HTML「いまどきそんなにあやしい本はないよねー」 すみけんたろう ●2005年5月24日記述 仕事で既刊本のチェックが必要になったので、 その関係で。ついでに。 −−−−−−−−−−−−−−−−− ●●改訂版 詳細HTML&XHTML&CSS辞典   大藤幹 秀和   2005年2月発刊 かの高名な岡蔵さんのではないが、本書も人気としても信頼度としても次点クラスでgoodとのこと。 読んでみた。感服した。よく調べたなあ。よく書いたなあ。 W3C仕様としてのHTML知識(要素・タグ・内容、ブロックとインライン、etc) はちゃんと分かるようになっているし、 リファレンスとして簡素で読みやすいし、 ブラウザ別の表示結果併記も開発者は嬉しいだろうし。 HTML4.01 Strict|Trantisional|Frameset|XHTML1.1|XHTML Basic IE4-6、NN6-FireFox、Opera6-7、Safari、MacIE4-5と、怒涛の対応状況表示。 非奨励要素・非奨励属性は明示、空要素も「IMG 空」などと分かりやすく表示。 W3C非奨励でなくとも、たとえばsmall要素は「できればスタイルシートで」と付記されてる。 (わたしは大文字で書いちゃってるけど実際は小文字で、XHTMLにも配慮。) −−−−−−−−−−− CSS面も、わたしの本では手抜きした@font-faceなんぞも細かく書いてあるし、 音声対応や印刷対応まで 対応ブラウザないにもかかわらず 丁寧に解説している。 いい本だと心底思います。 安心して使えます。 えー。これ競合他社の本なんですわ。 これに負けない本を作んなきゃいけないのか。 こら大変だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−− ●●最新実用HTMLタグ辞典   古籏一浩 技評   2000年3月発刊 だからいまとなっては古い W3Cのことは考えておらず、IE4とNN4の対応のみ。 ブロックとインラインの区別もナシ。親子関係もなし。 まあ“時代”ですね。 本として読みにくいので、 著者さんよりも担当編集の方針に問題があったと思われます。 4Cだが、色センスは悪い(私も悪いけどさ、本はデザイナーさんが作るんだし)。 文字も妙に大きめで、紙面内でバランスがヘン。 ソースコード例でもサイズが10pt近くで、さらにインデントついてるので、 おかしな位置で折り返しが出ている。 ------------ p108 見出し関係 見出しの「太さ」を指定します H1〜H6

高くなるもの

税金、定年

変わらないもの

金、政治家
なにがどうとはいまさら言いません。 p351では「見出しのサイズを指定します」ともう1度出てくる。 どういう編集方針なのだろう? 段落関係(ページメモ忘れた) 段落:P DIV Pタグの場合、上下にマージン(余白)が取られるため、段落の前後に空白が入ります。 DIVタグの場合はマージンが取られないため、前後に空白は入りません。 まあ昔ながらで。 p364 引用関係 BLOCKQUOTE=長い引用、CITE=短い引用 これはHTML3.2の仕様。 HTML4.0xでは変更されましたのであしからず。 BLOCKQUOTE:ブロック要素の引用 Q:インライン要素の引用 CITE:引用元(書名やURL)の明記(インライン要素) p310 ルビ 文字もじ これはMS独自文法。W3C仕様では公式にこう定義されています。 文字もじ −−−−−−−− 本書は意図的にHTMLとCSSを混在して、逆引き本にしている。 具体的には、「下線を引きたい」という見出しで、 U要素とunderlineプロパティの両方を紹介している。 ちょっと不思議な雰囲気。 企画者(担当編集)がよほど差別化を図りたかったのか。 リファンレンスとしても、定義部分・解説部分・サンプルコードの3箇所で それぞれにタグの書きかた・CSSの埋め込みかたが書いてあったり、 ex/em/in/cmなどの表が何度も再掲されたりと、 かなりくどめ。 「読者はどのページから読むのかわからないから」という配慮だと思われる。 バランスって難しい。 やっぱちょっと 当時の担当編集の意図が読めない。 古籏さんご自身は(少なくとも今は)ちゃんとしたHTMLの知識と技術をお持ちです。 −−−−−−−−−−−−−− ●●MSDNのHTML解説: MSが属性をこんなにたくさん拡張していると分かる。 たとえばA。なんだよbeginとかendって。 http://msdn.microsoft.com/workshop/author/dhtml/reference/objects/a.asp ATOMICSELECTION属性なんて聞いたことも無いのだが、 かなり一般的な共通属性になっている。 http://msdn.microsoft.com/workshop/author/dhtml/reference/objects/a.asp いちおう。XHTMLでのA http://www.w3.org/TR/xhtml-modularization/abstract_modules.html#s_hypertextmodule HTML4.02でのA http://www.asahi-net.or.jp/~sd5a-ucd/rec-html401j/struct/links.html.ja.sjis#h-12.2 やっぱDTD見るのが一番わかりやすいなあ。 ルビ http://msdn.microsoft.com/workshop/author/dhtml/reference/objects/ruby.asp −−−−−−−−−−−−−−−−−− ●●改訂4版 HTMLポケットリファレンス   シーズ 技評   2003年4月発刊 ざざっと見ただけですけど。 立派りっぱ。読みやすい。色の制御も無駄なく読みやすい。 ブラウザ対応状況しか明示されておらず独自拡張要素かどうか不明瞭だが、 W3C非奨励の属性なんぞはそのように明示してる。 ブロックとインラインの区別もなんとなく分かるし、 親子関係も「この中にこれは書いちゃダメ」という形で分かるようにしてる。 p46 段落 P 「P要素は、「段落」を定義します。

にはさまれた文章などの内容は、ひとつの段落になります。表示としては、ほとんどのブラウザで段落の前後が1行アキになります。」 立派。 p72 見出し 見出しレベルの設定 H1〜H6 レベルって言葉はいんだけど、サンプルを見ると

特集1:いま昆虫園が熱い!

特集2:いま昆虫園が熱い!

特集3:いま昆虫園が熱い!

特集4:いま昆虫園が熱い!

こうなんで わかってないかも。 でもOK。 p74 BLOCKQUOTE p75 Q ちゃんとしてました。インデント用BLOCKQUOTE禁止令まで載ってます。 嬉しいな。 唯一ひっかかったのはp78 ルビ。 これも文字もじになってる。 まあHTML4.0xにはルビはないからな。