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official::変革期

これは1995年ごろに書いた古いレビューです。順次置き換えます。

注意:これは大学生当事に、買い足しながら書き足したもの。2回聞いただけの初期印象で「好きじゃない」とか書いちゃったりしてるんで、今の感想とは違う。とくに初期作品が不当に低く評価している…

書き直したいと思ったため消していたが、ちっとも時間が取れないので、誤解を受けるかもしれないが、再公開。

マザーズ期(1)マザーズ期(2)変革期安定期終期死後

Waka/Jawaka

July 1972

[Big Swifty]は、印象深い複雑なテーマのあとに各各がすばらしいインプロを繰り広げるという、ジャズのような曲。[Your Mouth]は充実したブルース歌もの。カントリー&jazz風味の[〜One Shot Deal]では、(ザッパのではありませんが)すばらしいスライドギターが聴けます。[Waka/Jawaka]は、映画で「かろやかに空を飛ぶシーン」のBGMとしてかかりそうな、軽快なインスト曲。

基本的には管中心の音楽で、少人数バンドですが、贅沢なオーバーダビングがなされており、とてもゴージャスな音づくりになっています。ロックのひともジャズのひとにもクラシックのひとにも、ぜひ試してみてほしい一品です。


The Grand Wazoo

November 1972

バンド的には前作に多少メンバーが加わったものですが、このアルバムは基本的にオーバーダビングが無く、個人的には物足りない音づくりです。とくに表題曲は長すぎてダレる。だが、ラストの2曲(eat that question、Blessed Relief)は文句なく素晴らしい。

ジャケットと附属のストーリーは抜群。

「5万のリードギターと5万のリズムギター、1万のベースと5万のドラムス、そして各セクション数万ずつのブラス部隊によるビッグバンドと、同じような人数の管弦楽団が繰り広げる幻想的な音楽戦争。」

「ただ、決定的に2者を分けているのは、後者には10万の混声リードボーカルと20万の女性バックコーラス部隊がついているという点だった。」

Eat that questionの最後で繰り広げられるテーマ再現部の美しさは絶品である。さらに、この曲のもつ物語性はすばらしい。この厚く、かつ複雑な和音のホーンの響きを聞けば、どちらの軍が勝ったのかは瞭然だろう。


Over-Nite Sensation

September 1973

ちょうどoverniteのころから、zappaはブラックミュージック、とくにJBファンクに興味津々だったようで。それでジョージデュークとナポレオンを呼んだわけですが、overniteでは味付け程度だったのに、aposとone sizeではファンクロック路線が完全に消化されきっていて、実に自然で驚きます。ブルースはそれ以前もいつも演奏してましたが、このころから深みが増えた気がします。

多くの曲でザッパ本人がリードヴォーカルを取っています。低音語りが魅力的だったり、ひょうげたボーカルがキュートだったり。本作ではまだちょっと唄がヘタな面もありますが…でも[slime]スタジオ版ひさびさに聴いて、こんなに渋かったかと驚く。[dinah-moe]なんざ初めて聞いたときは楽しさちっとも分からなかったが、いまはこの質のよいお喋りにハマる。

[camerillo]のホーンの気持ちよさは凄いなあ。その他、バラエティに富んだ、すばらしいアルバムだこと。

ギターソロの響きもフレーズもいい。[50:50]とかもう最高。[zomby]なんか泣きそう。伴奏のファンキーフレイヴァーとハードさの融合、ソロのはじけ具合。たまらぬ。

このあたりから、ギターソロをフィーチャーする時間が長くなります。演奏の充実度も高い。


思えば、初めて買った版の(旧版ryko)のapos+overnite 2in1のCDは、音が悪すぎた。あのときはよさの半分も分からなかった…

同じ理由で、【money/lumpy】はいまだ真価を分かってないかもしれない。そのうち1枚もの(リマスター版)を買わねば。


Apostrophe(`)

March 1974

ファンクとジャイブと「いわゆるプログレッシブロック」を綺麗にブレンドしたというイメージを(私は)受けた作品。前半のメドレーのなめらかさと、作曲センス、歌の合いの手(? )オブリガードのすばらしいハーモニーには、大変畏怖を覚えたものです。

yellow snow suite、まさしくzappaの代表曲の1つと言えよう。リズム変幻自在、楽曲ジャンル変化しまくりでジャイブ・ブルースからサルサ・ファンクまで。それでいてポップ。もっとも1つとか5つとかに絞りきれないけど。

[cosmic debris]のティナターナーを含めた全員の音の黒さに痺れるですよ。白人中心なのに、よくここまでやれるものだ。zappaのボーカルの渋さもいい。私のdiary envelopeもここまでのレベルで喋れればなあ。

aposはかなり意図的に、1曲中に同じテンポでビートを変える実験をしてますね。[yellow snow]の倍テンポとか、[cosmic debris]の3連4拍子から2連6拍子への転換とか。こんなにリズムをイジっているのに、1曲として結合性が高いのはすごいです。

このアルバムのわかりやすさはすばらしい。ザッパを聴きはじめたころに、試してみてください。


Roxy And Elsewhere

September 1974

よくできたライブ版です。ブラス部隊(といっても4人いたっけ? )によるぶりぶりのブルースとロックが聴けます。やっぱり「延々と続くリフの上でおしゃべり」曲もありますが(今回はファンクのリフでおしゃべり)。

一見複雑なインスト曲も登場しますが、実は構成的にはすっきりしていて聞き手を突き放すものではありません。だが、逆にそのせいで物足りなかったりして…

最大の難点は、Zappaのギターの音が趣味に合わない点だ。クリアー目のSGに、おかしなトレモロBOXが被せてあるようで、ブヨブヨした感じ。気持ち悪いです。

私は同じような曲目を収録したこの半年後のステージ[You Can Not Do That On Stage Anymore Vol.2]いわゆる「ヘルシンキ・ステージ」の方を、より強くおすすめします。


One Size Fits All

June 1975

「ザッパのプログレ」が突然(? )あまりに強く開花した作品。

すべての曲が、とは言いませんが、思わず「理論的に攻めようとする」悪い癖を持つ私を満足させるに足りる一枚です。

その(長7度を多用した)作曲技法、
	5連や7連を何気なく配置したリズム、
		刻々と変化する拍子、
			それでいて強力なロック性など!

[Inca Roads] [Florentine Pogen] [Andy]がずば抜けてすばらしい。事実上、ザッパの代表曲だといえるでしょう。ただ、[Inca Roads]は、最初の歌の部分が、ちょっと弱いかな。


Bongo Fury

October 1975

ザッパは、たいていの噂では「前衛、プログレ、変態」ということになっているような気がしますが、実際に聞いてみると、そのほとんどがR&Bだということに気づくでしょう。

このアルバムはキャプテン・ビーフハートという大変優れた個性を持つヴォーカル(あれをvocalというのか? )との競演ライブで、濃くて強いR&Bとロックを聴くことができます。テリーボジオがドラム。

1曲目デブラカタブラがキチガイ的前衛ロックで始まるので驚くが、あとはzappa的ブルースロックが多い。キャロライナもアドヴァンスロマンスも名曲。

スタジオ曲では、クマモンガが大好き。ピアノの綺麗なブルースで始まり、不思議なモードの旋律でプログレチックに移行して、またブルースで終わる。素敵すぎ。

マフィンマンが大好きです。イントロのピアノによるクラシカルなソロ演奏をバックにUtilityReserchhMuffinKichinとマフィン賛歌の大仰ぐあいもすばらしくて、一転ギターユニゾンで歌サビが来たらハードで痺れて、そのあとはバランスのよいソロで魅惑しまくり。冒頭唄はスタジオ版zappaで、終盤歌はライブ版ビーフハートなのもすごくお得な気分。

惜しむらくは、メンバー紹介のあともギター弾きまくってるのに、フェードアウトしちゃうことですね。完全版を聞きたいものです。


Zoot Allures

October 1976

一転してスタジオ作業が基本のアルバム。ほとんどすべての演奏をZappaがこなします。

BlackNapkinsというギター名曲があるので聞き逃せない。なんと大阪公演のテイクだ!

[拷問]の音の隙間とフィルのうまさ、ギターの低音チョーキング(かスライド?)の合いの手の気持ちよさは筆舌に尽くしがたい。[zoot]のクリーンギターとフィードバックの混ぜかたのうまいことうまいこと。live版の硬い演奏とは大違い。


Zappa In New York

March 1978

ライブ版。ストレートなR&Bあり、「いわゆる」プログレあり、はっとさせるようなインストあり。ギターの響きもかなりハードで、ききごたえあります。

The Purple Lagoonのテーマが驚くほどの大傑作。「ビート/小節にあわせてメロディやコードを置く」という通常の(そして安易な)形態を完全に否定していながら、これほど心に響くテーマはそうは無いのではないだろうか。

ところで、噂の[BlackPage]の初演が納められている。ザッパいわく、「我々のテーマソング」だそうだ。ドラムソロ版、メロディ版、ディスコ=アレンジ版。


Studio Tan

September 1978

オペラ/バレエスタイルの歌を従えた音楽中心の20分作品「グレッカリーペッカリーの冒険」をはじめとする、優れた編曲の、アドリブに頼りすぎないインスト曲で占められています。全体にメロディーもアレンジも音色も美しい、見事な作品です。

ザッパのアドリブギターにオーバーダビングで数本のブラスを重ねるなどの、聞き易くするための手法が、惜しみなく使われています。快感です。


Sleep Dirt

January 1979

始めと終わりに「これはヘビィメタルクリムゾンか!(失礼)」というような作品が入っていまして、残りは「ジャズ/ブロードウェイを思わせる見事なメロディー」の作品といってよいでしょう。個人的には、大変好みです。

珍しく女性ボーカルを使っています。ただし、CD版のみ。LPには歌が無いのですが、こちらではなんだかもの足りません。

「フラムベイ」「Time is Money」「Sleep Durt」はわたしの大好きな作品です。繊細で、美しい。ザッパの中では、珍しい部類の曲ではなかろうか。


Sheik Yerbouti

March 1979

このアルバムは、一部ではザッパの最高傑作としてもてはやされています。音楽的には「パンク・ニューウエーブ」、あるいはその表面的なパロディが多い。そのほか、当然いままでの手法を用いたものもあります。

私はパンクものの半分は大失敗していると思う。いくつかはユーモアあふれて素晴らしい。

実はこのアルバムは、多くの名作ギターソロを含んでいる。ギターのみのrat tomago(実はthe tourture never stopのギター部分)とYO Mamaは不屈の名作です。


Orchestral Favorites

May 1979

これも中途半端な作品。オーケストラ演奏が納められているのですが、ザッパと楽団の意志疎通がうまくいってないようです。ところどころにはいっているシンセサイザーが逆効果だと思います。

できるならこのアルバムよりLSOを聞いてください。


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