カチャンッ・・・・








相棒











「ぐぁっ」


南がビクン、と揺れて後ろへ倒れた。


「・・・よく出来ましたね。」


それを見て満足そうに笑うと、観月は千石の頭を撫ぜた。


「それでこそ僕が愛したあなたです。」


「同然です。」


千石は南の方を向かず言った。


「んふ。」


観月は笑みを浮かべて、千石の頭を引き寄せ口付けを


「・・・なぁんちゃって。」


もう、一歩で口付ける寸前。と言うところで千石は観月の口を抑えた。


そして、にぃ、と笑ってブラストを蹴った。


「頼んだ南っ!!」


そう叫びながら。


その声に反応して、上手い具合に千石に蹴られ滑ってきたブラストを構えると、


南はそれを観月に向け、躊躇うことなく撃った。


「なっ・・・・」


観月は自分の銃を出そうとしたが、


ガゥンッ


「おっそ〜い。」


千石は、倒れた観月を見下ろしながら言った。


「・・・っ・・・」


観月は胸を押さえて後ろへと倒れた。


「はい、次はそっちのお兄さん。」


観月の銃を盗んで、南の両隣の男を正確に撃つ。


ガゥン ガゥンッ


「ぐぁっ」


「がぁっ」


南を押さえてた、二人の男は後ろへと倒れた。


ふぅっ


千石はブラストの先から出た煙に息を吹きかけた。


「いっちょあがり。」


満足そうに言って、倒れている観月の頭の辺りにしゃがんだ。


「残念、あれは空砲。あんまり俺の相棒を見くびらないでね?」


満足そうに笑うと、たったったと南の元へ走っていった。











「大丈夫??南ぃ。」


南はそう呼ばれてハッと我に返った。


今までどこかに飛んでいたらしい。


「・・・・オマエ・・・最初っからこのつもりで・・・っ!」


「うん、そうだよ。」


ケロっと言う千石。


「だったら、最初から言えよ?!なんで俺があんな恥ずかしいセリフを・・・/////」


南はさっき自分が言った恥ずかしいセリフに顔を紅くした。


「うん、あれは予想外だったよ〜。」


と、棒読みで驚いた、と言う千石。


そう千石は最初からそのつもりだったのだ。


1人では到底勝ち目はない。


だから、あえて一対一のときは撃たずに、南がこの部屋に来るように仕向けたのだ。


そして、計画通り、南はこの部屋に連れてこられ今にいたると言うわけだ。


「上手くいかなかったらどうする気だったんだよ・・・。」


今考えれば恐ろしい、と南は心中で思った。


あの時の千石の合図がなかったら、確実に二人は死んでいた。


「いくよ。」


「どっから来るんだよそれは。」


「俺、南を信じてんもん。」


「・・・千石。」


「それに。」


千石は、スッと立ち上がって南に背を向けた。


「さっきの言ってくれたやつ、結構・・・てか、かなり嬉しかった。さんきゅ・・・///」


そう言った千石は顔こそ見えなかったものの、髪からでている耳は


真っ赤だった。


「おあいこか。」


「む?なんか言った?」


「いいや〜別に?」


「うわぁ、なんだよ、それ。気になんじゃん!ずるい。」


そう言って千石はまた座って南の腕を掴む。


「痛っ!!」


「うわっ!あちゃ〜、めんご。」


「とりあえず、手塚んとこ行くか。」


「また、借金増えちゃうなー。」


「そうだな。」


「すげぇ、沁みる薬付けられたりして。」


にやにや、と笑って千石が言った。


「有り得る・・・な。」


はぁぁ〜、とため息を付く南。


「さて、行くか、相棒!」


千石が南より先に立ち上がって、手を差し伸べる。


そして、その手をとる。


「そうだな、相棒。」


















END








アトガキ


幸せな結末でゴザイマス。

やっぱり、ハッピーは良いわ。ユウリこういうの好きーv

つか、相棒って言葉が好きです。かっちょいい!

もう、心で通じあってる二人でした!

他の結末もご覧になりたい方は戻ってみてくださいね。





2002.11.5          ユウリ



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