TPPについてむらちゃんの考え方を書こうと思います。
元々を言いますと、「TPPは推進すべき」と考えていました。
国際状況を加味すると、各国が一定のルールを決めて「経済連携」を深めていく事は当然の流れだと思います、そこに日本の活路を見出さなければ「日本の衰退」は決定的だと思います。
しかし野田政権の現状を考えると「絶対に反対」と言わざるを得ません。
その根拠を書こうと思います。
まず、現在の「野田政権」がどのような政権であるか?を考えないといけません。
元々、民主党は「小沢一郎」を中心とした「官僚支配から脱却」させ「アメリカと対等に交渉が出来る日本」をつくり、アメリカ従属から「中国を含めた東アジアによる経済連携体」による成長を戦略として政権を奪取しました。
その為に官僚の「天下り」に象徴される「官僚の既得権」にメスを入れて「無駄の排除」によって、所得の再配分(子供手当、高速道路無料化)を公約しました。
その中にはマスメディアに対する「クロス・オーナーシップ」の禁止、「電波オークションの導入」も含まれていました。
現在、日本のメディアは新聞各社が「テレビ放映権」を独占(クロス・オーナーシップ)した状態ととなっており、先進国としてはほとんど例のない異常な「独占状態」となっています。
また、本来公共的な「電波」について、これまた先進国に置いて「異例な安さ」で交付されており、ここにも「オークション制」を導入して入札の公平性を確保させようとしました。
これに恐怖を感じたのは「官僚組織」と「マスコミ」でした。
そこで官僚組織(検察)とマスコミが結託して「小沢一郎」潰しの大キャンペーンが展開され、彼は「被疑者」とされました。
そして官僚組織は「小沢一郎」と密かに政治的に一線を引く民主党政治家達(前原、仙石、枝野)を先導して、鳩山内閣に揺さぶりを掛けさせて、「小沢主導政権」に困惑していたアメリカ政権からの協力も得て「アメリカ政府からの圧力」(普天間問題)も利用して鳩山政権を潰します。
そして出来たのが「菅政権」でした。
最初は菅政権に対して「官僚、マスコミ、アメリカ」は「好意的な対応」を見せていましたが、彼は根本的に「アメリカ従属組」では無かったので、東日本大震災を発端とした支持率低下によって「脱原発」、「ソーラー構想」、「消費税増税」、「TPP参加」と後先を考えない発言を連発して「アメリカ従属組」としても支える事が困難となります。
そこで彼らが眼につけたのが、当時「財務大臣」を担当していた「野田氏」でした。
当時財務省の「イエスマン」として活躍?していた野田氏なら完全に「アメリカ従属組」政権としてコントロール出来ます。
そうして作られたのが「野田政権」です。
TPP推進派は「早く参加して日本の国益を確保すべきだ」と言いますが、この政権は「アメリカ従属」を目指していますので、まず無理でしょう。
「アメリカは日本にとってもっとも重要な同盟国だから参加すべき」との意見もあるでしょう。
もし現在のアメリカが「平時」であれば、そう言う考え方もあると思います。
残念ながら今のアメリカは「平時」ではありません。
現在日本では「マスコミの偏向報道」によってアメリカ経済より「EU危機」を叫んでいます。
しかし自分はEUよりアメリカの方が「遥かに危険な状態」だと思っています。
これもどこのマスコミも書きませんが、民主、共和党有志代表12名によって1.2兆ドルの「債務削減法案の話し合い」が続けられていますが、まったく妥協点が見い出せておらず、このままでは11月23日に期限を迎えます。(実質的には議会の承認が必要なので期限は21日、本日は11月20日)
ここまでに妥協策を見い出せないとトリガー条項が施行されて、2013年度より自動的に防衛費を中心とした約8%の歳出削除となります。
もしトリガー法が執行されるとアメリカは政府として「債務削減が出来ない状態」と判断されて、またムーディーズ等、格付会社による「アメリカ国債の格下げ」問題が再燃されます。
こんな状態なのに日本のマスコミはどこも報道しません、どれだけ「情報操作」が行われているか知らなければなりません。
今回、両党が合意にたどり着けたとしても、アメリカは厳しい状況から脱せません。
EUは簡単な道ではありませんが「参加各国が完全な経済統合(EUとして経済を統合する)」出来れば、今回の問題は解決出来ます、まだ手段は残っています。
しかしアメリカはまったく道すら見い出せていません。
バンク・オブ・アメリカは債務超過に困窮して、リーマン時に買った(買わされた)「カントリー・ライフ」を分離させ倒産させようとしており、もし実行されれば住宅ローン問題が再燃しますので、アメリカ政府は「リーマン時にバンカメが情報操作をして市場を混乱させた」と告訴して脅しをかけています。
失業率は高止まりが続き、インフレも悪化(名目率は高くありませんが、原油、穀物の高騰品は名目率から外されており実質は相当高いです)、金融各社もリーマン時の受託ローン負債を確定させず、先送にりして隠蔽して、あたかも利益が出ているように見せかけて「経営陣の高額給与」を復活させています、実質的には破綻状態だと言っても過言では無いと思います。
ここで大統領選挙に合わせるようにアバマが打ち出したのが「アジアを中心としてアメリカを輸出国とする」構想です。
「アジア各国は今後はアメリカに今までのように輸出をして利益を出すのは諦めてくれ」とも言っています。
ここまで書けばアメリカはTPPで何を目指しているのか?は理解出来ると思います。
元々アメリカはTPPにはほとんど関心を示していませんでした。
日本で民主党政権が発足して、急速に中国と接近したので、アメリカはアジアから孤立する事を恐れて、TPP参加によって日本を東アジア同盟構想からアメリカ側に誘導させようと考えたのだと思っています。
これが更に進んでアメリカは「TPPにより日本をアメリカに取って都合のいい国家システムに誘導させて、日本国民の保有する財産を奪い取ろう」と方向転換していると考えた方が自分は自然だと思います。
TPPと言っても90%は経済規模1位と3位のアメリカと日本ですので、実質的には日本・アメリカの2国間FTAです。
「9ヶ国間交渉なので、交渉次第で日本有利な交渉も可能」と言う意見もありますが、「対米従属」を目指す野田政権では、アメリカを相手に交渉出来る術は無く、アメリカもそこを見すこした上でTPP参加を日本に迫っているのだと思います。
TPPと言うと「農業問題」が取り上げられますが、本質はそこでは無いと思っています。
例えば「米の関税問題」ですが、TPPが実行される10年後には、現在の農業政策のままですと、日本の生産者平均年齢は80才となり、既に国内のみでの米確保は困難になっていると思います。
それに現在の米政策を劇的に改善させる策は無いと思います、何十年も以前から「集約化、効率化」が謳われてきましたが、まったく改善されていません。
また、「関税を撤廃すると日本の米農業は崩壊する」と言う論調がありますが、これも違うと思います。
まず、「日本の米農業を崩壊させる」だけの生産量を確保出来る国はありませんし、市場原理からしても「美味しい米」は高価でも需要は無くなりません。
お金が有って美味しい米が食べたい人は国産米を買って、お金の無い人は外国産米で、悪い事ではないでしょう。
自分は「農業・畜産業」については時間をかけてゆっくり開放させるべきだと思います、TPPは悪くない選択枝でしょう。
TPPの一番の問題点は、これまたどこのマスコミも報道しない「ISD条項」にあります。
「ISD条項」とは2国間でFTAを締約した後に、ある企業が相手国家に不当な不利益を被った場合にISDと言う国際組織に上告する事が出来る条項で、過去にアメリカとFTA条約を結んだ相手国がアメリカ企業により告訴され、ISDはアメリカ企業に有利な「不平等裁定」を繰り返しFTA交渉上で問題視されています。
ISDはそのほとんどがアメリカ人で構成されていると言われており、実態のよく見えない国際組織となっています。
TPPにもアメリカは「ISD条項」を盛り込もうとしていると思われます。
実際に前回の国会で自民党議員からTPPで「ISD条項」が盛り込まれないか?と質問しましたが、野田総理は「ISDについては良く理解していません」と答弁しています。
こんな政権でTPPに参加して良いか?の答えは出ているでしょう。
今、この「ISD条項」で大揉めとなっている国があります、そうお隣の韓国です。
韓国はアメリカから「韓国からアメリカ軍を撤退させるぞ!」と驚かされて「出来ないのなら、せめてアメリカとFTAを結べ」と更に驚かされて、軍に撤退されると南北間の軍事力均衡が崩れるので困る韓国はFTAを締結させようとしました。(日本もTPPに参加しないと米軍を普天間からグアムに移転させると脅かされている)
そこで発覚したのがFTA内容に「ISD条項が盛り込まれている」事でした。
現在、韓国では国会を通す事が出来ず、また国民的な大反発もあり、前にも先にも行けない状態となっています。
もしTPPに日本が参加して、更に「ISD条項」が盛り込まれたら、アメリカの保険会社から「日本の皆保険制度が障壁で参入出来ない」と控訴されてISDが認めたとしたら「皆保険制度」そのものが排除される可能性があります。
そうなるとアメリカ同様に日本もお金がないと医療を受けられない国に変貌するでしょう。
また、アメリカ企業が「日本はヨーロッパ車は輸入しているのにアメリカ車はまったく輸入しない」とISDに告訴、ISDが「アメリカ車を最低5%輸入しなさい」と判断され、押し付けられる可能性だって否定出来ません。
(少なくてもアメ車が参入出来ない要因となっている「エコカー減税」は撤廃させられますね、また日本の厳しい排ガス規制も大幅に改悪させられるでしょう。)
その他、あらゆる分野で、(郵政、医療ETC)このようなアメリカルールが日本に押し付けられる可能性が否定出来なくなります。
日本マスコミはTPP参加を主導させる偏見報道を展開していますが、TPPに参加すればアメリカから「クロス・オーナシップ」問題を指摘され告訴され、放送権は電波オークションにかけられアメリカ外資メディアに席捲されるでしょう、競争原理が働けばおそらく大新聞社のいくつかは倒産に追い込まれると思います。
(日本のマスメディアは外資の参入を法律で禁じられている、と言う意見もあると思いますが、お隣韓国は今回のFTAでアメリカ外圧により外資参入を開放させられました。)
もし、自分がアメリカ側だとしたら、日本特有の「天下り」にも手を突っ込みますね。
「日本は官僚OBが一般企業に再就職しており、日本企業が公共的な事業を独占しているのでアメリカ企業が排除されている、即排除しなさい。」と・・・。
日本の経済に取って「官僚の天下り」が大きな損出となっている事をアメリカは知っていますので、これを外圧で排除させれば日本の赤字財政が改善され、TPPに対する日本国民の支持が得られますし、財政が改善されれば日本の景気は改善されて、アメリカに取って「むしり取れる利益」は更に大きくなりますから。
自分が考えつくのですから、アメリカの頭の良い「ハイエナ達」は当然考えると思います、日本の「頭の良い」と言われる官僚達はアメリカによって大きな利益を得て、アメリカによって突き落とされるでしょう、そう「マスコミ」と一緒に・・・。
今のアメリカはそれ位の事をやらないと立ち直れない状況である事は理解すべきだと思います。