徒然草 10    

2000年4月16日に江戸川区総合区民ホール(大)
で邦楽合奏団「織座」により演奏される邦楽大合奏曲
「〜チンギス・ハーン 蒼き狼の夢」
について、当日のプログラムより転載します。

   「蒼き狼の夢」  曲目解説   川崎絵都夫

     この曲は三重県の邦楽合奏団「真珠(あらたま)」より委嘱を受け、
     1997年に津で初演されました。

     初めに「チンギス・ハーンの生涯とモンゴルへの想いを邦楽合奏で作曲
     して欲しい」というお話しを伺った時は、正直言ってとまどいが有りました。
     しかし、いろいろとお話しをさせて頂く内に、シルクロードも含めた大モン
     ゴルに有ったであろう「邦楽器の祖先達」に思いを寄せながら、大きなスケ
     ールのドラマを音楽にする事が大変魅力的に思えて来ました。

     いろいろな資料(本、ムック、NHKで放映された大モンゴルのビデオ等々)を
     あたり、イメージを広げて行く作業は楽しいものでした。

     今回、今や充実期に入ってますます意欲的な演奏活動を繰り広げている
     「織座」と指揮の稲田康先生によってこの曲を取り上げて頂くのは大変楽しみ
     です。

     また、コンサートの後にはJASLAC「けやきホール」でのこの曲のCD化のため
     の録音も控えており、こちらもとても期待しています。

     第1楽章 夜明け〜希望

     チンギス・ハーンの誕生、父親を亡くしてからの凄惨な日々、大モンゴル帝国
     の夜明け、発展を大きな流れのメロディや、リズミカルな合奏で表わしていま
     す。

     第2楽章 安らぎ〜鎮魂

     国のため、民族のためとは言いながらも延々と続く戦いの日々の中の、束の間
     の休息。そして逝ける仲間達への鎮魂の思いを静かに、時に激しく奏でます。

     第3楽章 戦い〜そして明日へ

     戦いを告げる管楽器のホウコウ。その最中にふと心をよぎる、亡くなった仲間
     や肉親への思い。再び決意を新たに、わが民族の永遠なることを信じて戦いを
     続けるチンギス・ハーンの姿を勇壮な太鼓群を主役に表現します。

 

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