ここでは携帯電話に対するQ&Aコーナーとして、色々なケースについてご説明します。
基本的に初心者の方に分かりやすくする為、比喩的な表現が多くなると思いますのでご了承下さい。
Q1.アンテナマークは振れてるし品質アラームも鳴らないのに突然切れてしまう事が有る。不良かな?
このケースですと端末の感度不良を疑ってしまいますが、そうでは有りません。
まず、通話中の回線に他の基地局からの妨害電波が割り込んでしまって回線が切断するケースが考えられます。
現在の携帯電話のシステム(PDC)では電波を受信出来ない穴を無くす為に複数の基地局でカバーされていますが、当然複数の基地局からの電波を端末が同時に受信出来るようになります。
この時、お互いの基地局が同じ周波数を使ってしまうと端末側で混信を起こしてしまう為、隣接した基地局では周波数を変えて混信を防ぐシステムとなっています。
しかしながら使える周波数には限りが有るので、ある程度距離をおいた基地局ではまた同じ周波数を繰り返し使用する方式を採用しています。(周波数の繰り返し利用と言いPDCでは4繰り返しです。)
この時、混信を防ぐ為に基地局では平行に電波を飛ばさずに若干下向きに送信して電波の飛びすぎを防いでいます。
(コンピュータでシュミレーションして出力、指向性を決定しています。)
それでも電波は大幅に変動しますので、瞬間的には端末が同時に受信出来てしまう事が発生してしまいます。
(ドコモの資料では1000倍から10000倍可変していると書かれています。)
特に高い場所やみとうしの良い場所、多数の基地局が狭い範囲に乱立する都市部で発生します。
この時、同周波数帯の同じタイムスロットを利用されていまいますと、交信していた電波(希望波)に対し妨害電波となり通話が切れてしまいます。
(希望波に他信号が割り込み、希望波のエラー補正が不能になり通話が切断する。)
この場合は品質アラームは鳴らずに突然に通話が切断されます。
特に受信感度が高いタイプは比較的弱い電波でも受信出来てしまうので頻繁に発生する傾向が有るようです。
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もうひとつの要因としてハンドオーバーの失敗が考えられます。
携帯電話は通話中にその場所で一番良好に交信出来る基地局に端末と基地局側で連絡を取り合いながら通信先の基地局を切り替えるシステムとなっています。
その為、移動中でも交信先の基地局が切り替わり通話を継続出来るようになります。
(ハンドオーバーと言う)
しかし電波は常に安定しているわけではなく可変しています。
つまり複数の基地局からの電波を受信出来る場合には常に受信状態の良い基地局は時事変化している可能性が有ります。
基本的にはハンドオーバーは基地局側が端末からの電波をモニターして交信中の基地局側の受信状態が悪くなると受信状態の良い基地局にチャンネルの切り替えを指示をします。
しかし、これだけでは端末側での受信状態はわかりませんので端末側で受信状態が悪化した場合は端末から基地局にハンドオーバーの要求をする事が出来ます。(モバイルアシステッドと言う。)
この時に基地局側では受け渡せる基地局が有れば端末にその受け渡し先の基地局の空きチャンネルを指示してハンドオーバーが終了します。
ここで問題なのは端末がどの程度、受信状況が悪化した時にハンドオーバーの要求をするかです。
受信状態がかなり悪くなってから要求するようにすると基地局側では端末の受信状態が悪化している事はわからないのでそのまま交信を引きずってしまい品質アラームが鳴ったり通話が切断してしまう場合が有ります。
また逆にちょっとした受信状態の悪化でも要求を出すようにすると頻繁にハンドオーバーの要求を出してしまいハンドオーバーに失敗すると突然に通話が切断してしまう可能性が高くなります。
ここらへんの微妙な設定の違いにより機種によっては通話の切断が発生しやすいケースが有るようです。
たまたま製造のばらつきで受信感度が高い端末に当たってしまうと更に複数の基地局の電波を受けてしまいますので症状が悪化する場合が有るようです。
その他にも移動中受け渡し先の基地局の回線がいっぱいだった場合にも切れてしまいます。
いずれも「たまになるんだよね。」というレベルでは携帯電話の不良ではなく上記のケースでしょう。
逆に「いつでも頻繁になるんだ。」と言う場合は携帯電話本体の問題も考えられますので,あまりにも切断が激しい様でしたら、ドコモショップの故障担当に相談してみましょう。
また、激しく切れる場所が特定出来る場合にはお近くの支店かドコモショップでその場所(出来るだけ詳しく)を申告して下さい
技術者がその場所に行って電波状態を確認後基地局の指向性の調整等で直る場合も有ります。
Q2.話している相手からよく「まったく声が聞こえない。」とか「ひどく声が聞き取りづらいね。」と言われる。不良かな?
このケースですが、高い場所(高層ビル)、みとうしの良い場所、屋内で受信感度設定の高い端末でおきやすくなります。
まず高いところ、みとうしの良い場所では近くの基地局ではなく数Km離れた遠くの基地局と交信してしまっている可能性が高いです。
何故かというと高い場所やみとうしの良い場所では近くの基地局からの反射波や回折波より、遠い基地局からの直接波(又は反射、回折回数が少ない電波)の方がより強く受信できてしまうのです。
通常通話している時、基地局からの直接波で交信しているケースはほとんど無く、何度も反射や回折を繰り返している電波で交信している場合がほとんどなのですが、たとえ遠くの基地局であっても直接波は強いのです。
しかし携帯電話は基地局からの電波(下り電波と言う)だけでは会話が出来ません。携帯電話からの電波(上り電波と言う)が基地局にとどかなければ会話はできません。(ちなみに上り電波は900MHz帯を利用しています。)
基地局からの電波2〜3Wに比べ携帯からの電波は0.8Wと弱く遠くの基地局に届かないのです。
その為、相手の声が聞こえても自分の声が聞こえない片通話の状態になります。
通常はこの出力の差は基地局側の受信感度設定と携帯電話側の受信感度設定によってバランスをとって発生しにくく設計されていますが上記のような場所ではこのバランスの崩れにより発生するのです。
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特に受信感度が高いタイプで頻繁に発生しやすいようです。
また、屋内では窓のガラス材質はコンクリートやモルタル建材より遥かに電波を透過しやすいため、近くに基地局があっても窓側から透過してくる遠くの基地局の電波と交信してしまうケースが多くやはり片通話になりやすくなります。
またビルの高い階層の場合はアンテナピクトが振れていてもこちらからの電波が基地局に届かず通話が確立出来ない状態も発生します。
このケースは上下の受信状態のアンバランスが原因ですので水辺や山岳地でも発生します。
携帯電話本体の不良の場合はいつでもどこでも相手に声が聞こえなくなりたまになるようなケースはこの場合が多いでしょう。
また、自分の端末に発呼が有って着信ボタンを押したのに通話が開始出来ずにずっと着信音が鳴りっぱなしの状態が続くケースが有りますが原因は着信ボタンを押したと言う信号が基地局に届かず基地局から接続チャンネルの指示がこないケースですので原因はまったく同じです。
Q3.ずっとアンテナが振れる場所にいたし、電話もかけていないのに友人から「さっきかけたら話中だったね。」とか「何で電話を切ってたんだよ。」と言われた。どうして?
まず、その時交信中だった基地局の回線がいっぱいだった可能性(輻輳)が考えられます。
この場合話中音や「大変混み合っています。」のアナウンスが流れます。
この状態が発生しやすいのは突然に雨が降った時の駅の近くや、高速道路で渋滞があった時のその近くなどで、みんなでいっせいに携帯電話を発信した時に発生します。
また正月、クリスマス等もなりやすくなります。
もうひとつのケースは携帯電話が基地局側と位置登録確認の交信中だった場合です。
基地局側は複数の基地局でエリアが構成されていて(数Kmから吸う10Kmで構成される。)端末の位置登録はそのエリアでドコモのサーバーに登録されています。
端末に呼び出しが有ると、このサーバーに登録されているエリア内のすべての基地局から呼び出しが有り、し信号を受け取った端末は応答信号を発信します。
基地局側はその信号を一番強く受信出来た基地局の空いているチャンネルを端末に指示して通話が始まる仕組みです。
通話中にこのエリア内の基地局間で端末が移動する場合は基地局側で端末からの電波を常にモニターし、基地局間を移動する時には端末に変更先の基地局の空きチャンネルを指示しハンドオーバー(ハンドオフとも言います。)をします。
また端末側の受信状態が悪化した場合に基地局側にハンドオーバーの要求を出す場合も有ります。
(この端末側に基地局の選択機能をもたせた事をモバイルアシステッドと言いデジタル方式から採用された方式で基地局側の制御処理を大幅に簡素化しています。)
次に位置登録されているエリアから別のエリアに移動する場合には、そのままでは通話が切断してしまうので端末は受け渡したいエリアの基地局に位置登録変更の要求をしてハンドオーバーされ通話は維持されます。
端末が待受状態の場合は位置登録されているエリアから別のエリアに移動するとそのままでは着信不能になりますので端末は新しいエリアの基地局側に位置登録の変更を要求をします。
その要求を受けた基地局はサーバーに登録されている位置情報を新しいエリアに変更させますので引き続き着信可能な状態になります。
たまたまこの位置登録の更新中に電話がかかってしまうと基地局と交信中なので「プープー音(話中音)」や「電話を切っているか・・・。」のアナウンスが流れてしまいます。
またこれ以外のケースで、サーバー側に登録されている位置情報と実際の端末の位置がたまたまずれた状態になっていると一時的に端末を見失い端末に対する発呼が有っても着信不能な状態になってしまう場合が有ります。
この場合も呼び出し側では圏外トーキーが流れてしまいます。
この状態は移動中のみ発生すると思いがちですが移動中で無くても着信不能になるケースも有ります。
この症状は異なるエリアの基地局の電波が同時に受信出来る場所で起こり、互いの基地局の電波が可変するたびに端末は位置登録の変更要求を繰り返ししてしまい瞬間的に登録がずれた状態が発生しやすくなります。
このケースも遠くの基地局の電波をひろいやすく、位置登録が頻繁に更新しやすい受信感度の高いタイプでおこりやすくなります。
また電波は大変変動しますのでエリア内にいてもたまたま受信状態が悪い瞬間に発呼が有った場合に同期が取れず着信不能になるケースも有ります。
Q4.自宅では圏外になってしまうのであきらめていたが、今日遊びに来た友人の持っている携帯では圏外にならず通話が出来た。自分の携帯が不良なのかなと思いショップにいったらテスターでOKなので問題無いと言われた。どうして?
機種により受信感度は若干違いますし、同じモデルでも若干のばらつきは有ります。
商品のばらつきは大量生産するためには必要悪で有り、これを認めなければ製造コストが跳ね上がってしまいます。
そのためJIS(日本工業会)ではそのばらつきをカタログ表記のプラスマイナス5%と決めていて、家電製品等はこの基準にしたがって商品を作っています。
携帯電話は通話出来るかどうかの致命的な部分なのでもっとその基準が厳しいようです。
(筆者もその数字は知らない。ドコモが製造メーカーに提示している基準は更に厳しいようです。)
また機種別の差ですが、ドコモが決めているのは「最低これだけの受信感度がある事。」という事であり、実際はそれをうわまわっている機種が多いのです。
その基準数字を下回っていないかぎりテスターではOKとなります。
また上記したとおり受信感度が高い機種は都市部では通話切断、片通話など通話が不安定になりやすい傾向が多くなりますのでどちらが良い機種かというのは難しいと思います。
Q5.3本アンテナマークが振れているのに品質アラームが鳴ったり時々声が途切れちゃうんだ。携帯の感度不良かな?
3本アンテナマークが振れる場所ですといつでも安定して通話出来ると思ってしまいますが違うケースが有ります。
端末には基地局と交信している電波(希望波)の他にもビルなどに何回も反射や回折を繰り返した電波が同時に受信されています。
こうした電波は交信している電波(希望波)に比べ時間が遅れて受信されるので遅延波(マルチパス)と言いこれが交信している電波に干渉して音声の劣化や途切れの大きな原因となります。
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この遅延波を端末側でエラー補正(遅延波の遅延時間を計算して、元信号を逆位相にして相殺し元信号から取り除く。)をしているのですが、多重での遅延波の場合にはエラー補正が難しくなります。
その為、アンテナマークが3本振れる場所でも音声品質がいちじるしく劣化したり音声が途切れる現象(時々聞こえない時間が発生する。)として現れる場合が有り,あまり状態が悪いと品質アラームが鳴って回線が切断される場合も有ります。
特に移動中は電波のドップラー効果(救急車が通りすぎる時に音の高さが変わるあれ。向かってくる時は周波数が高くなり通り過ぎると逆に低くなる)も発生するので、更に端末側のエラー補正の頻度が多くなりこの音声品質の劣化や回線が切断する頻度が激しくなります。
それ以外にも利用者一定以上多くなりますと相互間の電波干渉が発生し音声が劣化するケースも有ります。
Q6.友人と同じ機種をいっしょに買って使っているのに、電池の待ち受け時間が全然違う。条件はまったく同じなのに自分だけ電池が持たないのは納得出来ない。どうして?
まずドコモの言うところの待ち受け時間の定義ですが、「良好に通話出来る状態で移動した場合の待受時間」です。
ここで問題なのは”良好に通話出来る”という定義でしょう。実はこれが大きなファクターなのです。
待受時間には受信状態は関係無いと思ってしまいますが、実は深い関わりが有るのです。
携帯電話は常に自分の位置情報を基地局を通してサーバー側に登録する必要が有ります。
安定して受信出来る強電解の場所であれば基地局まで距離も無いので送信する電波出力も少なくすみますし基地局のエリア更新の回数もへらせます。
この場合はカタログ数字にかなり近い待ち受け時間となります。
それではアンテナマークが1本とか圏外の場所ではどうでしょう。
まず送信出力を出来るだけ上げて送信しなければなりません。
その上、位置登録が出来ない場合はそれを何回も頻繁に繰り返さなければなりません。
その為に消費電力が多くなってカタログ数字よりかなり少ない待ち受け時間となってしまい、極端なケースではカタログ数値の半分を大きく下回る場合も有ります。
また、ショートメール送信やデータ通信、iモードを頻繁にお使いになっている場合、通常より電池が消耗しますので使用時間は極端に短くなります。
Q7.このあいだ友人と同じ場所から発信したんだけど、友人のP207はなんなくつながったのに自分のP101は何回発信してもプープー鳴っているだけで全然つながらなかった。なんで?
現在ドコモの800MHzは時間帯や場所によってはかなりつながりづらくなってきています。
その為にアナログ回線の周波数をデジタル回線にわりふっています。(A帯と呼びます。)
20*シリーズからはこの従来のデジタルの周波数と、わりふられたA帯の周波数の両方に接続できるデュアルバンド接続端末になっています。
20*シリーズはまずA帯の周波数帯に接続し、A帯の回線がいっぱいの場合は従来のデジタル帯域の周波数帯に接続します。
その為、基地局のデジタル回線が混み合っていて旧10*シリーズやフルレート機で接続出来ない場合でもA帯の電波をつかって接続出来ます。
またフルレート機は2回線分の空きチャンネルが無いと接続出来ないので更に繋がりづらくなります。
また、207シリーズ以降の機種では日本シティメディアから買い取った上り下り各2MBづつの周波数帯(N帯)にも対応しています。
幕張メッセのようにトラフィックが一時的に集中する場所で使用されて輻輳解消の決め手になっています。
Q8.自分の携帯電話で友人の携帯電話に電話すると会話が国際電話を使っているみたいにすごく遅れてすごく話しにくい。(どっちも最近のデジタル端末)結構近くにいるのに何でかな?昔使っていたアナログでは無かったんだけど。
デジタルのハーフレート機ではこの音の遅延(遅れ)が結構気になる場合が有ります。
原因はデジタル端末ではまず音声(アナログ)をデジタル(0と1だけの信号)に変換(AD変換)しますが、それに時間がかかります。
その後データー量を減らす為に圧縮符号化という作業が行われます。
この圧縮作業にも若干の時間がかかってしまいます。
その後にまた相手の携帯電話でまったく逆の作業を経て音声に復元されます。
このすべての作業時間がずれと成ります。
また最近のハーフレート機では圧縮率が高い為、更に時間がかかりずれが大きくなります。
この変換作業はアナログ端末では無いので、アナログ機では遅れは発生しません。
ただこの変換作業をする移動機器内の半導体(LSI)の性能の向上により、最近の端末では遅れ現象はだんだん気に成らなくなりつつあるようです。
ただし、受信状況が悪化すると受信側で音声への復元が出来なくなり、再送信の要求(ARQ)をする為に遅延が激しくなってしまいます。
Q9.この間、携帯電話を使った時、相手の人から声が反響(エコー)してものすごく聞きづらいって言われた。これって携帯電話の故障?
携帯電話本体でエコーが発生する場合は、携帯電話内部のマイクとスピーカの間がマイク部分のシールド等のずれなどによって空気が繋がってしまっている時に発生します。
相手の声がスピーカ部から鳴って、それが携帯電話内部を通ってマイク部にもれた為に相手側にエコーとして聞こえる訳です。
この場合のエコーはいつでもどこでも発生し基本的に不具合のある場合エコーは相手側で発生します。
また、受話音量をいっぱいに上げて使っていると最近の端末はマイクとスピーカの距離が近いので同じ原因で相手側にエコーが発生する場合も有ります。
(マナーモードにしているとマイク感度が上がってしまいますのでさらに発生しやすくなります。)
同様にやたらでかい声で通話している人も自分側でエコーがかかる場合も有ります。
同じ場所で頻繁にエコーが発生し他の場所では問題が無く、不確定多数相手でもエコーが発生する場合は基地局側の問題も有り得るのでDSに相談しましょう。
基地局側の設定変更で症状が収まる場合も有ります。
「たまになるんだよね。」といった程度でしたらネットワーク上たまたま悪い回線をひろってしまったケース(携帯電話のネットワークとNTTの有線回線を結ぶ場所にエコーを防止する装置がついているのですが、その装置の不具合)が考えられます。
Q10.アンテナマークが3本安定して立っている場所で着信したとたんアンテナマークが立たなくなり着信ボタンを押して通話が開始したらまた安定して3本立っている。なぜ?
このケースは20*シリーズ以降で発生します。
前に書きましたが20*シリーズはデジタル使用している周波数帯とアナログから割り振られた周波数帯(A帯)の両方の帯域に接続出来るデュアルバンド端末です。
アンテナマークが消えた時には端末機はA帯の周波数帯に接続するように網側から指示されています。
しかし、アンテナマークを振らせる為のパイロット信号はデジタル帯域にしか付いていないのでA帯に接続されるまで、いったんレベル表示が消えて接続されれば実際の電波強度を表示するようになり、またアンテナマークが振れるようになります。
Q11.最近の携帯電話だけど電池残量表示が1本になったので電池を充電しようとはずしたけど、すぐ電話連絡しなければならない要件が有った事を思い出したので、再度電池をつけたら電池残量表示がまた2本に戻っていた。これって不良?
現在の携帯電話のほとんどがリチウムイオンという種類の電池を使っています。
この電池の特徴は使用時間が長く、かつ軽量であることです。(そのかわりちょっと高い。)
その一方で使用中の電圧変動が少なく、最後には一気に電圧が下がる特徴が有ります。
携帯電話の電池残量表示はその電池の電圧変化を見て表示をさせています。
つまりリチウムイオン電池は携帯電話から電池残量が分かりづらい電池なのです。
さて、携帯電話の待ち受け中はその電池の接点を通して電流を供給しています。
この時、その電池内の接点部分の電圧は電源供給をしているため、電池全体の平均電圧より若干低くなっています。
電池を外してしばらく時間が経過すると電池全体の電圧は均等になり、接点部の電圧も若干高くなります。
その為、電池を装着すると、その電圧上昇の為2本表示されます。
この場合、しばらくは2本表示してもしばらくするとすぐ1本になってしまいます。
また、通話時は大量の電流が流れるため電圧が下がり(オームの法則)電池残量表示は一気に下がりますので電池残量が下がる場合が有りますが通話終了時には元に戻りますので心配いりません。
Q12.この間、通話してたらだんだん声が聞きづらく(声が途切れだす。)なっていって最後には切れてしまった。どうして?
前に携帯電話は通話時に基地局間でチャンネル切り替え(ハンドオーバー)をしている事を書きました。
このハンドオーバーおこなうについて基地局のエリアというものが存在します。
基地局は交換局によって制御されそのエリア内の場合は交換局で端末のハンドオーバーを制御しています。
この場合、エリアの切り替わる場所でトラブルが発生します。
たとえば端末がAというエリアの端に有ってちょっと離れた位置にはBというエリアの基地局があるとします。
端末はAエリアの一番近い基地局と交信しています。
しかしAエリアの現在交信中の基地局からの電波が弱くなったとします。
その為、携帯電話はもっと良く交信出来る基地局を探そうと基地局の切り替えをしようとします。
しかしAエリア間の基地局でしかハンドオーバーが出来ない為遠い基地局に切り替えてしまいます。
またそこも電波が弱く、次の基地局、基地局と切り替えてだんだん途切れ出し最後は切れてしまう現象がおきます。
もしこの時、となりのBエリアの基地局の電波が端末に届けば端末はBエリアの基地局に位置登録の要求をしますのでBエリアの基地局にハンドオーバーされ通話は切断されません。
Q13.同じ携帯電話(形式もいっしょ)を友人のと自分のと2台並べているんだけど、友人のものは3本アンテナマークが振れているのに、自分のは1本しか振れない。どうして?
同じ場所に置いてあるからといって、その2台が同じ基地局の電測表示をしているとは限りません。
おそらくその2台はそれぞれ違う基地局からの電波の状態を表示しているのでしょう。
2人がどういう経路を移動してその場所に来たかによって異なる基地局の電波表示をしている事が有ります。
実際には通話時の接続チャンネルは基地局側で決定していますのでアンテナマークは目安と割り切った方が良いです。
また電波は波の性質を持っていますのでちょっと位置をずらしてもアンテナマーク表示は大きく変動します。
ただ、いつでもどこでも振れが少ないとなれば、端末の感度不良の可能性も有りますのでショップに行って見てもらいましょう。
Q14.P206に機種変更したんだけど、なんだかひょこひょこアンテナマークが上下して安定しない。いっしょに買った友人のD206は同じ場所でも安定している。どうして?
この現象は複数の基地局からの電波がある場合に、より強い電波の基地局からの電測表示に頻繁に切り替えているからだと思います。
その為アンテナマークの振れの激しい上下動が発生していると思われます。
おそらく、弱電地域でも常に受けられる電波を探し圏外マークを出づらくする為にこういう設定にしていると思われます。
最近の機種ではPとNシリーズがこの傾向が強いようです。
逆にDやFシリーズはいったん掴んだ基地局の表示をなかなか切り替えないようで、アンテナマークの上下動が少ないようです。
その為、この傾向の有る機種はPシリーズなどでようやく圏内になるような弱電地域では圏外表示になってしまうケースが有るようです。
このような場所ではちょっと損した気分に為りますが、Pでも安定して通話出来るケースは少なく激しく途切れたり、切断したりしやすくなります。
Q15.しばらく使用していなかった携帯電話に新規登録してもらおうと充電したらまったく充電ランプがつかない。壊れちゃったのかな?
現在のリチウムイオン電池は各種保護回路が付いていますので電池が完全放電してしまっている場合は電池に負担がかかるのですぐフル充電せず、しばらくは微弱充電をして一定電圧になってからフル充電を開始します。
その為、こういった症状の場合はそのまま数分から数十分充電器に乗せたままにして下さい。
本体・電池に問題が無ければ充電ランプが点き問題無く充電出来ます。
Q16.今、ドコモの携帯電話を使っているんだけどJ−PHONEとかIDOとか使っている友人と通話するとすごく聞き取りにくい。相手も聞き取りにくいと言っている。
ドコモを使っている友人との会話だと、特に問題ないんだけど。どうしてだろう?
まずドコモ同士の通話の場合、まず送信側端末で音声をデジタルに圧縮符号化して相手側の端末までそのまま送信され相手側端末で逆の作業を経て元の音声信号に戻ります。
(コーデックスルーと言います。)
次にドコモと他キャリア間の通話の場合ですと、ドコモの回線から他キャリアに信号を受け渡す際にいったん音声信号(アナログ)に戻してから受け渡されますのでこの段階で音声品質が劣化してしまいます。
その音声信号を受け渡した他キャリアでもまた同様な行程(その事業者によってフル、ハーフの選択は違うようです。)を経て相手端末で音声信号になりますので更に音声品質が悪化してしまいます。
つまりドコモと他キャリア間の通話の場合は2回圧縮・復元をしている為に更に音声信号が劣化してしまうのです。
ドコモ−J−PHONE間ではハーフレートコーデックスルーが開始され初めています。
Q.17 アンテナマークが1〜2本しか立たない状態だったので「ここ感度悪いんだな。」と思っていたら友人から電話がかかってきた瞬間突然3本表示になって通話中はずっと安定していた。逆に3本安定して振れていたんだけど着信したら突然1本になった事も有る。なんで?
待受時にアンテナマークを表示させている基地局に着信時に必ず接続される訳では有りません。
実際には端末からの応答電波(基地局からの呼び出しに呼応して発信される。)により網側で接続させる基地局の空きチャンネルを端末に指示する仕組みになっています。
ここで問題なのが網側から指示を出す基地局と端末側で電測していた基地局が異なっている場合が有るのです。
端末側で良い受信状態の基地局(下り電波の状態)と網側で受信状態の良い基地局(上り電波の状態)は必ずしも一致しないケースが有るのです。
あくまでも網側が主体に接続先基地局の空きチャンネルを指示しますのでこういうケースが発生します。
それ以外にも電測している基地局が輻輳状態の場合に違う基地局と接続されるケースも有ります。
また、端末が電測表示が必ずしも一番強く受信出来る電波表示では無い場合が有ります。
端末はいったん基地局の電波を電測するとその電波より一定以上強い電波が電測されるまで表示を切り替えません。
その為、特に移動中ですと遠くの基地局からの電測表示をいつまでも切り替えず引きずって表示している場合が有ります。
結果、着信したとたん違う基地局に接続されて電測表示が切り替わりますのでアンテナマークが3本振れます。
この端末側の待受時の電測表示を切り替えるプログラムの違いがメーカーによって有るようです。
これが下手ですとたとえ受信感度が高くてもアンテナマークが振れにくくあたかも受信感度が悪いように見えてしまいます。
また、あまり受信感度が高いと遠くの基地局からの電波も受信出来てしまいますのでいつまでも表示切り替えをしない悪循環になるケースが有るようです。
この切り替えを頻繁にする端末は複数の基地局の電波を受けると頻繁に表示を切り替えてしまい電測表示が不安定になるようです。
このような場所で長時間使用していると表示切り替えの為の電測が頻繁に必要になり電池の消耗が激しくなるケースも有るようです。