日々のあわわ

● Mail Magazine 日々のあわわ 2001年10月29日(月) 第31号

〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

牢獄

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 すご〜く時々ですが、机から離れるのはトイレに行くときだけ、それすらも 実は惜しい、というくらい仕事に追いまくられることがあります。  そんなときは、たいてい、以下の4つの「なぜか」が重なってしまったとき」 です。

 ・なぜか、急ぎの仕事がいきなり飛び込んできて、複数の締め切りと取材が 重なる

 ・なぜか、編集の人はスケジュールのぎりぎりまで、企画の方向やレイアウ トを決めてくれない

 ・なぜか、私は仕事を断りきれない

 ・なぜか、私は締め切り間際まで、やる気がでない

 あっ、半分は自分のせいってことですね。

 それはさておき、「シャイニング」で主人公がタイピングしていた言葉、 「仕事ばかりで、遊ばないと気が狂う」って、つくづく本当のことだなと思う のですが、仕事に追いまくられると、心身がぎしぎしときしんでいきます。

 椅子に座ったままでいるせいか、身体が固まってしまい、ちょっと、立ち上 がると関節がきしみ、筋肉は悲鳴をあげます。確実に身体が老化しているのを 実感して、気も滅入ってしまい、残り少ない心のゆとりをさらに奪います。動 いているのは、脳みそとキーボードを叩く手だけ。それも、時間がたつにつれ て、指はだんだんひきつってミスタッチが増え、頭の中は思い出さなくてもい いことばかりが湧き水のようにあふれていきます。

 「あっ、今日は〜が来日してて、イエローで回すんだ」

 「しまった! リキッドルームで〜のイベントが!」

 とまあ、パーティーなんて、めったに行かないくせに、こういう時にかぎっ て、レコード屋で見つけたフライヤーの日付けを次々と思い出します。すると、 しまいには「先生、もう、あきらめて踊りに行きましょうよ」という台詞が頭 の中をよぎります。この台詞は、あるマンガの一コマの端っこに、写植にもな っていない書き文字で書かれていたものです。そのコマに書かれていた、ちゃ んとした台詞どころか、マンガのストーリーとか題名すら覚えていないのに、 なぜか、この台詞だけは忙しくなると、頭の中に浮かんでは消え、消えては浮 かび、ついには、特大の蛍光文字で燦然と輝きっぱなしになります。

 「先生、もう、あきらめて踊りに行きましょうよ!!!!!」

 もう、こうなったら、いけません。私は覚悟を決め、身体をきしませながら 立ち上がります。それから、服を着替えて、家を飛び出し、夜の街に出ていく ……ということができればいいのですが、私が住んでいるのは千葉のド田舎。 車もない、お金もない私には、電車の終わった深夜に都心に出る術はありませ ん。そのうえ、私のような無名のライターは、締め切りをバックれたら、次回 の仕事が無くなるのは確実です。稼ぎの少ない私には大ダメージです。

 結局、身体をきしませながら立ち上がった私が何をするかというと、ただ、 ストレッチ体操もどきをしながら、居間をうろうろと歩き回り、新しいお茶を 入れます。爆発寸前の煮詰まった脳みそを冷し、拒否反応を起こしている身体 と心をなんとかなだめ、机に引き返すだけなのです。

 そして、「今日」が終わらないまま、「明日」を迎えてしまうのでした。

〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

 今年の春先、「ハンニバル」の公開前に、ほかにやることはないのかと思う くらい、各誌で「ハンニバル特集」をやっていましたよね。その特集のなかで、 いくつかが脳みその料理を取り上げていました。あまり有名ではありませんが、 牛や羊の脳みその料理は実在します。新鮮な脳みそを切って、冷水にくぐらせ て引き締め、粉をまぶし、ソテーやフライにします。レストランに脳みそ料理 を作ってもらっているところもありました。この脳みそ料理、いまだったら、 できなかった企画でしょうね。狂牛病に感染した牛が発見されてから、どうも、 レクター博士の安否が気にかかっています。

 次回は11月11日(日)を予定しています。

 次回も、どうぞ、よろしくお願いいたします。

                            真魚

                   e-mail:92104094@people.or.jp

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