● Mail Magazine 日々のあわわ 2001年06月28日(木) 第22号
〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜
ナッティ・プロフェッサー
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エステティックサロンのTBCのCMを御存じですか。
白樺学園(リカちゃんの通っている学校)同窓会に昔よりもぐんと太ったリ カちゃんが出てきます。リカちゃんの太い足や腕、二重顎などを見つつ、級友 たちが「うそー、あれ、リカちゃん?」「アイドルって感じじゃないよね」と 驚きます。リカちゃんが陰口をきく級友たちのほうを睨み付けるのですが、最 後は「行かなくっちゃ」とコピーが入り、スリムなリカちゃんがエステをうけ ているというもの。
すべての女性をスリムにしたいらしいTBCさんには悪いのですが、私は 「太ったリカちゃんもかわいいじゃん」と思いました。たぶん、誰もが感づい てはいるけれど、なかなか口にはしにくいことの一つに「痩せたからって美し くなるわけではない」というのがあると思います。痩せると頬や顎が細くなっ て、多少輪郭はかわるけど顔の美醜は変わらないのです。一昔前のマンガ表現 でブス=太っているという記号がありました。しかし、本当は「太っているか らブス」なわけではありません。美人やかわいい人って、太っても痩せても美 人だし、かわいいんですよね。実際に太った美人を目撃したこともあります。 体は相撲部屋に入れるかもという太さでしたが、顔だちはぱっちりした目、愛 らしい口元、形のよい鼻がバランスよく納まり美しく、肌も髪もつややか、こ の人は痩せても美人だろうなあと思いました。
「痩せたからって美しくなるわけではない」の例の一つとして、ある人気女 性作家をあげればじゅうぶんだと思います。その作家は最近、週刊誌のエッセ ーで「最近、痩せてきれいになったと言われる」と書いてありました。しかし、 ある広告ページに載っていた作家の写真を見て、私の第一印象は「…? 病気 にでもなったのかしら」。容姿もその年齢相応の平均的なものだと思います。 太っていたときと比べて、けっして「美しくなった」とか「きれいになった」 とは思えないんです。かわったところがあるとすれば、やつれたようにみえる ところくらい。私は、何年か前の講演会で、その作家が太っていた時の姿を見 たことがあります。彼女のサービス精神にあふれた話はとても面白く、講演は 盛況でした。講演会の後、私を含めてほとんどの人が彼女の容姿のことは全く 話題にせず、講演の内容にふれつつ、「面白い人」「魅力あるよね」「ああい う人と結婚すると楽しいかも」と彼女をほめていました。つまり、彼女は一般 的に言う美人ではなく、かといって特別ブスでもないという、「あの方が作家 の〜さんよ」と言われなければ気にもとめなかっただろうというくらいの、ご く普通の顔の女性でした。そういう普通の顔の人が痩せたら、やっぱり普通の 顔のままです。彼女をきれいになったという人は、どこをさしていっているの か、分かりかねます。
なぜ、「痩せると美しくなる」という錯覚を信じたがっているのか、私は不 思議でなりません。「痩せると、着られる服が多くなり、おしゃれができるか ら」と言った人がいました。たしかに今の服や靴ってサイズの種類があまりあ りません。大きいサイズや小さいサイズの専門店があるのもそのせいでしょう。 しかし、その専門店も数が少ないうえに、デザインもあまりありません。これ は、サイズを豊富にそろえておかないアパレルメーカーの怠慢であり、消費者 の側が服のサイズに体をあわせることはないと思います。それに、服によって 雰囲気は変わりますが、顔は変わりません。
女性誌やテレビなどに溢れかえるダイエット特集は、一見、「健康のため」 を目標にしているように見えるものもありますが、だいたいは「痩せると美し くなって、なんでも手にはいる。痩せるためにもスポンサーのモノを買いなさ い。痩せたらまたスポンサーのモノを買いなさい」というトーンが見えかくれ しています。「痩せると美しくなる」という錯覚を消費に結び付けているだけ だと思うのですが。
痩せたからって今よりきれいになるわけじゃないけど、太ったからって今よ り醜くなるわけでもありません。健康のためというなら、ダイエットなんて、 このままだと生活習慣病まっしぐらで早死にとか、家の階段の昇り降りで死に そうになってるとか、もうドアから出られないので壁を壊すしかないというよ うな人がすればいいですよね。
先日、マクドナルドで「痩せなくっちゃね〜」と、まったく太っていない女 性たちが女性誌のダイエット特集を見ながらお話しているのを聞いて思いまし た。16時にスーパーバリューセット(バーガー、ポテト、ナゲット、オレン ジジュース)食べてる彼女達が、本当に痩せたいのかは疑問でしたけどね。
〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜
今回はすごく遅れてしまいました。すみません。
先日、セリエAでローマが優勝しましたね。私はサッカーについて詳しくな いせいか、ローマの選手より、サポーターに驚きました。試合終了を間違えて、 5分前にフィールドに乱入して選手のユニフォームを剥いでいくし、これで試 合没収で再試合になったら、暴動確実だろうなあ、という勢い。相手チームの パルマのゴールキーパーなんかユニフォームとグローブ、スパイク、靴下まで 取られてました。彼には、ローマに移籍するというウワサがあるそうですが、 下着に裸足で佇んでいた時のあの顔つきは「移籍は考え直そうかな」って感じ でしたね。試合が終わったら終わったで、ローマの街をバイクやクルマで旗を 振り回しながら走り回るし(バイクは当然二人乗り、クルマは箱乗り状態)、 一瞬、「初日の出暴走 警察対暴走族」などの番組と間違えたのかと思いまし た。よほど、サッカーが好きなのか、何かにかこつけて騒ぐのが好きなのか、 それとも両方なのか。今年は日本におけるイタリア年だそうで、そういうこと も考えてみたいと思います。
次回は7月8日(日)を予定しています。次は、スケジュールがずれ込まな きゃいいなあと思ってます。
では、また、よろしくお願いいたします。
真魚
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