今北朝鮮の拉致問題が注目されています。
ここでもむらちゃんはあえて日本のマスコミの報道とはあえてまっこうから反対の立場からこの問題について書きます。

マスコミはこぞって北朝鮮の金正日が独裁政権であって日本人を拉致した凶悪な政権だと言っています。
拉致があった事実に関しても北朝鮮国内では報道されず正しい報道がなされていないと批判しています。

それでは日本のマスコミは本当に正しい報道をしているのでしょうか?


日本のマスコミは「拉致」と言う「点」について報道していますが歴史と言う「線」を踏まえた報道はほとんどありません。
確かに「拉致」は国際犯罪ですしそれ自体は非道であり拉致家族の心情を考えると毅然とした対応は当然必要です。
しかし以前ここでアメリカのテロ事件の際にも書きましたが拉致問題を点としてしか見ないと本当の姿は見えません。
どれだけのマスコミが日本と朝鮮半島の過去の歴史を踏まえた上での拉致問題報道をしているでしょう。
そもそも何故北朝鮮はあの時期に日本人を拉致したのか、何故日本人は彼らから憎しみを受けているかを踏まえた上での報道はほとんどありません。

おそらく戦後生まれの日本人の多くは過去に日本が朝鮮半島を占領下においていて無理矢理日本人にされる屈辱を受けてその後日本が第二次世界大戦に敗北して撤退した事からアメリカとソビエトが朝鮮半島を侵攻して北と南に分断されてしまい世界大戦後も南北朝鮮で戦争状態となり現在も休戦状態で戦争は続いている事実を知らない方が多いと思います。

現在日本に住んでいる在日朝鮮人はほとんどが占領下に日本に強制的に連れてこられました。
そうした過去の事実を知っていれば在日北朝鮮人に嫌がらせなど絶対に起こらないでしょう。

カメラで「バカチョン」と言った言葉がありますがあれは「バカでもチョンでも使える」と言った語源からきており「チョン」とは朝鮮人を指している差別語です。
それ程過去の日本人は朝鮮人をバカにしていたか分かると思います。

拉致が行われた当時は北朝鮮は韓国と休戦とはいえ大変な緊張状態であり北朝鮮は南の情報を得るために日本人になりすまして南に入り込む工作員を必要として日本語の話せる日本人を南北分断の歴史的責任者である憎き日本から拉致した訳です。

よく中国や韓国が教科書問題として日本にクレームを付けていますがこう言った過去の歴史について日本は正しく教育していない、と言っているので一概に否定は出来ないと思います。
テストで選別する為の歴史教育はしていても一番大切な近代史についての教育にはほとんど時間をかけていません。

北朝鮮から見れば「拉致など小さい問題で自国を占領下において分断させた責任のある日本が何を言っている!」と見えるのも当然な事も事実なのです。

こうした事を正しく伝えた上で拉致問題を報道するなら「日本のマスコミは北朝鮮とは違って正しい報道をしている。」と言えると思いますが単に憎しみをあおるような報道がほとんどで個人的には北朝鮮の報道となんら違いは無いと思います。

特に週刊誌の電車の吊り広告で「金正日は独裁者であり許してはいけない」と言ったタイトルの横に「アイドル●●のデート現場発覚!」などと言ったタイトルが並んでいるのを見ると怒りすら覚えます。
彼らは何を持って北朝鮮を悪として非難する記事を書ける資格があるのでしょうか?
雑誌が売れれば何を書いても良いと思っているとしか思えません。
このような一方的な報道はいたずらに反朝感情をあおっているだけで何の解決にもなりません。

拉致家族についてもまるで彼らを日本に永住させるのが彼らの幸せだと決めつけた風潮がありますがこれも日本人の思いこみでしかありません。
例え親が拉致されたのが事実としても彼らは既に北朝鮮人であり日本に強制的に連れてきても幸せになれる保証はどこにもありません。

北朝鮮からみれば日本に拘束された拉致被害者が日本に強制的に日本に永住したいと言わされているように見える筈です。
お互いに色メガネを付けて相手国を見ているとイスラエルとアラブのように憎しみの連鎖を生み出すだけで止めることが出来なくなります。

まず日本が色メガネを外して事実を点だけでは無く線として見る必要があると思います。
もちろん拉致は憎むべき犯罪ですので国家として毅然たる対応は当たり前ですが日本国民全てが拉致問題の裏に存在する過去の歴史を正しく振り返った上で考える良い機会だと思います。
あまりにも今の日本人全体がこのような問題に対して無知過ぎると思います。

それから日本は過去に核攻撃を受けた唯一の国家です。
核開発問題に関しては北朝鮮はアメリカとの問題と言ってきていますが日本は核は実際に使われるとどれだけの深い不幸をもたらす兵器かを肌を持って知っている民族ですので核や戦争が大好きなアメリカよりも日本が長い時間をかけても説得出来る可能性を持った国だと思います。
未だに核を広島と長崎に使った事は正しい選択だった、と言っている某国大には基本的に他国に「核を開発するな」と言える資格すら無いと個人的には思っています。
「正しい選択」であったのなら今後も使用する可能性があると言っている事です。

「他国より強い軍事力を常に維持してテロを支援する可能性がある国には国連決議が無くても武力攻撃をじさない。」とする某大国指導者の思想は彼らが「悪魔」と呼ぶフ●インや金●日より危険だと思う今日この頃です。

最後に拉致被害者及び家族の方の早期問題解決、それから死亡と伝えられている方々もかなりの可能性で生存していると個人的には思っています。
日本と北朝鮮に横たわる多くの問題を乗り越えて1日も早く拉致被害関係者に朗報が届く事を心からお祈り致します。