図書館でのコンピュータ利用を勉強していると、自己紹介すると、ほとんどの人に蔵書管理について勉強していると思われる。
今回、蔵書検索のシステムを作ったが、決して図書館の管理の一環として作ったものではありません。
学校図書館側でも、図書館のいコンピュータ化というと、蔵書管理のコンピュータ化だけを考えている傾向がみられます。無論、蔵書管理から始まる、貸出管理などのトータルな図書館の管理が無意味なわけではありません。重要なことは、そのシステムによって、どのような教育効果が存在するかです。各学校、また各学校図書館がどのような教育実践を行いたいのか、充分に検討すればそれに伴って、必要なシステムも変わってきます。トータルなシステムでない、限定的な能力のシステムで充分な教育効果があらわれることも珍しくないと思います。
今回、蔵書検索Webシステムを作りました。このシステムを授業でどのように活用したいのか。検索とは何かを考えながら、私の考えを述べたいと思います。
実際に存在しまた要求に適合するのに、検索で選び出された中に含まれないものがあるかもしれません。条件に適合する資料のなかで、検索の結果出力される資料の割合を。再現率といいます。また、検索の結果のなかには確かに役に立つ情報を含んでいるが、それ以外に不要な資料も大量に含んでいます。検索されてしまった不要な資料をノイズといい、実際には大量のノイズで使い物にならない検索結果もあります。出力された資料のなかで、条件に適合する資料の割合を精度といいます。
上手に検索出来るということは、再現率、精度をともに上げることです。しかし、実際の検索では、再現率を高くすると、ノイズが増え精度が落ちます。逆に、ノイズを減らそうとすると再現率が減少します。
そこで、情報がどの程度重要か、どう活用するか目的に応じて、再現率を高くするか、精度を高めるか使い分けることになります。
検索のためまえもって行われている整理や、検索の道具にたよらずに、目的のものを探すことをブラウジングといいます。開架式の図書館や本屋であちこち棚をながめながら、歩き回り探すことです。このような方法で思いがけない所で、すばらしい資料に出会うことは多くの人が経験することです。
インターネットでは世界中の情報が、端末1台で手に入れることが出来ます。しかし、それは情報がどこにあるかわかっているときの事です。実際には、どこに情報があるのかわからないことが多いでしょう。そこで、多くの検索システムがインターネット上に公開されています。万能の検索システムが1つあれば、それで充分なはずです。しかし、多くの検索システムが存在することは、それが万能でないことの証です。実際、検索システムごと特徴をもっています。目的に応じて、複数の検索システムうぃ使い分ける必要があります。
上図に検索が出来るようになるためには、何回も検索をして経験を積む以外に良い方法がないと思います。
インターネットの利用が広がるにつれ、検索システムを利用する機会も増えて来ています。授業においても、検索システムを学習する必要があります。検索システムの種類については学習するにしても、その操作方法を教えればそれで事がすむと安易に考えられているのではないでしょうか。実際には、いくつかの例を実際に検索し、検索になれ、さらにその限界を知る必要があります。授業の中でそれを行うためには、インターネットの検索サイトである程度自由に検索を行うことも意味があります。それ以上に、導入段階では教員のコントロールの下にある検索システムで、「**について調べてみよう」、「**について資料一覧を作成しよう」などの課題を与え練習することが効果的だと思います。
今回、作成した蔵書検索Webは、図書館の蔵書を検索するのに使えるることはもちろんですが、検索を学習するという目的にも最適なものだと思っています。ネットワークで、インターネットにも接続でき蔵書検索も可能なシステムを作ることにより、課題や目的にあわせもっともふさわしい情報源は図書なのかインターネット上の情報なのかを選択する練習にもなります。
理想的には、すべての人々が自由に検索ができ必要な情報を得られることです。インターネットの普及により、情報発信を多くの人が行うことが可能になりました。その結果、情報であふれる社会が誕生しています。ためしにあるキーワードで検索しても、何百というサイトが検索されることもめずらしくありません。その中の多くは、個人的な客観性のない感想であり、真偽を確認することも出来ません。中には有害な情報も含まれています。本当に有益で最適な情報にたどり着くには大変な苦労と時間を必要とします。すると、検索についてのアドバイスが求められたり、時には本人にかわり検索を行うような場面が増えることは、ほぼ間違いないと思います。図書館担当者は、そのような場面に対応できるように、日ごろから検索に精通しておく必要があります。
また、情報そのものより、情報にたどり着くための情報が重要な意味を持ってきます。図書館担当者が以前より築いてきた二次情報の技術が生きてくる分野です。各学校での教育過程にあったリンク集などを日ごろから作成しておく努力が必要だと思います。また、一度作成したリンク集も古くなり使い物にならなくなるまでの時間の非常に短いのもインターネットの世界です。常に点検を行い、陳腐化しないようにする努力も必要です。
学校図書館で児童・生徒が検索を行う場合、実際に情報が必要で検索を行う場合だけでなく、検索そのものを学習するために検索を行う場合がある。いずれの場合であるかによって、図書館担当者の教育的対応は違ってくる。時には、積極的に検索にアドバイスする必要があります。また、時にはそっと見守ることも必要になります。これは、他の図書館と大きく違う学校図書館ならでは機能である。児童・生徒との対話で検索の目的を十分把握することが必要である。また授業担当者との打ち合わせで、その意図を確認することで、初めて教育的対応が可能となる。
いずれの場合でも、見つけられた情報が最適なものか、アドバイスが時に必要になります。また見つけられないとき、なかったですましてよいのか、考えるきっかけを作るなど、図書館担当者の役割は大きいと思います。