今人類は大きな帰路にたたされているのは事実だろう。
大きな問題をいくつもかかえている。
地球温暖化をはじめフロンによるオゾンホールの拡大、途上国の人口増加問題や
核拡散問題。
地球の砂漠化や森林の破壊問題。
このすべては解決のめどがたっていない。
いったい次の世紀をはたして人類はむかえられるのだろうか?
この多くは国連を中心に各国で話し合いが始まっているが各国の利権がからみ根本的な
解決方法が見つかっていない。
地球温暖化においてはCO2の削減が問題になるが先進国は現在の生活水準を落とす
事は出来ないと主張し途上国は先進国が環境を破壊したのに自国のこれからの発展に
規制がかかるのはおかしいという。
核削減については先進国は核による抑止力が低下するから削減出来ないと主張し途上国は
国際的な発言力をもつためには核の所有が必要と言う。
ここで問題なのは「国」と言う単位で考えている限り解決策は見つからないと言うことだ。
何がこのような現実をもたらしたのだろう?
中世には神が人類を支配していた。
その後人類は科学と言う完全無敵と思われる武器を手にした。
ニュートンが万有引力に気づいた時から科学によりすべての物理現象は予測可能で有り
もう神などは必要無いと思われた。
科学はその後数多くの便利を人類にもたらした。
自動車、飛行機、テレビ、エアコン、電話、パソコン・・・ETC。
ここ100年で人類はとてつもない発展をしてきたのだ。
しかし世紀末を迎えるここにきて上記のようなさまざまな大問題が露見したのである。
科学による人類のこれ以上の発展の欲望に地球が絶えられないのだ。
科学は万能ではなかったのだ。
それではどうすれば良いのだろう?
実は人類にとって一番困難な課題だ。
前にも書いたが「国」と言う単位を超えなければ解決不可能なのだ。
国を越え地球と言う単位で事態を考えなければならない。
国を越えるとはどういう事だろう。
その為には宗教、思想、人種と言う人類の最大ともいえる課題を超えなければならない。
この人類が歴史の中で繰り返してきた怨恨をどうしたら乗り越えられるのだろうか?
宗教の壁、思想の壁を果たして超える事が可能なのだろうか?
それには現在の科学、宗教を超えたまったく新しい価値観が必要なのかもしれない。
最近になって理論物理学者の中から人間の意志を縫合させた新しい物理学の構築が必要
との声が上がっている。
物理現象にも人間の心が関係していると言うのだ。
ブッダが仏教を説いてから2、500年たちイエスがキリスト教を説いてから2、000年たった。
そろそろ人類を動かすような新しい宗教が出現してもおかしくはない。
科学と宗教が相反する時代から融合する時代になる必要があるのだろう。
宇宙がひとつのものなら科学の証明する真実と宗教の証明する真実は同じはずだから。
科学の扱ってきた物質と宗教が扱ってきた人間の心。
この2つが矛盾無く説明された時に新しい人類の指針が見つかるのではないか。
事実仏教では色心不二と言って色(目に見えるものという意味で物質を現す)と心は同じ
ものと説明しているしアインシュタインの特殊相対性理論では物質とエネルギーは
同じもので有る事を証明している。
ここらへんにヒントが有るのかもしれない。
国を越える新しい価値観の創出が来世紀の人類の最大の課題だろう。