IPI(付加価値 総合生産性)は便利な指標です。もともと安さんが 経営資源の配分のために
研究した指標ですが、現業の革新(改善・改良・改革)への効果は 目覚ましいものがあります。
安さんは、製造業を始め 他の業種にも共通して、目的の付加価値と 生産手段の基本的な
投入(投資+雇用)の間に法則性があることを発見し、日本経営工学会に 1979年から1〜5
報を発表しました。安さんは これを世の中で使ってもらいたいと思い、定年前に会社を辞めて
コンサルタントを始めたのです。
この 法則性は、現業の 目標設定や評価、あるいは革新のニーズの判定や ベンチマーキン
グの基準、その他 投資のフィージビリティ・スタディから成果配分の根拠などに活用し、大変
効果的でした。しかし世の中の人は 革新の内容に反応しても、その考え方には 無関心で
した。
世の中では 1950年代の半ば頃から工場の機械化が進み、10人で100台の生産を行って
いた工場で、設備投資によって10人で200台の製品が造れるようになりました。そして 労働生
産性基準によって労働者の給与水準の倍増が論議された反面、投資への見返りは 無視され
ました。
安さんは仕方なく 一人で法則性の応用展開を続けてきましたが、そのうち株なども 思惑で上
がるのは判らないが、買うべきでない株は ズバリ判定できるし、企業の経営体質のバブル性に
ついても 基本投入(費)率[対 経営資本]の誘導で、在来の財務諸表とも矛盾なく(管理会計
を含めて)それらを補完することができるようになりました。
しかし 安さんも年ですし、別の項目でも述べたように 今の日本は生産の中身を濃く効率化す
る必要があります。こういう優れた法則性は 多くの人に使ってもらい、さらに大きく展開してもら
うべきだと考えました。内容はすべて 関心のある方ならスグ確認できることばかりです。大いに
活用についての議論が起こって欲しいと考えています。 《つぎへ》《もどる》
----------------------------------------------------------(些論 ver1.4)-----