

循環説明の誤りも判って来るのである。

 

 「基本投入費原理」では 景気は 総合生産性指標(IPI)の、「分母/分子」

の 循環率(指標は分母/分子=j」の加速度≠ニ観る。基本数式は 次の

通りである。

    総合生産性指標(IPI)=[産出付加価値/基本投入費]

                        (註) 基本投入費=設備費+労務費

 

 景気は この分母の「産出付加価値」から 分子の「基本投入費」への循

環率(指標は分母/分子=jであることに異論は無いだろう。しかし人間の

体感には 何に拠らず水準への 適応慣れ≠ェあって、そこで推移すると 

その水準を 感じ無くなる≠フである。そして次の動態水準の 上下=@

つまり「加速度」を体感するのである。

 

 この体感の仕組みは人間が「時間に生きる動物として持つ 実に巧妙な

適応の構造≠セ と思う。しかし経済指標の策定には 少し面倒なことになる。

つまり 景気の実態は GDP(昭和の好況時には GNP)で測る≠ェ 

景気の体感は そのGDPの上下の「加速度」≠ナ表すと云う、「二本立て

方式」を採らざるを得無いからである。

 

 経営組織の健全な存続には 総合生産性指標は3.0以上が必要である。

従って 公共投資を行う場合でも、基本投入費=1≠ニ見ると 他への付加

価値配分は分子−分母=産出付加価値-基本投入費≧2≠ナ、景気は 

その公共投資が≧2≠ナ終わるか (更新を含む)=1≠フ部分投入に

直接″v献させるかの問題になる。

 

 ここで注意を要するのは 総ての論理が(投資や支払いの実態で無く 価値

としての)「基本投入費」から展開されていることである。だから 日銀総裁の

暮らしは その内ヨクなるさ≠ヘ間違いで、経済対策には 基準となる生活

水準を明示し、現状の給与や福利はそれに及ばないが それをこう云う手順

で改善する≠ニ云うべきだったのだ。

 

 これは 設備費の側も同じである。設備費は 機能の 期間当たりの複利

評価額≠ナあり、実際の購入額の 複利均等割りでも無いし、財務処理で勝手

に崩された帳簿価格でも それを基準とした償却額でも無い。理屈を捏ねたが 

他意は無い。相も変わらず「基本投入費原理」の推奨と 体感のある言葉で暮

らしたいと思うだけのことである。◇

 

【景気「いざなぎ」超え “息切れ”消費に懸念も】(2006/11/23 追補)

(産経新聞 2006/11/23 00:44)

 平成14年2月から始まった現在の景気回復が、戦後最長の「いざなぎ景気」

(昭和40年11月〜45年7月)を超え、58カ月連続となった。大田弘子経済財

政担当相が22日、関係閣僚会議に提出した11月の月例経済報告で、景気回

復が継続しているとしたためだが、基調判断は10月に比べて下方修正された。

 基調判断の下方修正は、「所得の伸びの鈍化」によって「個人消費がおおむ

ね横ばいになった」と判断されたため。今年2月に「回復している」に上方修正

されて以降は据え置かれてきたが、今回は「消費に弱さがみられるものの回

復している」との表現になった。

 下方修正は景気が踊り場にさしかかった平成16年12月以来、1年11カ月

ぶり。ただ大田担当相は同日の会見で、「今の時点で踊り場が近い兆候はな

いと思っている」と述べ、踊り場入りを否定した。景気の先行きについても「大

局的な景気の基調に大きな変化はなく、景気の腰折れ懸念はきわめて小さい

とみている」とした。

 景気回復期間としては戦後最長を更新したものの、年平均の実質成長率は

2.4%にとどまるなど、経済規模や賃金の伸びはいざなぎ景気の足元にも及

んでいない。デフレ下にありながら、バブル崩壊の後遺症を乗り越えて景気回

復が続いたことを評価する声もある一方で、消費の現場では「好景気の実感が

わかない」との声は依然強い。

 月例経済報告は「所得の伸びが改善すれば、個人消費の増加が期待される」

とし、個人消費が牽引(けんいん)する景気回復に期待を寄せている。◇

 

【東証大幅高、1万6289円55銭(終値)】

(産経新聞 2006/11/14 15:52)

 14日の東京株式市場は、取引開始前に発表された今年7〜9月期の国内

総生産(GDP)が市場の予想を上回ったことを好感し、ほぼ全面高の展開とな

った。

 日経平均株価の終値は、前日の終値に比べて267円06銭高の1万6289

円55銭。東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は27.66

ポイント高の1596.42で取引を終えた。

 国内景気の先行きに対する不透明感が後退し、前日の米国株価も続伸して

いることから大幅高となったが、午後はやや伸び悩んだ。◇

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