アコースティックギターの雑学です。


1.合板と単板の違い。

よく合板(ラミネート)と単板(ソリッド)と言う言葉が出てきますがこれは1枚の材で作成したものが単板で2枚以上の材を薄く重ねて張り合わせて作ったものが合板と言います。
ギターの合板は表面と裏側にカタログ指定の材を使い真ん中に比較的安値の材を挟む3Pのものが一般的です。
合板の場合は中央材を表面材の木目と直角の方向に使います。

単板の場合は一枚板ですので強い力が加わると木目に沿って簡単に割れてしまいます。
合板は単板に比べて木目を直角の方向に挟むので単板のように木目に沿って一気に割れる事がありません。
またコストが高価な材は表裏少ない材で済みますので比較的安く製造可能なメリットがあり単板の場合は1枚の強度の高い高価な材で製造しますので高価になります。
それから合板の場合は単板より強度が強いので薄く製造が出来て、軽く製造可能なメリットもあります。
ただ、木目が直角に挟んであるので、どうしてもお互いに振動が制御されてしまい、良く出来た単板と比較すると一枚板としての振動は劣ります。

アコースティックギターとして音に拘るなら最低限トップは単板のものが良いと思います。
ギターの場合は一番最初に振動する部分はトップですので、まずはここが良く振動しないとギター全体が振動しません。
ただしギブソンのJ−160Eのようにピックアップ内蔵のものやエレアコはハウリング防止の為にあえてトップに合板を採用しているものもあります。

単板のギターは少ない材数で構成されているので良く弾き込まれた単板ギターはギター全体が振動する胴鳴りするものが多いです。
逆にあまり弾き込まれていない単板ギターは例え高価なものでも「あれ!?」っと思うほど鳴らないものもあります。

サイド・バックが合板のギターは複数の材が複雑に振動しますので、良く製造された合板ギターは単板には無い良さがあると思います。
良いと言われる合板ギターは最初から良く鳴っている単体が多くて、あまり当たりはずれが少ないように思います。
これは軽く製造可能な合板のメリットだと思います。

単板だから音が良く合板は悪いとは単純に言えないと思っています。
それぞれ違った個性がありますので・・・。

単板と合板の見分け方ですがトップはホールの縁の部分を見れば分かります。
合板なら3枚の板が重ねられているのが分かります。
バックはホール内部から見た木目と後ろから見た木目が一致しているかどうかを見ます。
ただし、一枚の材を薄くスライスして真ん中に異なった材を挟んでいるギターもありますので、この場合は木目は一致しますので絶対とは言えません。

サイドが一番確認が難しいのですがホールから覗いてサイド部分に縦方向に割れ止めの材(テープ)が一定間隔に入っていればほとんどが単板です。
しかし単板でも割れ止めが無いものもあります。
一番確実なのはエンドピンを外して材の切れ目を見るのが一番です。
合板なら表面と裏側の数ミリがカタログ指定の材で真ん中に異なった材を挟んでいるのが分かります。


2.柾目と板目

ギターの材について良く「柾目」と「板目」と言う言葉を聞かれると思います。
一本の丸太から板として切り出す際の切り出し方の違いで「柾目」と「板目」は分かれます。
「柾目」の場合は材の中央部分から同心円上に切り出します。
「板目」の場合は「柾目」とは異なり中心からずれて切り出されます。
「柾目」の場合は材の半径のサイズしか切り出せないのでギターのバック材に使用する場合には大きな丸太材が必要となります。
また年輪の成長方向沿って切り出されますので目が揃った木目となります。
「板目」の場合は中心からずれて切り出されるので小さな丸太でも比較的大きな材として取れます。
ただし年輪の成長の方向に対して斜め方向に切り出されるので巻いたような独特な木目となります。
当然ですが「板目」に切り出した方が効率良く多くの材を取れますが「柾目」の場合は効率と言う意味では悪くなります。

良く「柾目」と「板目」のどちらがギター用の材として優れているか?と話題となります。
一般論としては「柾目」の場合は年輪の成長方向に沿って切り出されるので材の収縮率が均等で経年変化で材全体が反ってしまうような事が少ない利点があります。
「板目」の場合は材の収縮方向が丸太の中心部分から同心円上に収縮するので場所によって方向が異なり経年変化で反りやすい傾向があります。
ですので強度が弱くなる「単板」として使用する場合には「柾目」で使用されるケースが多く強度の強い「合板」として使用する場合は「板目」で使用されるケースが多いようです。

単純に強度だけで考えれば「柾目の方が優れている」と言えますが「板目」の場合は経年変化ほ痩せによる微妙な木目による微妙な表面の段差が音に深みを出す場合もあり、「音」と言う意味ではどちらが良いか悪いかは言えないと思っています。
ただし、材の均一性が安定している「柾目」の方が「一定の品質のギターを製造しやすい材」とは言えると思います。
「板目」の場合はその木目による材の個性の違いを見極めて、それを生かすだけのビルダーの経験と技術が必要だと思います。
まあ、名前の通ったきちんとしたメーカーの製造したギターなら、あまり気にする必要はないかな?と個人的には思っています。





3.AJとSQネック

外部にネック調整のアジャスタブル機能のあるものをAJ、無いものをSQ(スクエアロッド)と言います。
どちらもネック内部にはネックの反りを防止する為に金属のロッドが入っていますがSQは反らない事を前提にした太いロッドが入っています。(戦中は物資不足でロッドの無いギターが存在したようです。)
逆にAJは反っても外部から調整可能な設計と言うものです。

どちらが良いと言うことではなくマーチン社はネック剛性の高いSQの方が音が良く設計可能としてSQを採用していましたが最近のレギュラーモデルはAJになっています。
AJの方が容易に細かい弦高調整が可能でその点では利点です。

AJの調整ですがホール側のものは効きが弱く素人でも慣れれば触れますがヘッド側のものは大変効きが良く調子に乗って回し過ぎるとネックが壊れますのでプロにお願いした方が賢明だと思います。(^^;;
それから順反りの場合にはAJは良く効き、絞めれば弦高が下がり緩めれば上がりますが、逆反りの場合は状態により回す方向が逆になり危険なのでプロのリベアマンにお願いした方が良いです。
SQで反りが発生した場合は長時間熱を加えてネックを少しずつ正常に戻す(熱を加えないで圧だけで補正する方法もあります)アイロンと言う方法や少しずつ指板を削っていって修正する方法がありますのでこれもプロのリベアマンにお願いしましょう。

4.ブレージングについて

ブレージングとはギターの内側でボディの強度を補強する力木の事を言います。
現在のほとんどのギターはマーチンの開発したXブレージングを採用しており、このブレージングの優れているところは2本の少ない力木で強力な補強が可能な一方でトップ材の振動をあまり制御しない事です。
始めはホールのすぐ近くでクロスさせていましたが(フォワードシフト)弦の力が一番かかるブリッジ部分に負担がかかりこの部分が膨らんだりした事から現在は若干ブリッジに近い場所でクロスさせるようになりました。
ビンテージやGEなど音を追求する為によりトップ材の振動を制御しないフォワードシフトを採用するケースがありますが、フォワードシフトさせてもトップ材のブリッジ部分が膨らまない硬い高価なスプルース材が必要となります。
また昔はブレージングによるトップ材の振動を制御させない為にスキャロップと呼ばれるブレージングの形状が採用されていました。
カマボコ型のブレージングの中央を凹のように丸くえぐった形をしておりスキャロップドブレージングと呼ばれています。
現在でもマーチンのD−28シリーズの中ではHD−28にスキャロップドXブレージングを、HD−28VはフォワードシフトとスキャロプドXブレージングの両方を採用しています。
D−45は年代によってノーマルを採用したり、スキャロップを採用したりしていますが、トップの材質によって切り替えているのかな?と創造します。

スキャロップの特徴は低音の振動が得られやすく低音に特徴があります。
ただトップが動きやすい為に張りのある低音と言うより若干、柔らかな独特な低音になります。
一般的な方が思われている前に音がバーンと出る「マーチンの音」とはちょっと異なる音ですので「鳴らないギター」と思われる方もいるかも知れません。
自分は「デンデン」と言う独特なアタック音の入るスキャロップの音は好きです。

スキャロップブレージング








通常のブレージング








また70年代のギブソンJ−45、50にはボディ剛性を高める目的にダブルXブレージングが採用されています。

剛性は高かったようですがトップの振動を制御しすぎたようであまり評判は良くなかったようです。
また、メーカーによってはXを若干左右非対称にして独特な音響効果を狙ったギターもあります。

5.ネックシェイプについて。

一般的に種別するとUタイプとVシェイプ(三角)に種別されます。
Uはなだらかにカーブを描いたものでVは三角形に近いカーブを描いたものです。

どちらのシェイプが良いかはあくまでも好き嫌いの問題になりますがコード弾きが多い弾き語り系の方にはVはバレーコードを押さえやすく向いると思います。
また単音弾きが中心のリード系の方にはどこのポジションにも指の移動がスムーズなUが向いていると思います。

6.弦高について。

弦の高さをみる場合は6弦(一番音の低い弦)の12Fのフレット先端と弦の最下部の隙間の高さを見ます。
一般的にオーダー品の場合はストローク中心のプレイヤーで3.5mm、指弾きや単音弾きのプレイヤーで3mm位に設定されます。
ストローカーなら4mm、指弾き専門なら3mm以下も許容範囲だと思いますが3〜3.5mm位が一般的でしょう。
古いギターの場合はナット(ヘッド側の弦を支えている白い部分)やサドル(本体側の弦を支えている白い部分)を削って無理矢理弦高を下げているものがありますので注意しましょう。
ネックが順反りしていますのでネックのリベアが必要になる可能性が高くこの状態ですと本来の鳴りも得られません。
また、某オークションで「弦高が2.5mmで弾きやすい。」とか記載がありますが低すぎるのもネックが逆反りしていいたり、必要以上にナットやサドルに手が加えられて、本来の音が得られていない可能性が高く注意が必要です。
また、当然ですが弦高は使用する弦のテンションによっても変わりますので注意が必要です。

最近のマーチンは3mm以下とずいぶん低く初期設定されているようです。
現高が低すぎると強くストロークをすると音がビビったり伸びが足りなかったりしますが、それより演奏性を重視する時代の要請なのでしょうが、自分には低すぎます。

7.ネックの反りについて。

ネックの反りはギターの価値と演奏性に大きく影響しますので注意が必要です。
反りには2種類ありネックが手前に反って弦高が高くなる順反りとネックが後ろ側に反る逆反りがあります。
一番簡単な確認方法ですがギターの一番下からギターのトップ部分を平行にするように見てその平面よりネックが上に出ていれば順反り、ネックが平面より沈んでいれば逆反りです。
それから1Fと最終Fを押さえて弦を弾いて、きちんと音が出てさらに弦の中央部分に目視で見えない程度の隙間がある状態がベストです。
よく反りを防止するのに演奏しない時は弦を緩める事が言われますがこれも自分は微妙だと思います。
ギターは基本的に弦を張っていても反らないように設計していますので、あまり緩めるとギターによっては逆反りの原因となります。
マーチンのSQやSヤイリの分厚いネックのものはライトゲージ位なら貼りっぱなしか半音程度音を下げる程度で充分だと思います。
ギブソンやオベーション等ネックの弱い傾向のものは全音程度下げておいた方が良いと思います。

ギターは頻繁に弾いていれば演奏する事によりネックに上下の力が加わってネックが微妙に動くので反りの発生は少ないです。
ただし、長期間演奏しない場合には、ネックに一定方向に力が加わり続けるのでネックは反ってしまいますので注意が必要です。
頻繁に演奏しているギターでネックの強度が強いギターならば、弦を頻繁に緩めたり、張ったりを繰り返すとロッドが金属疲労を起こす可能性もありますので注意が必要です。
最低限ミディアムゲージ以上を貼りっぱなしにしたり弦を張らずに長期間放置する事は避けてください。

8.塗装の仕上げについて。

一般的にギターの仕上げ塗装にはラッカー仕上げとポリエステル(ウレタン)仕上げのものがあります。
ポリ仕上げ(一番下がポリで、その上にラッカーで重ねる)ものは経年変化で塗装面が白濁化しやすい欠点があります。
色々な原因が囁かれていますが、個人的には材の油脂の多いハカランダに多く発生していますので当時のポリ材が油脂と化学反応を起こして白濁しているように思います。

一部バイオリンで使用されるニス仕上げもありますが手間がかかりラッカーが登場してからあまり使われなくなっています。

ポリエステルは取り扱いが容易で非常に硬い特徴を持っておりギターの仕上げ材として多く採用されていますがその堅さが災いしてギターの振動を抑制してしまう欠点があります。
すべてをポリで塗装するケースと下地に薄くポリで塗装して、その上からラッカー仕上げしているギターも多いです。

ラッカーは弱く何重にも重ねて塗装する必要があり手間がかかる一方でギターの振動を抑制しない利点があり高価なギターは大抵ラッカー仕上げになっています。
ラッカー仕上げの場合、年数を重ねるとトップによく塗装面の細かいヒビ(ウエザーチェックと言う)が発生しますが良く鳴るギターの象徴のようなものです。

9.早く新しいギターを鳴るようにする方法。

特にオール単板の新しいギターは最初はあまり鳴りません。
毎日弾き込めば数年後には鳴るようになりますが一般的な方は毎日弾く事はプロ以外は実際に無理だと思います。
そこでKヤイリのHPにも紹介されている方法をお教えしましょう。
ステレオでロック系の音楽をある程度大きな音で繰り返し鳴らしてスピーカー前にギターを置いておく方法です。
これによりギターが振動して実際に弾いている状態と同じ効果が得られます。


0.本当に最近のマーチンは鳴らないのか?(考察)
最近、良くこのような疑問を感じている方が多いように思います。
自分は「確かにビンテージと比較すれば鳴らなくなっているのは本当、でも鳴らないギターではない。」と思っています。
マーチンのD−28を見てみると確かに年代を追って材は厚くなり、ブレージングは太くなり、更に塗装は厚くなっています。
特に70年位を境にして強度を高めているように思います。
60年以前のマーチンはハカランダを使用しているから音が良いと思われている方が多いと思いますが、この年代のものは自分はギターとしては強度不足だったのだと思っています。

「強度」と「鳴り」は基本的にトレード・オフの関係にありますので、おそらくはこの年代のマーチンは最初から今の単体よりも鳴っていたように想像します。
実際にこの年代のものはマーチン・クラックと言う塗装の割れやトップの膨らみ、クラックなど、その後にリベアが必要だった個体が多かったように思います。
たぶんクレームが多かったのでしょう、それを反省してマーチン社はその後、強度を上げていったのだと思います。
それと同時に少しでも鳴りが良くなるように細かい設定の見直しを繰り返して、それに気づかれないようにしていったのだと想像します。
マーチンの基本にあるのは「数十年、パートナーとして使用し続けられるギター」であり強度は際重要だと考えているのだと思います。
そう言う意味では「最近のマーチンは鳴らない。」と言えるかも知れません。
しかしマーチンは一定の品質は保っており、多くの方が「鳴らない。」と感じる理由は別にあると思います。
それは個人制作のものを含めて「最初から鳴るような新興メーカーが多くなった。」からだと思います。
これはギターに対する時代の要請の変化だと思います。
最近のアーティストの多くはマーチンのように数十年もパートナーとして使い続ける「最初は鳴らないギター」よりも即実戦で使える「最初から鳴るギター」を選ぶ傾向が強くなったからだと思います。
ですので最近の若いギターメーカーの多くが「最初から鳴るギター」を作っているように思います。
そのためレギュラーのほとんどがノン・スキャロップで充分な強度を考えて制作されている今のマーチンは他社との比較の世界で「鳴らない!」と言う印象が強くなっているのだと思います。
その長い歴史が作った「数十年、世代を越えて使用可能なマーチンギター」と言う信頼が今のマーチンのジレンマになっているように思います。
最近マーチン社はビンテージやGEなど「最初から鳴るギター」も作るようになっているようですが、自分は疑問を感じています。
レギュラーのマーチンのノン・スキャロップの音の方が好みです。


11.D−28とD−45の音造りの違い(考察)
マーチンの場合は基本的なブレージング構造はマーチンが公表しているようにどのモデルも同じです。
しかしながらD−28とD−45には明確な音作りに差があると思います。
D−28は6弦の音がはっきりしていて低音が強く「胴鳴りするギター」、D−45は倍音が多くて「鈴を鳴らしたようなギター」だと思います。
さて、どのようにして音分けしているのか自分なりの考察です、あてにはなりませんが・・・。 (汗)
まずは当然ですが材のグレードの違いによる響き方の違いだと思います。
「綺麗に感じる音」には多くの倍音が含まれていますのでグレードの高い材で製造されたギターは材の種類と個性にもよりますが傾向として「倍音の豊富なギター」となります。

それからたぶんですが材の厚さによる重量コントロールも大きいのでは?と思っています。
D−28は材を薄くして軽く製造してギター全体が振動するような「胴鳴り」するタイプのギターで、D−45は材を厚くして(厚くしても鳴る良質を使用)振動を外に逃がさずにギターの内側に集中させる事により、サウンド・ホールから倍音の多い音を出しているのだと思います。
D−28は軽くてギター全体が箱鳴りしますので振動が身体に伝わって演奏していて気持ちが良いギターだと思います。
年代がさかのぼる程、この傾向が強くなると思います。
D−45は重くて箱鳴りはしませんが、ギター外部に振動を逃がさずに内部に音を集めてサウンド・ホールから強烈な倍音がでるギターとなっていると思います。
重いボディを振動させるには凄く良いトップ材が必要ですし材も厚めに使用するのでD−45はどうしても高価になるのだと思います。
また、年代によっては良いトップが入手出来ないとトップのブレージングをスキャロップさせて補っているように思います。
とても軽いD−45か、凄く重いD−28をお持ちの方がいらっしゃいましたら連絡お願いします、この考察は破棄しますので・・・。 (笑)

12.材について。

ギターのサイド・バック材によって独特な音の特徴があり簡単に紹介します。

ハカランダ(ブラジリアンローズウッド)

この材は現在ワシントン条約により輸出入が禁止されているので現在は、どの製造メーカーも古くから持っている在庫から少量生産されているのみ。
音質は乾いた比較的冷たくて若干金属的な音が特徴。
材としては比重等、インド・ローズウッドと近く似た音質。
板目に切られたものは木目がダイナミックで見た目が美しく、柾目でかつローズウッドのようにまっすぐな木目のものが高級とされているようです。
マーチンでハカランダを使用したレギュラーモデルは60年代までしか使われず目が飛び出るような価格で取引されている。

ローズウッド(インディアンローズウッド)

ギターの材としては最近はごくポピュラーで良く使われている材。
まっすぐに平行に走る正目の木目が特徴。          
音はハカランダに近く重い重厚な音質で艶やかさがある。
マーチンのドレットノートでもD−28・35・41・45と現在のほとんどがこの材を使用。
個人的には、材の均一性では現在ではハカランダより安定した材ではないかと思っています。

指板としても比較的使われるが硬く高価なエボニー(黒檀)が高級機に採用されローズウッドは廉価機に採用される場合が多い。

コーラルローズウッド

ローズウッドより赤みのつよい材質。
目鼻立ちのはっきりした音質が特徴。
ローズウッドの代替え的な材質。

シャムガキ

非常に黒っぱい材で比重が重く重厚な音質が特徴。
ローズウッドの代替えとして使われたが最近はほとんど見なくなっている。

ニュー・ハカランダ

これもローズウッドの代替え的な材で比較的木目が強くハカランダに似ているのでこの名前が付いた模様。
正式な名称はホンジュラス・ローズウッド。
材としてはハカランダとは別ものですがハカランダに似た堅めの音質で自分は良い材だと思います。

マホガニー

ローズウッドと共にギターの材としては良く使われる材。
ローズウッドと比較すると値段が安いので廉価モデルに良く使われるが立ち上がりの早い軽快な音質はローズウッド系には無い独特な魅力がある。
マーチンのD−18やギブソンのJ−45、50・ハミングバードが代表的なマホガニーの音質。
一般的にホンジュラス地方で採取されるものが最良と言われている。
ネック材としてもこの材が多く採用されている。

メイプル

大変硬い材で全体的に硬い音質。
独特な眼を持ち見た目的にも非常に綺麗な材。
ギブソンのDOVEやJ−200がこの材を使った代表的なギター。