道川 冨美子
表題を「身近に見られる薬草−民間薬としての使い方」とつけましたが、“薬”の漢字をもつ言葉がいくつか出てきてわかりづらいので、先に簡単に説明させていただきます。
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民間薬は、世界中のそれぞれの地域にあってその数を知ることは無理ですが、日本の民間薬は、ざっと数えて 600はあるでしょう。漢方薬の場合名の知れたものは 400位、そのうちの 150位が常用されています。
生薬にも、あるものは民間薬にだけ使われるもの、また漢方薬だけに使われるもの、あるいは同じ生薬が民間薬にも漢方薬にも使われるものとがあります。同じ生薬でも民間薬として利用される場合と、漢方薬として利用される場合とで、どう使い方が違うかという例にキハダをあげてみます。薬用部分はコルク層を除いた樹皮の部分です。生薬名を黄柏といいます。
「民間薬」として使う場合
「漢方薬」として使う場合
民間薬は、誰が飲んでも副作用の心配がなく、お茶代わりに続けていくことによって、じっくりと効いてくる場合が多いものです。薬味酒を作って味わいながら飲むのも良いでしょう。
薬草の煎じ方・飲み方
〔薬草1日分の使用量〕
a.葉、全草、花のように、割に軽いもの
飲む人の手で軽くひとつかみ =10〜15g位
b.根、枝、実のように、割に重いもの
飲む人の手でひと握り = 5〜10g位
〔煎じ方・飲み方〕
煎じる容器は、土瓶あるいはアルマイト製・ガラス製を使用
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1日分コップ3杯位 |
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a.の場合 10〜15分間 |
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1日3〜4回に分けて温かい煎じ湯を飲む |