数学関係の本は、だいたい以下のようにジャンル分けできます。
…… 例.3n+1問題の紹介等
…… 例.フェルマーの定理・四色問題の証明の解説等
…… 例.古代エジプトに始まり、アルキメデス、ニュートン、オイラー、ガウス等
…… 例.ガロアの決闘前夜 ―― Je n'ai pas le temps !(もう時間がない!)等
一般的な分類で云うなら、前者はいわゆる理系向け、後者は文系向け、となるかもしれませんが、
特に決めつけるつもりはありません。
こういった二元論にとらわれず、いろいろ読んでみると、新しい発見があると思います。
以下の著者の本は、だいたいあたりはずれがない。
等のどれか。
それぞれ、上の分類のどれにあてはまるでしょうか?
- 足立 恒雄『フェルマーの大定理が解けた!』
- 数学的にはこれが一番わかりやすかった。
- 岡本 龍明、太田 和夫『暗号・ゼロ知識証明・数論』
- 電話でジャンケンをする方法……?
- 小島 寛之『数学迷宮』
- いろいろ文体も凝っている(DJ風とか)。
- 高木 貞治『近世数学史談』
- いまさら、ちょっと古いような気もするが。この本をネタ本にしているものが数多く存在する。
- 富永 裕久『フェルマーの最終定理に挑戦』
- 私が読んだ本の中ではこれが一番わかりやすかった。ただし、誤植がすごく多い。
- 野崎 昭弘『詭弁論理学』『逆説論理学』
- 普通の人はこれを数学とは思ってくれないかもしれない。
非数学系の人に一番受けるかも知れない。
- 藤原 正彦『若き数学者のアメリカ』『数学者の言葉では』
- 私が初めてアメリカに行ったとき、結構この本を意識した。
「数学関係の人間は、いかなる状況にあろうとも、
一度ある問題が頭に浮かんできたら、それを振り払うことができず、
表面は、例えば会議に参加しているように見えるが、
頭の中では全然別のことを考えている。」ということを、この本は暴露してしまった(黙っていれば解らないのに)。
- イアン・スチュアート『数学の冒険』
- できれば原書『The Problems of Mathematics』の方がよい。
今出版されている日本語訳は、原書より古いので情報がいろいろ欠落している。
- ウィリアム・パウンドストーン『ライフゲイムの宇宙』
- ライフゲームの紹介に留まらず、いろいろな話題を扱っている。
- マーチン・ガードナー『数学ゲームI・II』(講談社ブルーバックス)
- 入手もしやすいし、内容豊富だし、これが一番おすすめか。
- ロバート・カーニゲル『無限の天才』
- 天才数学者ラマヌジャンの伝記。
ハーディが無名のインド人から手紙を受け取り、
その、見たこともない、あっているのかまちがっているのか検討もつかない、
しかし、普通なら絶対思いつかないので、ゆえに正しいであろう、
という式の数々を眺めたあと、
『オイラーかヤコビクラスの、まさしく超一流の数学者だ』
と断定するくだりは、何回読んでも興奮する。
読書記録から拾ってきたのですが、意外に少ない。
強烈な印象を受けた本が、もっといっぱいあるはずなのだが、どうも欠落している。
読書記録及び日記で、中学2年以降に読んだ本は、完全にトレースできるのですが、
そこから漏れているということは、やはりそれ以前、
子供頃に受けた印象が最も鮮烈だったということなのでしょう。
例えば、子供の頃、偶然手にした本で、
のような式を目撃したら、もう一生、数学の魅力から逃れることはできないと思います。1×1 = 1 11×11 = 121 111×111 = 12321 1111×1111 = 1234321 11111×11111 = 123454321 111111×111111 = 12345654321 1111111×1111111 = 1234567654321 11111111×11111111 = 123456787654321 111111111×111111111=12345678987654321
『枕草子*砂の本』 |
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