● Mail Magazine 日々のあわわ 2001年04月03日(火) 第16号
〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜
BOXING HELENA
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先日、検診のために訪ねた婦人科の病院の待ち合い室に、週刊誌からファッ ション誌まで、いろいろな女性誌がおいてありました。そこで、たまたま手に 取ったある女性誌のメインの特集は収納。収納は女性誌の特集の定番なので、 珍しくないのですが、ふだん、私は女性誌というと新聞広告や電車の中吊りの 見出しを追うだけで、仕事でいただいた見本誌や病院の待ち合い室以外で女性 誌をほとんど読まないのです。ですから、女性誌の多くの収納特集の中で何が 起こっているのか、それまでほとんど知りませんでした。で、それを知ってし まったんですよ。
収納については、夕方のニュース番組などでもよく特集をやっています。夕 方5時〜6時前後のニュース番組は激安ショップ紹介やお得なランチ情報、収 納など、たぶん、制作者が「女性、主に主婦向け」と思っているであろうテー マを特集しています。収納の特集では、「片付かなくて困っています」という 整理整頓の苦手な方のご家庭に、リポーターとアドバイザーがうかがって、様 々な創意工夫で見違えるようにきちんと片付けるというもの。または、収納名 人という方の工夫を学ぶというものです。
そういった夕方のニュース番組の収納特集もいろいろな意味ですごいなあ、 と思ってたけど、雑誌はもっとすごかったです。なにがすごいかって、貧乏臭 さとか、一見便利だけど、本当の効果は「?」の本末転倒ぶりとか……。
まず、収納のポイントはデッドスペースの徹底活用、というより、隙間の殲 滅ですね。10センチでも隙間があれば、既製品の収納家具や手作り収納グッ ズでふさぎ、モノをつめこむ。既製品の収納家具も、小型の食器棚みたいなも のから、15センチくらいの横はばで、戸棚、大中小の引き出し、米びつまで ついてるようなものもあって、驚くのですが、もっと、驚くのが収納名人とさ れる方や読者の方の創意工夫の収納グッズ。ビール、ティッシュ、牛乳とあら ゆる空き箱を使って、収納用の箱や間仕切りを作ったり、針金ハンガーを曲げ てフックを作ったりいます。空き箱に御中元やプレゼントなどでついていた包 装紙を貼りつけ、美しく仕上げている人もいます。ここまでくると、「必要」 というより「趣味」の領域ですね。
あ、この「手作り」というのも収納のポイントの一つのようです。「リサイ クルだ」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、牛乳パックなどはそのまま、 資源ゴミ回収にだしたほうがリサイクルになるんじゃないかなあ。包装紙とか 飾りとか張り付けちゃったら、捨てる時にそれをきれいに剥ぎ取らない限りは、 ただのゴミになっちゃいますよね。でも、隙間という隙間をふさいで、息苦し くならないのでしょうか。そんなに隙間を目の敵にしては、隙間が可哀想なき がします。隙間じゃなくて、「空間のゆとり」、と言えば少しは大事にしてく れるかな。
また、100円ショップなどで、ファンシーでチープなカゴやボックスを買っ て収納に使う、というものもありました。このカゴって、プラスチックでも籐 でも網目や隙間にホコリがたまりやすいんですけど、掃除は面倒臭くないんで しょうか。カゴもボックスも収納するモノにあわせて大中小とそろえるような のですが、それって、かえってモノが増えているような気がするなあ。
見せる収納といって、アクセサリーやCD、本、食器などをあえてオブジェ のように飾ってみるというのもありましたが、これも、しょっちゅう動かすモ ノならともかく、動かさないモノはまめにホコリをはらったりしないと、すぐ に汚くなって、見せるどころじゃなくなります。
ニュース番組の収納特集と同じような記事もありました。読者の方のご家庭 にうかがって、散らかっている冷蔵庫の収納を手助けする、というもので、牛 乳パックなどの空き箱を工夫して、間仕切りや入れ物を作って整理する…とい うお決まりのパターンでした。ただ、不思議だったのはその方の冷蔵庫の中身。 収納前後のそれぞれの写真が出ていたのですが、3ドアの冷蔵庫に調味料や保 存食、生鮮食品までぎっしりとつめこんである。運動部に入っている男子高校 生がいるとか、仕事や距離の問題で一週間に一度しかスーパーに行けない、と いう方ならこの食料のつめこみ方もわかります。しかし、この読者の方は夫と 小さな子供の3人ぐらしで、専業主婦。住んでいるところも便利なところのよ うです。収納よりも、毎日の食品の買いかたを工夫をしたほうが、もっと冷蔵 庫は片付きそうです。
そこで、テレビでも雑誌でも、見ていて思ったのですが、どうして、こんな に収納に困っている方がいるのでしょう? 兎小屋と言われた日本の住宅事情 のせいもあるといわれています。しかし、学生時代に六畳ひと間に半間の台所 の1Kのアパートに住んでいた友人がいましたが、彼の部屋はちり一つないと いうのが大袈裟ではない程、きちんと片付いていました。別の男友達は、2D Kバス・トイレ付きの部屋に住んでいましたが、脚の踏み場がないとはこの部 屋のためにある言葉だと思うほど散らかしていました。つまり、部屋の狭さや 広さと収納に困る困らないは、あまり関係がないのかもしれない、と思うので す。要はその人の性格が几帳面かどうか、ということではないでしょうか? 本当に几帳面な人は、まめに片付けるため、自分の住まいにどのくらいモノが 納まるか分かっています。住まいのキャパシティ以上の買い物はしないし、こ まめに片付けるとともに、こまめに捨て、収納グッズなどなくても収納で頭を 悩ますことはないでしょう。
テレビや雑誌で収納特集が定番化しているということは、世の中には几帳面 ではない、いわゆる、だらしなくて、片付けるのが苦手な人のほうが几帳面な 人より多いからではないでしょうか。しかし、世間の通念として、部屋は整理 整頓されているのが良い!というのがあるため、多くの几帳面でない人はそれ にオブセッションを感じて、収納に頭を悩ますのです。もちろん、さきほどあ げた友達のように、散らかっていても気にしないという、世間の通念から自由 な人もいますが。もっとも、部屋は整理されていた方が良いという通念がある のも、多くの人が几帳面ではないからだと思います。だって、多くの人が几帳 面で整理された部屋ばかりになったら、それはあたりまえのことになってしま います。すると、「部屋は整理されていた方が良い」ということをわざわざ取 りざたすることもないからです。
そう思うと、なんだかほっとしてきました。かくいう私もだらしなく、片付 けるとか掃除が大の苦手だからです。そして、雑誌やテレビの収納特集を、偶 然以外に読んだり見たりはしませんが、時々、散らかった部屋を見渡して、 「収納を考えたほうがいいかなあ」と思い付きます。でも、すぐに本棚にある 写真集の「東京スタイル」に目がいって、「ま、いいか。これが私のライフス タイルだし」といいわけして、相変わらず部屋は片付きません。
〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜
またまた、遅れてしまいましたね。どうも、すみません。
収納といえば、東銀座に収納家具専門の店があります。機能的なうえにおし ゃれっぽく作ったクローゼットや机、ベッドなどが展示してありました。店内 には収納の講習会のチラシがおいてあって、その講師である収納の専門家(っ ていうのか?)の著作のタイトルがすごかった。チラシが今、手許にないので うろ覚えなのですが、「収納ですてきな人生」のような、とにかく収納がうま くいけば、人生の悩みがほぼ解決するというようなタイトルばかりでした。
しかし、こういう専門店や専門家が確立してしまうって、収納界も奥がふか そう。そのうち、収納占いとか出てくるかな。「牡羊座のあなたは、今日はセ ーターなどのかさばる衣類の収納を考えるといいでしょう。天袋などの高い場 所はさけたほうがいいでしょう。今日のラッキー収納グッズはズバリ、牛乳パ ックの間仕切りです」とか。
では、次回は4月15日(日)を予定しています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
真魚
e-mail:92104094@people.or.jp
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