=========== 平均的な悪さのモノ =========== 改訂版HTMLタグ辞典、フルカラー版 アンク著 SE(翔泳社) 1999年1月発見 同名書籍の4色版。 内容は、前回となんにも変わってないと思います。 定型的なダメ本です。 ■横線に色を付けたい! 答え:
」
などと馬鹿なことをしていた。
#僕は空のPが存在することを大変に厭います。
#ちなみに、次のような間違いはなかった。
# * LIをリストコンテナ外にだす、
# * LHがある
#でも、あいかわらずBLOCKQUOTEは「リスト」の分類に入れられていた。
スタイルシートのコーナーがあるのだが、メチャクチャ。
プロパティや値は一部しか紹介しないし、
シートを使わずにSTYLE属性ばかりをつかっているため汚い。
しかも、スタイルシートのことを「スタイルファイル」と身勝手な呼称で呼ぶ。
紹介している例も、「影付き文字」だった。
(ちなみに、後できがついたのだが、
Web Design Groupも僕と同様にこの手法を「やめろ!」といっている。
くわしくは私の「CSS本」コーナーを。
http://www.asahi-net.or.jp/~jy3k-sm/css1/
)
「テーブルのセル内にマージンを付けたい!…padding」
だっていうんだもん。
マージンとパディングとインデントの違いは読者に伝わるのか?
最も笑えたのは、JAVAについて。
「JAVAにはαとβがあります。いまはベータを使います」
だとさ。
ここで用語を説明しましょう。
・βとは、正式版をリリースする前に、
バグなどを報告してもらうために公開する「プレリリース」のこと。
一般に、使用は完成し、ほぼ全ての機能が実装されているのが普通。
・αとは、ベータ以前のもので、「プレβ」とも呼ばれる。
まだ仕様が固まっていない、実装されていない機能がある、
などの特徴を持ち、バグ報告以前のシロモノである。
JDK1.0正式版発売以前、sunはα版をデベロッパ公開し、
その後仕様を大幅変更しβ版として一般公開しました。
後に正式版が出て、当然ながらもうαもβもないのです。
1998年1月にはJDK1.2βシリーズが公開される予定。
というわけで、αとβがある、ベータを使え、というのはむちゃくちゃです。
でも、確かにJDK1.0正式版が出る以前はそういう注意をしたなあ。
「βの仕様でアプレットを書いてください。」
他の本でも類似の記述はあるだろうか。
もしあるなら、
「Pには終了タグがありません」と似た誤解として
注意していかねば^-^
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HTMLタグリファレンス
磯辺?磯野?ともう一人。
ナツメ社
たぶん同社のHTMLハンドブックのパワーアップ版なのだろう。
1997年11月発売。
にもかかわらず、DOCTYPEはないし、
「IE4.0かmozilla4.0か」「HTML3.0以上か」だってさ。
HTML3.0!この時分に!
(3.0は“破棄”されて、かわりに3.2が推奨されています。
3.0は使わないでください。)
内容も、「タグリファレンス」にもかかわらず、
「○○するにはどうするか」が小見出しになっている。
それがタグリファレンスか?
・本文を指定するには…BODY
のつぎに、
・文字の色を指定するには…BODYのTEXT属性
なんて来る。機能引きですな。
面白かったのは、
・他人のページにリンクを張るには
・自分の他のページにリンクを張るには
ってのが別々に説明されていることだ。
で、内容だけど、ごく普通。
つまり、特定のWWWブラウザでの見栄えを準拠していて、
間違いが多くて、論理内容を無視していて、
包含関係なんてどうでもいいと思っているというモノ。
#こんだけ「駄目」なのに、「ごく普通」なのが悲しい。
・EMは語句を強調するという意味で、斜体になります。
だから、これよりもIを使うのが普通です。
#EM不要論みたいなのは、初めて見たかも。
・引用文をまとめてインデントするには…BLOCKQUOTE
・見出しのサイズを変える…H1〜H6
そしてそして、ありました、LH。
「表示は、LIと同じくインデントされます」だって。
そんな要素はないよ。
(3.0にはあるらしいが、3.2では採用されなかった。
mozillaもieも採用していない。)
他にも、アプレットやプラグイン、TABLE、FORM、FRAME、
そしてスタイル関連があった。
CSS1のことだけど、説明はむちゃくちゃいいかげん。
さて、この本にも「エンプティタグ」って用語が出てくる。
空要素(empty element)の誤訳であると判断するとしても…
「閉じるタグが無い」のと「省略してもいい」の
両方がエンプティタグになっている。
本来は、「ない」ものだけが空要素。BRやIMGが空要素。
というか、彼らはLIやPに閉じるタグがあることを知らないのかな。
この時期にこんな本出すなんて、
ナツメ社だいじょうぶかな。
--
1999年3月8日、追記。
この本の読者から、
「いちおうDOCTYPEについて言及してるよ」と報告していただいた。
以下、引用。
> (P71)
> 機能:このホームページで使用しているHTMLのバージョンを明示する
>
> 解説:
> HTMLファイルで使用しているHTMLのバージョン情報を明示します。
> このタグはHTMLファイルの先頭に記述します。つまり、タグよりも前に
> 記述しておきます。
>
> タグは、記述されていなくても正しく
> 解釈することができますが、このタグを記述することで、HTMLのバージョンを
> 明確にすることが出来ます。
>
> HTML3.2に従って記述してある場合は、
> 次のように記述することがすすめられています。
>
>
書いてあるのはいいけど、説明はウソだなあ。
(./doctype.htmlを参照してほしい。)
表面的には、こんな理解でいいんだろうけど。
嘘も方便なんかなあ。
一応つっこんどくと、
・DOCTYPE宣言は「宣言」であってタグじゃないよん。
・DTDの書式はっす。「タイプ」って何すか?
・「記述することが薦められている」んじゃなくて、
仕様書に「書かないとダメ」と明記されています。
でも、これを今の書籍に求めるのは、やりすぎなんだろうな。
うーむ。
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(新)HTML&CGI入門
笹木望など3人
AI出版
ライターは3人とも北海道大学の大学院生。
でも、内容は見事に間違いだらけ。
公式規格無し。
分類は「mozillaとIE両方ok、片方、そんでフォームとCGI」だ。
・コメントは「」ですが、実際には「」でok!
だから、としたい場合は、
カッコの数を合わせるために
としよう!
ときたもんだ。
・Hは「ヘッダタグ」で、見出しとは「ヘッダ」である。
Hは文字サイズを決定するタグだ。
#これだけでも説明の一貫性がないと思うんだが…
#ちなみに、Hはheading=見出し。headerは、各ページの先頭にある「柱」など。
・Pは段落で、段落終わりに付けるものなんだけど、
これからはP〜/Pが正式になるみたい。
#いったいいつのHTMLを説明しているんだ?
それでもこの本は1996年1月に初版が出ていて、
いまだに増版を重ねているらしい。
実は、他の説明は、考慮が足りないものの、そんなに間違っていない。
mozillaとieでOKなら何も断らずにNOBRなんかもバンバン紹介してるけど。
しかし、全体に文章のノリが恥ずかしい。
「http://〜を意識せずに“スラスラ”なんて読めたら一人前^^;」
なんて書いてあった。//をスラスラだって。馬鹿みたい。
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詳細HTML&javaScript辞典
複数
秀和システム
ひとことでいうならば、“秀和システム”レベルである。
あいかわらず間違いが多いし、勝手。
HTML公式規格には触れず、
mozilla3.0、4.0、IE3.0m4.0でみれるかどうかが基準。
・Pは改行して、さらに一行あける
・ 〜 を付けろという。
ありがちな間違いをすべてやっているような気がする。
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HTMLクイックリファレンス
プレンティスホール
ほんとに単なるリファレンスで、
なんの役に立つのか分からない。
文法的に「何に含まれていいのか」「何を含んでいいのか」みたいな
注意書きが書いてあるわけでもない。
http://www.w3.org/MarkUp/html-spec/L2index.html
があれば、これはいらない。
しかも、属性つき/なしを別のタグであるかのように書いてある。
( と が別であるかのように)
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吉村信 家永百合子 鐙聡(あぶみさとし)
インターネットホームページデザイン
SE(翔泳社)
最近改訂版が出たらしい。
・ があり、本来の がない(html1.0以前?)
・ と と が別のタグであるかのように)
まあ、比較的良い方なのかもしれない。
テキストブラウザなど絵を表示できないものや、
拡張タグが扱えないエージェントへの配慮も、少し触れられている。
の違いを「改行幅」だと説明している
・HTML規格について触れられていない
・機種依存拡張が沢山ある。ただし、拡張だとは触れられている
・