私的キャノンボール100Kmチャレンジ

(作者:田中新一郎)

'88GTI-16Vに乗る鳥取市の田中です。

 今回はこのたび、個人的に新たなチャレンジに成功しましたので、ここに報告しよう思った次第です。

 それというのも、Eオイルモチュール6100(10W-40)を半年ぶりに交換し、数ヶ月前に履き替えたミシュランタイヤもそろそろ一皮むけてベストの状態になったため、前日の土曜日、私的キャノンボール100kmチャレンジ(国道9号線米子-鳥取間)を敢行しました。

(参加者は当然僕だけ)

 先日の土曜日、いつも自分がスタート場所としている信号で、久しぶりのチャレンジに高鳴る自分の心を抑え、快晴のもと慎重に車の状態をチェック。油温、水温に異常はなく、ウルトラの赤いハイテンションコードがひときわ目立つエンジンルームからは、順調なアイドリング音が聞こえてくる。

 そして、スタート地点となる信号にゆっくりと進み、インパネに目をやる。

 このチャレンジに不可欠なマルチファンクションシステム(GTI以外のゴルフにはないので、わからない方もいらっしゃるかな?)の1の数値をリセットするため、スイッチを左に押し込む。

 少しでもエンジンへの負荷を減らすため、エアコンとオーディオのがオフになっていることを確認。

 そして、信号がゆっくりと赤から青にかわる。

 一瞬のまもなくクラッチミート、ガクンという軽いショックとともにエンジンの咆哮が車内にこだまする。1速、2速、3速。ギアチェンジとともに流れゆく風景。最初の緩い左コーナーに意識を集中し、CPを確かめるようにハンドルを握る手に汗がにじむ。

これが、孤独な僕の私的キャノンボール100kmチャレンジの始まりだった。

 それは、10月24日午後2時すぎ。スタートは鳥取県大山町の国道9号線のとある信号。そして目指すは、自宅のある鳥取市。ゴールまで約100kmの道のりである。

 

 渋滞のない山陰といっても、国道9号線は幹線道路。僕のチャレンジをはばむ障害はいくつもある。片側1車線の道路は対向車も多いためそう簡単に追い抜きはできず、自分の流れでは走れない。

 スタートして20km位走ったところで、最初の信号に捕まる。マルチファンクションシステムの時計は容赦なく時を刻み、平均時速もみるみる落ちてゆく。

 これまでのコーナーでの細かいライン取り、的確なギアチェンジと絶妙なアクセルワークの努力の結晶がひとつ信号に捕まるだけで、水泡に帰してゆく。この挑戦にはわずかな油断も禁物なのだ。

じりじりと信号がかわるのを待ちながら、次のコーナーへの進入を考える。発進、1速、2速、3速…アクセルと、クラッチ、ブレーキのわずかな操作の差が、結果を大きく左右する。

 前走車を見据えながら、ただひたすら、そのことに神経を集中させながら、慎重な操作を繰り返す。スタートして、30分、1時間、1時間30分刻々とインパネ内のデジタル時計は時を重ねる。

そして、大きな袋を肩に掛け、因幡の白兎に語りかける大黒様がいる海岸線を駆け抜け、空港の滑走路が左手に見えてきた。鳥取市の街が近づいたのだ。

 そのとき、マルチファンクションシステムの数値は「5.8」を示していた。「今日はいけそうだ。」思わず頬がゆるむ。ここからゴール地点の県立中央病院前の信号までは、片側2車線。いくつかある信号のタイミングも既に頭に入っている。多くなった車の群れをひらりひらりとかわし、ついに最後の信号をクリアー。はやる心を抑え、インパネに目をやる。やった「5.8」だ。

 ついに、マルチファンクションシステムの燃費計が「5.8L/100km」の数値を出したのだ。スタートから100kmあまり、はやる心を抑え、5速でノッキングしないぎりぎりのエンジン回転数を維持し、追い越し車線でもひたすら我慢したかいがあったというものだ。

 それには、交換したばかりのモチュールのオイルの効果と、ミシュランのMXV-3A”グリーン”タイヤがなければこの記録は出なかったであろう。久しぶりの好記録と、その数十分後に待ち受ける仕事地獄が交錯し、得も言われぬ気持ちに打ち震えながら、ハンドルを切り、今後のさらなるチャレンジはいつになるのだろう、と職場の建物が見えてきながら無意識のうちにのろのろ運転をし、職場へ到着することをわずかながらも先延ばししながらつぶやいている自分がいた。

 

私的チャレンジシリーズ「燃費キャノンボール編」終わり。

 

鳥取市 田中新一郎

〜自己満足です。長くなってすいません。〜

〜まだ職場にいます。休日出勤でも夜の10時すぎても仕事が山盛りでまだ帰れません。〜

〜休日出勤が1ヶ月以上続き、平日も帰宅は毎日午前2時。〜

〜車より先に、自分自身に寿命が来て、廃車(過労死)になりそうな今日このごろ。〜