日々のあわわ

● Mail Magazine 日々のあわわ 2001年05月27日(日) 第20号

〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

制服の処女

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みなさんは、どんな性教育を受けましたか?

 いきなり、何を言い出すんだ、とお思いでしょうが、いきなり何かを言い出 すのは、このメルマガのいわゆる一つのスタイルです。

 なんでかっていうと、先日、性感染症について病院などに取材する機会があ って、そのときに性教育の話がでたんからなんです。

 性感染症の感染者が10 〜20代の若年層に増えていて、その原因の一つに、 正しい性知識の不足があるそうです。避妊はもちろん、性感染症についてもき ちんと知らないばかりか、性感染症を風邪程度にしか考えていなかったり、コ ンドームが性感染症の予防になることも知らなかったりしたそうです。

 で、なぜこんなに、性知識が不足しているのかというと、学校できちんと性 教育が行われていないからではないか、というのです。

 そのとき取材に同行していた女性編集者が「そういえば、私、中高とも女子 校だったんですが、性教育なかったです」と言いました。私は驚いたのですが、 そういう学校ってまだあるそうです。「当校の生徒にかぎって『不純異性交遊』 などありえません」というのが、学校の言い分と建て前だそうです。その実の ところはというと、先生たちが話しにくいとか、PTAの意向などだそうです。 たしかに先生が話しにくいのは分かりますが、性教育の教材っていろいろでて いるし、それを利用すれば話しやすくなるのではと思いますよね。性教育に反 対するPTAというのも、不思議です。自分の子供がセックスするなんて考え たくないとか、子供がませちゃいそうでイヤとかあるのかもしれないけど、親 がセックスしたから子供がいるんですよね。それなのに、性教育はいけないこ となんでしょうか? それにしても、不純異性交遊ってすごい言い方ですね。 純粋異性交遊ってのがあるのか?と思いますが、たとえ、その『不純異性交遊』 がないにしても、性教育はしておいたほうが生徒のためだと思いますけどね。

 そこで、以前、性同一性障害のシンポジウムで学校での性教育の話がでたこ とを思い出しました。性教育と一口にいっても、受精卵の話から、妊娠、出産、 避妊、性感染症、セクシャリティ、ジェンダーなどなど、その内容は多岐にわ たります。あちこちの学校で性教育の授業や講演を熱心に行っている先生のお 話によると、性教育は学校によって、ずいぶん取り組み方が違うそうです。 「雄しべと雌しべの話(受精卵がどーのこーという話ですね)はいいが、性交 に重点をおいた話はしないでくれ」と言う学校やPTAはかなり多いとか。避 妊や性感染症の話はあまりするなってことですね。「そう言われてても、なん だかんだと話しちゃうんですけどね」とは先生の弁でした。また、性教育はな にも、それ専用の授業でしかできないわけではないとも言います。たとえば、 国語で源氏物語を教えるときには、当時の貴族の結婚の形をぬきにはできませ ん。一夫多妻ということは、一妻多夫もありえます。恋愛観や結婚観が時代や 社会状況によって変化すること、そこから現代の恋愛や結婚について生徒と話 しあったりするのも、性教育の一つになるそうです。

 その先生がおっしゃるには「雑誌やビデオ、テレビなどメディアに性の情報 はいっぱいあり、自然に生徒の耳や目に入ってきます。実は生徒は、大人が考 えているよりもセックスについて、正しいものや間違ったものも含めて、かな りの情報をもっていて、その情報の正誤の判断がつかず扱いかねていることが 多い。私達の役目は、生徒がもっている情報を交通整理できるようにしてあげ ることなんですよ」。たとえば、女性はレイプされても喜ぶというような間違 った情報を、きちんとただすなどですね。

 性教育に消極的な学校もあるかと思えば、熱心な学校もあり、同性愛などの セクシャリティや男女平等までテーマを設けることもあるそうです。PTAが 積極的だったり、生徒が主体になって文化祭などで講演会を催すところもあり ます。もっとも、性教育に積極的な学校が目立つというのは、それだけ、そう いう学校のほうが少ないということでもありますが。

 で、私がどんな性教育を受けたのかを振り返ってみました。小学生のときに 女子ばかりが一つの教室に集められ、月経について話を聞いたのが初めての性 教育でした。いま、考えてみると、なぜ女子だけ集められたのかは疑問です。 将来の妊娠に関わる話なので、男子も一緒に聞いたほうがいいと思います。月 経のときに、体調が悪くなった女性をいたわれる男性になるかもしれません。

 では、親は私に何か教えてくれたでしょうか? 私は親から性教育を受けた ことはありませんでした。それ以前に、母によると、私は「子供はどうして産 まれるの?」という類いの質問をしたことがなかったそうです。そういうこと に興味がないのか、疑問を感じないのか、すごくぼんやりした子供だったよう ですね。

 そんな、私に大変、幸運な出来事がおこります。たしか、月経の話を聞いた 後だったような気がしますが、とにかく小学校高学年から中学に入ったばかり のころだったと思います。ある日、一人のときになにげなくテレビをつけてい たら、海外の性教育の話がはじまりました。司会者が海外では性教育が進んで いて、こういう絵本や教材があると紹介しています。そして、司会者は性教育 用の絵本の翻訳を朗読しはじめました。それには、お父さんとお母さんが愛し あって結ばれ、子供ができて…ということが分かりやすい言葉で語られ、性行 為や出産の図解もありました。

 「ああ、そういうことがあるのか」と私は思い、ついつい、百科事典で性の 項目を引いていました。そこには、単細胞から人間の性まで医学的な図解と解 説があり、テレビで紹介されてた絵本の知識の補充をしてくれました。そんな わけで、思ってもいないときに正確な性知識を得てしまったのです。いまより も性教育が遅れ気味だった当時としては、幸運だったと思います。ただ、友人 にその知識を話すことはありませんでした。子供ながらに、なんとなく話すの が恥ずかしいことらしいというのを感じ取っていたのだと思います。それ以前 に、友人とそういう話をすることがなったのです。友人たちによると、私はマ ジメでそういう話に興味なさそうだと思っていたそうです。興味あるなしはと もかく、こんなちゃらんぽらんな性格が、なぜマジメに思われていたのか理解 に苦しみます。

 最後の性教育は、高校の保健体育の授業で先生が性教育用の教材スライドの 上映ですね。付属のテープの説明にしたがって、スライドを順番に写すもので、 性徴の違いや出産などの話が主でした。避妊の話はありましたが、性交につい ては、ほとんど触れていなかったと思います。性交なくして避妊の話ってのも、 なんかたりないような気がします。

 私が学校で受けてきた性教育は、ないよりはマシ程度のものだったようです。

 さきほどの女性編集者は「性教育はなかったけど、みんな耳年増で情報交換 しまくり。修学旅行はわい談か怪談でしたね」と言っていました。「生徒は大 人が思っている以上に知識がある」という先生の言葉を裏打ちするような証言 です。いまどき、「女子校だから、うちの娘の処女性は大丈夫」なんて思って いる親御さんがいるのかどうか分かりませんが、どっちにしても、その学校が 性教育をちゃんとしてくれるところかどうか、調べたほうがいいですよ。子供 が将来、望まない妊娠や病気で苦しまないためにも、パートナーとよりよい関 係を築くためにもね。

〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

 そういえば、私は修学旅行ではわい談じゃなくて、怪談に参加していました。

 で、よく、みてみたら、今回はなんと20号目です。メルマガのベテランの 方から見れば、たいしたことない数字でしょうが、初心者にとっては大きな数 字です。

 みなさん、いままで、よくぞおつきあいくださいました。

 次回は6月10日(日)を予定していますが、

 今後も、どうぞ、よろしくお願いいたします。

                            真魚

                   e-mail:92104094@people.or.jp

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