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      −  捜査ファイル1  −

1.

「え〜と、犯人はディテラス・ラオニス。2級魔導犯罪で3度の逮捕歴が
あります。犯行は41分前、1階のコンビニで犯人が缶ビールの山を崩した
ことで店長と口論となったことが発端です。店内で塊魔獣を召喚した犯人は
出入口から逃走しようとしたトコロをパトロール中の警官に発見され裏口から
2階の雑居ビル内へ立てこもりました。
  警官から通報で駆けつけた機動隊が1度目の突入を試みたのが17分前、しかし
1階から2階への階段および屋上から3階への階段で憑鬼人に遭遇、さらに
特級法力の反応があったためいったん撤退。魔導特捜班への出動依頼があり、
1分前にお2人が到着したわけです」

  ホログラフィ・コミニュケーション・システムの半透明のキーボードを前に
状況説明をしていたディアナの後ろで2人の特別捜査官は実に対照的な表情を
していた。
「2級魔導犯罪者が特級法力かぁ。例のアレかしらね」
  どことなく眠たげな、いつもどおりのミコトと
「ふんっ、そのバカをトットと捕まえりゃハッキリするわよ」
  ブーたれて不機嫌そのもののシュジュ。

  シュジュの様子に一抹の不安を感じながら、ディアナはモニターに目を戻した。
「機動隊にはD装備で待機させてありますけど、どうします?」
「このまま待機。行くわよコトミ」
  歩きだそうとするシュジュを慌ててディアナが止める。
「ちょ、ちょっと、待って下さい。2人だけで行くんですか?」
「2級犯ごときあたし達2人が相手するのももったいないぐらいよ」
「で、でも」
  あせりまくっているディアナの肩をコトミがポンッと叩いた。
「機動隊はあたし達が突入後、このブロックの封鎖にまわしてちょうだい。
逃亡されないようにね」
「あ・・・!  わかりました」
  諭すような口調の言葉にディアナはハッとした。
−−−機動隊を突入させた場合、ビル内での混乱に乗じて犯人が逃げ出すかも
しれない・・・
  慌ててキーボードをはじいて待機中の部隊に指示を与えだす。

  その様子をチラリと横目でみてからコトミは一歩前に立っているシュジュに
問いかけた。
「それで、どこから突入する?」
「目の前に入り口があるんだからそこからで十分しょ」
  キッとビルの二階の窓を見上げ、お下品にも中指を立てた右手を突き上げ
シュジュは高らかに言い放った。
「アフター5を、せっかくのデートをおじゃんにしやがった大バカ野郎は
あたしがふんじばって天誅くだしてやるわ!!」

                                                          ・・・・つづく

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