2.<定義2>による探査

2.1 x、y についての単純ループ

(1) 定義1との同値性

ここでは、2つ目の定義、

以下の連立2次不定方程式

x2+gy2=z2
x2−gy2=w2

が、x、y、z、wについての整数解を持つような自然数 g

をもとに解を探してみる。


上の定義が<定義1>と同値であることを確かめてみる。
まず、x、y、z、wがこのような関係式を満たすとき、

m=x2
n=gy2

とおくと、m+n=z2、m−n=w2となり、
T(m)T(n)T(m+n)T(m−n)=gとなり、定義1の解となっている。 また、k2g=mn(m+n)(m-n) のとき、

x=m2+n2
y=2k

とおくと、

 x2+gy2
=(m2+n2)2+4k2g
=(m2+n2)2+4mn(m2−n2)
=(m2−n2)2+4mn(m2−n2)+(2mn)2
=(m2−n2+2mn)2
 x2−gy2
=(m2+n2)2−4k2g
=(m2+n2)2−4mn(m2−n2)
=(m2−n2)2−4mn(m2−n2)+(2mn)2
=(m2−n2−2mn)2

となるから、

z=|m2−n2+2mn|
w=|m2−n2−2mn|

とおくと、x、y、z、wは、

x2+gy2=z2
x2−gy2=w2

を満たす。よって、これらの定義は同値である。


原始的な解x、y、z、wを探す方法を考えてみる。
まず mod 2 で考えると「原始的」という条件から、x、yは、

  1. x=奇数、y=奇数
  2. x=偶数、y=奇数
  3. x=奇数、y=偶数

の3通りとなる。しかし mod 4 で考えるなら、まず1番目は成立しないことがわかる(証明略)。
よって、2番目か3番目ということになり、z、wともに奇数となる。 もとの式の両辺を足すと、

2x2=z2+w2

z、wが奇数であるから、xは奇数でなければならない(偶数にはならない。これも証明略)。
以上より、x=奇数、y=偶数、z=奇数、w=奇数、となることが解った。
さらに、xが2つの2乗の和で表されていることから、2次体の整数論での結果を使うと、
xは、4N+1の形の奇数であることがわかる。
これをさらに mod 8 で考えるなら、gが奇数のときはyは4の倍数でなければならないことがわかる。
以上をもとにプログラムを組んでみる。


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三島 久典