日々のあわわ

● Mail Magazine 日々のあわわ 2001年02月18日(日) 第13号

〜○。今日のあわわ〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

読書する女

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 みなさんは、子供のころにどんな本を読んでいましたか?

 私がよく利用する図書館は児童書が充実していて、小規模ながらヤングアダ ルトコーナーもきちんと設けられています。で、その児童書やヤングアダルト のコーナーを見ていて思うのですが、児童文学やティーンズ向きの小説って、 たくさん出ているんですね。

 実は、私は、子供のころ、児童文学やティーンズ小説を、ほとんど読まなか ったんです。10歳くらいのときに、週末にたびたび父の友人の別荘に遊びに いくことがありました。父の友人夫妻は学校で働いていたせいか、その別荘に はいまでも、読み継がれているような名作の絵本がたくさんあり、滞在中にそ れを片っ端から読んでいったのが、私の児童文学の体験の全てといえます。だ から、遊びに行った日を合計しても数日間です。ついでに、そこには、つげ義 春や石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)のシュールなマンガや赤塚不二夫のナ ンセンスなマンガなどもあって、私の心になんとも形容しがたい感動を与えて くれました。

 私は、別に本が嫌いだったわけではありません。それどころか、本は好きな ほうでした(読書感想文は嫌いだったけど)。だから、父の友人の別荘で絵本 とマンガを読破できたのだと思います。では、なぜ、誰もが一度は通過する児 童文学やティーンズ小説を読まなかったのか? それはですね、私の父のせい だと思うんです。

 部分的にはあやふやなのですが、父の一言だけははっきり覚えています。私 が小学校のときに、書名は忘れましたが学校で借りてきた児童文学を読んでい ました。その本を横目で見た父がこういったのです。

 「お前は幼稚なんだね」

  今の私だったら、「子供なんだから幼稚であたりまえじゃん」と言い返せた でしょう。しかし、その頃は正真正銘、幼稚な子供でしたから、「こういう本 を読んでいると、お父さんに軽蔑されるんだ」と打ちひしがれてしまいました。 さて、それから私はどうしたでしょう? 文豪と呼ばれる人の文学作品ならよ いのか?とも思いましたが、学校の図書室にある文学全集は、なんかウソくさ くて好きになれませんでした。それは、日本や世界の文豪の名作を子供用に書 き下ろしたもので、いわば超訳みたいなものなのですが、名作と言われる作品 が、そんな簡単に読み流せるほどのものだろうか?と疑問だったのです。だっ て、家にある大人用というかレギュラーの文学全集を読もうとしたら、文字を 追うことはできても、さっぱり理解できなかったらです。そして、「文学の本 当の文章は大変そうだ。大人になってから読もう」と心に決めました。

 そのように回り道をふらふらしたあげく、何を読んでいたのかというと、ギ リシャ神話とか百科事典とか美術全集、歴史関連の本などです。それらの本は、 ウソ臭くなかったからかもしれません。中公新書や岩波新書などの歴史ものも 好きでした。文学作品と言われるものを読み始めたのは高校に入ってしばらく してからです。

 そのような読書体験のせいか、この年になって、図書館の児童書コーナーな どを眺めていると、後悔の念に胸が締めつけられます。

 「こんなに豊かな物語の世界があったのに、私はそれを知ることもなく、百 科事典なんか読んでたんかい! そうだ、お父さんが悪いんだ!」

 なんで、父が子供の私にあんなことを言ったのか、今となっては分からない わけでもありません。推測ではありますが、相当な読書家であった父にとって、 私が手にしていた児童文学作品は表紙やタイトルがファンシーすぎたりして、 物語として洗練されていない、深みのない作品に見えたのかもしれません。だ って、父が私に買ってくれた子供向けの本というと、岩波少年文庫から出てい た宮沢賢治の作品集とか、「星の王子様」とか、子供の心には重たいものばか り。一番、軽いもので江戸川乱歩の「少年探偵団」と「少年探偵ロイ・ブラウ ン」シリーズだったからなあ。

 しかし、ここで、私は声を大にして言いたい! たとえ、自分の目に洗練さ れていないとか、浅はかに移るものであっても、子供の読んでいる本をむやみ に否定するべきではありません。そのとき、子供にはそれが必要だったのでし ょうし、いろいろな読書の過程の一つとして大事に見守ってあげるべきではな いか、と思うのです。

 先日、図書館で若いお母さんが数人、児童書を数冊かかえて、ロビーでお話 していました。お母さんの一人が子供たちの間に人気の児童文学「怪傑ゾロリ」 シリーズを取り上げて、「子供が好きなのよ。あったらぜひ借りてきてって言 われたの。幼稚なんだけどね」と言いました。そのお母さんは子供の本の嗜好 や、その物語を幼稚だといいながらも、子供のために借りていってあげている のです。私は、いいお母さんだなあと、つくづく思いました。

〜○。あわわ後記〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜〜○。〜○。〜

 先日、不思議なメールを受け取りました。ヘッダも本文も何も書いていなく て、意味不明のアルファベット8文字にEXEの拡張子のついた添付ファイルが ついているのです。何かのウィルスかもと思って、すぐにEXEファイルを削 除しました。後で、それがHybris(http://www.ipa.go.jp/security/topics /hybris.html)というウィルス付きメールであることが分かりました。なん でも、Hybrisに感染したパソコンの受信メールやウェブ閲覧記録からメール アドレスを拾い出し、勝手にウィルス付きメールを送ってしまうというもので す。いまのところ、ハードディスクをクラッシュさせるなどの深刻なものには なっていないようですが、これから、どんな凶暴な亜種が出てくるのかは分か りません。差出人不明のメールの添付ファイルは実行しないようにしましょう。

 次回は3月4日(日)に出したいと思っています。

 では、また、よろしくお願いいたします。

                            真魚

                   e-mail:92104094@people.or.jp

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