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official::終期

これは1995年ごろに書いた古いレビューです。順次置き換えます。

注意:これは大学生当事に、買い足しながら書き足したもの。2回聞いただけの初期印象で「好きじゃない」とか書いちゃったりしてるんで、今の感想とは違う。とくに初期作品が不当に低く評価している…

書き直したいと思ったため消していたが、ちっとも時間が取れないので、誤解を受けるかもしれないが、再公開。

マザーズ期(1)マザーズ期(2)変革期安定期終期死後

Francesco Zappa

November 1984

ザッパの曲ではなく、バロック時代に本当にいたというフランチェスコ・ザッパの作品を、シンクラヴィアに打ち込んだもの。

で、これは明らかに駄作です。作曲うんぬんより、編曲のレベルが低いです。音色も、バランスもひどい。わざとかも知れないけれど、ほとんどの物が「楽譜をそのまま打ち込んだだけ」の表現力のない物だと思います。

単に時代的にコンピュータがそんな程度だったのかなあ。これなら私の持っている安いMIDIシーケンサの方が表現力が高いよ。ホントに。


FZ Meets The Mothers Of Prevention

November 1985

バンド演奏とシンクラヴィアによる作品が半々。たいていの曲が、現代音楽+テクノといった雰囲気を持っている。

まず、バンド演奏に関して。[The Man From Utopia]のMoggioのころから感じていてが、はっきり言って1982年以降のZappaのスタジオ録音は聞きにくい。同じ曲のYCNDTOSシリーズと聞き比べると、スタジオものからは半分の魅力も感じない。

次に、シンクラヴィアものに関して。このアルバム以前のシンクラヴィアものは、 Zappaが使いこなしていなかったのか、ハード的に能力が足りなかったのか、あまり表現力豊かではない。

しかし、このアルバムからは、(たんに好みの問題だが)聞ける作品が増えていく。Aerobics In BondageとLittle Beige Samboがなかなかよろしい。圧倒的なメロディと繊細なリズムが押し寄せてくる。

ただ、ドラムの音が派手すぎる、ベロシティの高揚が少ない、音色にもっと色が欲しいなど、「これをバンドでやったら更によいだろうに」と思うところもあります。

特筆。What's New In Baltimore? の後半のギターソロは掛け値無く美しい。そこだけが「大傑作」。


(この頃ザッパはライブ活動を休止している。)


Does Humor Belong In Music? 

January 1986

ギターとドラムの音色が荒々しい、そういう意味では派手な作品。それに比べると、ヴォーカル周りが弱い。

Let's Move To Celevelandのキーボードソロ周りとギターソロはすばらしい。エレドラのソロはダメ。後は並。


Jazz From Hell

November 1986

St. Etienneは繊細な大変に美しいギターインスト。これは必聴だと思います。

それ以外はシンクラヴィアもの。シンクラヴィアものの感触は、大体「検閲の母」と同じです。

ただ、The Beltway Banditsは傑作です。恐ろしいほど美しい不協和音が繊細に流れていきます。ドラムトラックを取り払ってしまってもよかったのでは? 

G-Spot Tornadoは、後にアンサンブル・モデルンによって再演されますが、明らかにシンクラヴィアの方が魅力的だと思います。この曲は、あのきっついドラムと、怪しい雄たけびのサンプリングによるメロディと、硬い堅いクラビネットが不可欠です。


London Symphony Orchestra vol 2

September 1987

未聴。シンクラヴィア作品を「無機質で聴く気がしない」とけなす人々を黙らせるためにリリースされたらしい。現在ではLSO1&2として売られている。


Guitar

April 1988

「黙ってギターを弾いてくれ(ザ・ギタリスト・パ)」に続くギターソロアルバム。邦題「ザッパのギタッパ指運法」。でも、こっちは別に聴かなくてもよいかも知れない(ちょっと言い過ぎか? )。

バック演奏の充実度やリフの新鮮さがほとんど無い。「奇跡のような変拍子」はない。「バンドのザッパの恐るべき融合」もほとんどない。ザッパのギターもそれほど…。

でも、「Were We Ever Really Safe In San Antonio? 」は好きだ。Once Again, Without The Netのバッキングもすばらしい。元曲(タイトルが全く異なるが、それぞれ「おぼれる魔女の後半」と「andy」が元曲)自体が好きだからか? 


You Can't Do That On Stage Anymore vol 1

May 1988

ザッパ入魂のライブ版シリーズ。

(2006年4月1日追記)

シリーズについて

「ほとんどすべてのステージをポータブルテープに録音している男」ザッパのこだわりの8基準をクリアしたものだけを並べた(CDにそう書いてある)理想のライブステージ仕立てのアルバム。

各アルバムは年代も場所もメンバーも様々なライブステージからの様々なテイクが「オーバーダビング無し、ただし編集あり」で並べられている。

編集とは、たとえば長すぎたソロをカットするとか、違う日付のテイクのよいところだけをくっつけるとか、部分分解して実際のステージとは異なる構成の曲に化けさせるとか、そもそも別の曲として演奏されていたものをひとつにまとめるとかである。

この手法は、ザッパの普段のアルバムでも遺憾なく発揮されているもの。これほどの処理をしていながら、聞いた時になんの違和感もない作品を作り上げるところがザッパの魅力のひとつ。この事実により、「作曲:コンポース」とはもともと構成構築を指す言葉だということをた強く思い知らされる。

おっと、こんな事を書いてしまったが、どんな編集がなされているのかは、実際にはわからないよ(無責任…)。

vol1について

初期マザーズから'84年バンドまで幅広くバランスよく並べられている。演奏の質も歌もギターソロもかなりよい。

だがしかし、1曲目が空港ロビーでの会話録音。2曲目はflo&eddi期のハンパなおしゃべり。3曲目はsofaのテイクで私は好きだが、だがしかし、この3曲のイントロが本シリーズを象徴しているとは とても思えず。あえていえば、「ただのライブ版とは趣きが違うのですよ」と印象付けるにはよいのかな。

4曲目[The Mammy Anthem]は、thing fishでは歌だったが、ギターインスト+ソロになっている。ハードでかっこいい。個人的にはここを幕開けと考えるようにしている。

1-13[Big Swifty]はジャズフュージョン風にまとめ直されている。11拍子にのるジョージデュークのシンセソロが綺麗。

1枚目のラストは[Don't Eat The Yellow Snow]メドレー。[Nanook]部分でダンスコンテストをやるので おしゃべりが長いが、演奏そのものはとてもよい。[St. Alfonzo]以降のキメ部のカッコよさは絶品。ラストは未発表の歌モノ(どことなくthing fish時期っぽい)。

2-02[Torture Never Stops]のソロは見事。Rat Tomego(Sheik Yerbouti収録)と同方向で、さらに発展させた感じ。2-04[Zomby]08[Deathless Horsie]12[Suicide Chump]と、どれもギターソロが好き。


You Can't Do That On Stage Anymore vol 2

October 1988

1974年ヘルシンキでの伝説のステージをまるまる納めたアルバム。音楽的には、「ロキシー」と「ワンサイズ」とを足した感じ。バンドは「ワンサイズ」と同じ。個人的には、N.M.Bのヴォーカルの出来がすばらしいと思う。

このアルバムの「モンタナ」のテイクは、ザッパ作品史上1・2を争う、すばらしいロックパフォーマンスだと思います。始まるまでの客席とバンドとの楽しいかけひき、ザッパのカリスマ的な、すばらしいブルースおしゃべりヴォーカルもさることながら、そのギターソロも鬼気迫るもの。

(ただ、最近このアルバムは、他のon stageに比べて好きじゃない。)


Broadway The Hard Way

October 1988

'88年の「久しぶりの」ロック編成ライブからのステージ。

内容は楽しいロック/ポップ/ブルース。至る所で、誰もが知っている曲(オールディーズやCMクラシックなど)のフレーズが埋め込まれている。ザッパの変幻自在で自然な構成手法を、惜しみなくライブで発揮した一枚。サックス部隊の働き大。

一曲スティングが歌を歌っている。

音楽からはずれてしまうが、このアルバム/ツアーはアメリカ大統領選挙を強く意識しており、歌詞は「政治に目を向けなきゃいけない」「政治家の都合で国を動かされてはいけない」という真摯なメッセージが現れる。

ザッパはこのツアーで何百万人(よくわからない、失礼)の人に有権者選挙登録を行わせた。彼は本気だったのだ。


You Can't Do That On Stage Anymore vol 3

November 1989

主に1984年のステージからの逸品。アイク・ウィリスとレイ・ホワイトの2人がそろっていると、ボーカルが大変充実して気持ちよい。「Honey, Don't You Want A Man Like Me? 」は傑出の作品だ。

また、[おぼれる魔女(を助けるには遅すぎた船)]のギターソロ部分がすばらしい。

さて、特筆すべきは、何といっても「Zoot Allures」です。その極端にゆっくりの重いビートに乗った「ほとんど白球だけの」テーマは、まったくメロディが動かないにもかかわらず、どの瞬間も気合をぬくことを許さない、恐ろしいまでの緊張感をはらんでいます。「これを聞いて感動できない人は、音楽を聴くのを辞めたほうがいいでしょう」といいたくなるくらいの名演奏。これが東京公演でのテイクだということに、大変誇りを感じます(へんなお国根性だけれど)。この日のギターソロの部分がテープに残されていないのが残念です。

この曲だけのためにでも、このアルバムを買うべきです。


The Best Band You Never Heard In Your Life

April 1991

'88年バンドによる「旧曲ライヴ」を集めたもので、新曲は無し(おしゃべりジャムが1曲あるけど)で、見慣れないタイトルのものはオールディーズや映画音楽、それからロック(天国への階段など)のカヴァー。ボレロもやっている。

基本的に「旧曲」は、ブックレットにある「初出」アルバムの演奏に徹底的に忠実に演奏されている。事実上、ザッパの考える「ベスト選曲」でもあるのだろう。

「ブロードウェイ」が変幻自在さを見せつけた新曲アルバムなのに対し、こちらは、どこまで行っても一本芯の通った「ザッパのロック」アルバムだ。(ところどころ数小節レゲエをやるけれど。レゲエの上であんなにハードなギターを弾くこともあるまいに…)

これは、いちマニアとしての意見だが、思い切って「初出」と全然違う形で再アレンジされている「'88年バンドならでは」の曲も楽しみたかった。「ロキシー」で旧曲のフレーズに新しいフレーズを加えアレンジをまったく変えて[Son of 〜] [More 〜]として出したものに、「ザッパは常に前に進んでいるんだな」と感銘を受けたからだ。

でも、これはこれでよくできたアルバムなので、それは不当な意見だろう。

なお、一番残念と感じるのは、ザッパのギターソロ時のサウンドが比較的「クリーン」で、歪んでいないことだ。十分「ザッパらしく」歪んでいるのは、1曲目の「Heavy Duty Judy」だけかなあ。残念。


You Can't Do That On Stage Anymore vol 4

June 1991

(2006年4月1日追記)

主に82年・84年の演奏。安定している。

[my guitar]
ファンキーなハードロックバージョンで、他と毛色がかなり違う。
[Evil Prince]
シング・フィッシュのネタを使っているが、同名アルバムに入っている同タイトル曲とは全く別の曲で、ミュージカルっぽいオシャレさを身にまとったロックオペラの佳作。
[The Torture Never Stops Original Version]

初期版。ビーフハーフが唄う、というかがなる。

というと期待するひとが多いと思うが、実際は未完成のワンリフ・ブルースで、歌も形がよくわからず、あんまりオススメできない。

[Booger Man]
ブリブリのJB系ソング。解説でZappaが「この新しいsoul musicは反復ばっかりで楽だな」とチャカしているが、実際はそうでもないのよ(本家JBもこの演奏も)。

Make A Jazz Noise Here

June 1991

'88年バンドによるインスト中心のアルバム。残念ながら、私はこのアルバムは、お勧めしません。タイトルどおり、たぶんJazzを意識しているインプロビゼーションが多いが、ほとんどのソロ(リード)がパッとしない。 (それは、「BigSwifty」の真ん中で、カルメンなどを演奏したら大盛り上がりを見せた」ことに象徴されているような気がする。)

それでも、Black Page New Age Versionのテーマ部は、大変すばらしかった。ピカイチです。Crusin' For Burgersは、中盤のギターソロが特によかった。

そんなところかな。


You Can't Do That On Stage Anymore vol 5

July 1992

(2006年4月1日追記)

1枚目は'68〜'69年のMothers of Inventionの演奏(一曲'65年デビュー前の演奏もある)。

いかにもマザーズらしい楽しいステージで、ブルースロック、ストラヴィンスキー張りの美しい現代音楽、モーツァルトを使ったバレエなどが聴ける。「いたち野郎」で聴ける「ヒィ!」「グゥェェェ!」といった怪音が至る所で聴けるのが個人的にうれしい。

ブルースとしては、01[The Downtown Talent Scout]03[Here Lies Love]がものすごく好き。最初はよくわからなかったけど、今となってはこの渋さがたまらぬ。

1-25[My Guitar]は、本シリーズ唯一の例外のスタジオ版。ファンキーなユレ16。ベース中心で、ワウファズのリードギターが目立つ。【いたち野郎】ともon stage#4とも演奏がまったく違う。singleリリースされたらしいが、細かい日付が分からないので、【いたち野郎】とどっちが先なのか不明。

2枚目は'82年版のバンドによるステージ。安定した演奏で、とても心地よい。ギターもよし、歌もよし、アンサンブルもよし。2-12[The Black Page #2]は、テーマ部もソロ部もかなり好きな出来。


You Can't Do That On Stage Anymore vol 6

July 1992

(2006年4月1日追記)

1枚目はsexにまつわるエピソードを含んだもの。Poodle Lecutureとして、stinkfoot〜Dirty Love〜Magic Fingersがメドレーで演奏される。考えてみれば、全部の歌詞でプードルが登場する。

ただし、性質上 お話ものが多いので、ギターソロなどを求めるひとは要注意。

もうひとつ特筆すべきは、72年バンドによるFarther O'Blivionだろうか。アポストロフィの同曲のもとになる「お話」ジャムだ。このうち、真ん中に30秒ほど入るギターソロがものすごい響きをたてて暴れまくるのがすさまじい。もっと弾いて欲しかった。

2枚目は、恒例だったハロウィンコンサートの模様。84年の音源が多いかな。

[イリノイの浣腸強盗][Black Napkins][Alian Orifice]が大変良かった。この曲のベストテイクであるだけではなく、ザッパ全作品中でも1、2を争ってレベルが高いと思う。これらのためだけでも、このアルバムを買うことをお勧めします。−−[Black Napkins]はマイケルブレッカーが吹いています。

2-13[200 Motels Finale]は、元アルバムのStrictly Genteelの終了後に演奏されるロックジャム。flo&eddi。元も激しくてカッコいいが、こちらのほうが音もよく、荒々しくて気持ちいい。

2-14は[Strictly Genteel]。この曲はZappaが相当こだわっているのか、何度も収録されている。私は元アルバムのボーカル版に勝てる演奏はないと考えている。というかシンセ版もオーケストラ版もインストはいまいちだと思う。その中で、このロック楽器中心の演奏は かなり聴けるほう。−−あくまで個人的評価。


Playground Psychotics

October 1992

フロ&エディ期のライヴ版。半分は、バックステージや映画「200MOTEL」撮影時の会話が収録されている。ジョンレノンが2曲、ヨーコレノンが2曲参加していることで有名(だからどうしたってんだ!)。

「低予算のオーケストラのための音楽」に導かれる、初期版の[Billy The Mountain]を聞く事ができる。「LAから来たバンド」のものより引用が少なく、演奏も所々息があっていない部分があるが、音はこちらの方が太くて気持ちよい。

でも、私はこのアルバムを聞かない。聞くところがほとんどない。

一応言及しておくと、ジョンが歌うのはブリブリのブルースロックです。ヨーコはキチガイじみた金切り声の前衛音楽を披露します。どちらも、たいして聞く価値はないはずです。


Ahead Of Their Time

April 1993

'69年Mothers of Inventionによるステージ。

前半はBBCオーケストラからの14人と競演する「バレエ」で、後に「Bogus Pomp」と呼ばれるものの初出。大変美しい部分がある。でも、よくわからない部分もある。でも、大変美しい部分がある。(しつこい? )

後半はマザーズのみに戻り、インストゥルメンタル中心のメドレー。King Kongのテーマ部分と、「オレンジ州、トラックにガラクタを詰め込む」が聴きもの。


The Yellow Shark

December 1993

Ensemble Modernという室内楽団によるザッパのコンサート。現代音楽/映画音楽/前衛音楽の1枚。

やはり、あまりメロディーにハーモニーがないきらいがある。わたしは「適当に弾いて適当に編集してもこうなるんじゃないの? 」的な音楽は苦手なので、(適当にひいてはそうならないことは分かっているけれど)そのたぐいの曲はとばして聴いている(失礼な!)。





マザーズ期(1)マザーズ期(2)変革期安定期終期死後


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