===========  平均的な悪さのモノ =========== 改訂版HTMLタグ辞典、フルカラー版 アンク著 SE(翔泳社) 1999年1月発見 同名書籍の4色版。 内容は、前回となんにも変わってないと思います。 定型的なダメ本です。   ■横線に色を付けたい!   答え:
 (IEのみ) みたいなかんじ。 でも、売れてるんだよね、このシリーズ。 悲しいなあ。 ---------------------------- NHKのTV番組テキスト ホームページなんて恐くない(だか「むつかしくない」だか) 佐々木博 (番組には、西村知美が出演…ト、トロリン!) (1998年6月24日発見) 使っているソフトのせいでもありますが、悲惨です。 一番始めにクラリスホームページでのソース例がでるんですが、 いきなりMETAにおける指定で「x-sjis」など「x」連発。 #「x」は独自拡張(eXtention)の略。 あげくに、PがTABLEを囲んでいる。 それ以降ではIBMのホームページビルダーを使うのですが、 なんか悲惨。 ・H1〜H6は、文字サイズを指定するタグです。  ここでは、H2で「見出し2」というサイズを指定しています。 ・インデントを入れよう!  この「インデント」ボタンを押すと、BLOCKQUOTEタグが入れられます。  BLOCKQUOTEはインデントを指定するタグです。 という流れ。 この筆者自体も面白い。 ・罫線を入れたい時は、メニューから「水平線」を選んでください。  罫線が入ります。 だって。 なんで「水平線」なのに「罫線」なんだろう? はじめから「水平線」っていえばいいのに。 なお、ホームページビルダーをつかうので、 あまりHTMLには突っ込んでいない。 恐ろしいことに、PもBRも出てこない。 リストも出てこなければ、インライン系がIMGとAしか出てこない。 しかも、インライン系は要素名を隠したまま進むのだ。 それなのに、TABLEとFRAMEはでてくる。 そこんところが時代なのかな。 他の部分では、画像の作り方(付属イメージエディタ)、 Internet向けの減色、ALTを付けよう、とか けっこう頑張ってまとめた感じのモノが出てきます。 HTML部分を除いてしまえば、悪い本じゃないと思います。 こまったな^^; どこに分類したらいいのか分からない。 さしあたって、「普通」に分類。 なお、筆者「佐々木博」はWebデザイナであるらしい。 これも困ったな。 −−−−−−−−− 改訂版HTMLタグ辞典、Netscape4.0, InternetExplorer4.0対応 アンク著 SE(翔泳社) 1997年12月20日初版 同社の旧著作の改訂版。 でも、間違いは直っていない。 あいかわらず、ありがちなミスは全部やっている。 醜いのは、それに対する言い訳がついていることだ。 「Hxのxは見出しレベルの違いを表わす。  でも、一般に文字サイズの変更にも使われる。  これって邪道?」 邪道というよりは、単なる間違い。 「・文字の色を変えるには *BODY TEXT="xxxx" *BODY LINK="xxxx" … 」 これじゃあ、本文中に沢山BODYを書く人間が出てくるんでは、と心配。 「・位置揃え *単純位置揃え…P ALIGN *サイズ変更付き…Hx ALIGN 」 サイズ変更付き^^; 個人的には「お笑いの領域」と感じる説明なんだが、 実はこの本だけでなく多くの本で現われる。 #この本ってめっちゃ売れてるから、 #これが源泉となって、他書の説明が腐るのかな? 笑えたのは、見返しのカラーページのソース。 いきなりコメントで「」。 ハイフン三つ!見苦しいなあ。 #辞書中のコメントは「」となっていた。 #こっちは編集の誤植だろう。 ・改行したい!BR ・段落を作りたい!P ときて、Pは相変わらず「お尻にP」を奨励。 その後のコラムで 「本当はP〜/P?」としている。 クエスチョンつけるとは何事だ! しかも、いいわけが変。 「いまは閉じるタグがあるけど、  W3Cも/Pは省略してよいとしている。  これは過去の文書との互換性を保つため」 どっちにせよ、頭にP、おしりに/Pだってば。 #W3Cに言及するわりには、 #HTMLのバージョンには言及しない。 #DOCTYPEに言及しているが、例ソースでは使っていない。 #しかも、DOCTYPEがドラフト時のもの。 # #編集者はなにやってんだ。 この手の本は、この後に 「HxやBLOCKQUOTEは、PやBRを付けなくても改行されるので注意」 などと馬鹿なことを言う。 ブロックレベル、インラインの違いを全く理解していない。 そういえば、 「次の二つの違いを見比べてください。 ・


」 などと馬鹿なことをしていた。 #僕は空のPが存在することを大変に厭います。 #ちなみに、次のような間違いはなかった。 # * LIをリストコンテナ外にだす、 # * LHがある #でも、あいかわらずBLOCKQUOTEは「リスト」の分類に入れられていた。 スタイルシートのコーナーがあるのだが、メチャクチャ。 プロパティや値は一部しか紹介しないし、 シートを使わずにSTYLE属性ばかりをつかっているため汚い。 しかも、スタイルシートのことを「スタイルファイル」と身勝手な呼称で呼ぶ。 紹介している例も、「影付き文字」だった。 (ちなみに、後できがついたのだが、  Web Design Groupも僕と同様にこの手法を「やめろ!」といっている。  くわしくは私の「CSS本」コーナーを。  http://www.asahi-net.or.jp/~jy3k-sm/css1/ ) 「テーブルのセル内にマージンを付けたい!…padding」 だっていうんだもん。 マージンとパディングとインデントの違いは読者に伝わるのか? 最も笑えたのは、JAVAについて。 「JAVAにはαとβがあります。いまはベータを使います」 だとさ。 ここで用語を説明しましょう。 ・βとは、正式版をリリースする前に、  バグなどを報告してもらうために公開する「プレリリース」のこと。  一般に、使用は完成し、ほぼ全ての機能が実装されているのが普通。 ・αとは、ベータ以前のもので、「プレβ」とも呼ばれる。  まだ仕様が固まっていない、実装されていない機能がある、  などの特徴を持ち、バグ報告以前のシロモノである。 JDK1.0正式版発売以前、sunはα版をデベロッパ公開し、 その後仕様を大幅変更しβ版として一般公開しました。 後に正式版が出て、当然ながらもうαもβもないのです。 1998年1月にはJDK1.2βシリーズが公開される予定。 というわけで、αとβがある、ベータを使え、というのはむちゃくちゃです。 でも、確かにJDK1.0正式版が出る以前はそういう注意をしたなあ。 「βの仕様でアプレットを書いてください。」 他の本でも類似の記述はあるだろうか。 もしあるなら、 「Pには終了タグがありません」と似た誤解として 注意していかねば^-^ −−−−− HTMLタグリファレンス 磯辺?磯野?ともう一人。 ナツメ社 たぶん同社のHTMLハンドブックのパワーアップ版なのだろう。 1997年11月発売。 にもかかわらず、DOCTYPEはないし、 「IE4.0かmozilla4.0か」「HTML3.0以上か」だってさ。 HTML3.0!この時分に! (3.0は“破棄”されて、かわりに3.2が推奨されています。  3.0は使わないでください。) 内容も、「タグリファレンス」にもかかわらず、 「○○するにはどうするか」が小見出しになっている。 それがタグリファレンスか? ・本文を指定するには…BODY のつぎに、 ・文字の色を指定するには…BODYのTEXT属性 なんて来る。機能引きですな。 面白かったのは、 ・他人のページにリンクを張るには ・自分の他のページにリンクを張るには ってのが別々に説明されていることだ。 で、内容だけど、ごく普通。 つまり、特定のWWWブラウザでの見栄えを準拠していて、 間違いが多くて、論理内容を無視していて、 包含関係なんてどうでもいいと思っているというモノ。 #こんだけ「駄目」なのに、「ごく普通」なのが悲しい。 ・EMは語句を強調するという意味で、斜体になります。  だから、これよりもIを使うのが普通です。 #EM不要論みたいなのは、初めて見たかも。 ・引用文をまとめてインデントするには…BLOCKQUOTE ・見出しのサイズを変える…H1〜H6 そしてそして、ありました、LH。 「表示は、LIと同じくインデントされます」だって。 そんな要素はないよ。 (3.0にはあるらしいが、3.2では採用されなかった。  mozillaもieも採用していない。) 他にも、アプレットやプラグイン、TABLE、FORM、FRAME、 そしてスタイル関連があった。 CSS1のことだけど、説明はむちゃくちゃいいかげん。 さて、この本にも「エンプティタグ」って用語が出てくる。 空要素(empty element)の誤訳であると判断するとしても… 「閉じるタグが無い」のと「省略してもいい」の 両方がエンプティタグになっている。 本来は、「ない」ものだけが空要素。BRやIMGが空要素。 というか、彼らはLIやPに閉じるタグがあることを知らないのかな。 この時期にこんな本出すなんて、 ナツメ社だいじょうぶかな。 -- 1999年3月8日、追記。 この本の読者から、 「いちおうDOCTYPEについて言及してるよ」と報告していただいた。 以下、引用。 > (P71) > 機能:このホームページで使用しているHTMLのバージョンを明示する > > 解説: > HTMLファイルで使用しているHTMLのバージョン情報を明示します。 > このタグはHTMLファイルの先頭に記述します。つまり、タグよりも前に > 記述しておきます。 > > タグは、記述されていなくても正しく > 解釈することができますが、このタグを記述することで、HTMLのバージョンを > 明確にすることが出来ます。 > > HTML3.2に従って記述してある場合は、 > 次のように記述することがすすめられています。 > > 書いてあるのはいいけど、説明はウソだなあ。 (./doctype.htmlを参照してほしい。) 表面的には、こんな理解でいいんだろうけど。 嘘も方便なんかなあ。 一応つっこんどくと、 ・DOCTYPE宣言は「宣言」であってタグじゃないよん。 ・DTDの書式はっす。「タイプ」って何すか? ・「記述することが薦められている」んじゃなくて、  仕様書に「書かないとダメ」と明記されています。 でも、これを今の書籍に求めるのは、やりすぎなんだろうな。 うーむ。 −−−−− (新)HTML&CGI入門 笹木望など3人 AI出版 ライターは3人とも北海道大学の大学院生。 でも、内容は見事に間違いだらけ。 公式規格無し。 分類は「mozillaとIE両方ok、片方、そんでフォームとCGI」だ。 ・コメントは「」ですが、実際には「」でok!  だから、としたい場合は、  カッコの数を合わせるために  としよう!  ときたもんだ。 ・Hは「ヘッダタグ」で、見出しとは「ヘッダ」である。  Hは文字サイズを決定するタグだ。  #これだけでも説明の一貫性がないと思うんだが…  #ちなみに、Hはheading=見出し。headerは、各ページの先頭にある「柱」など。 ・Pは段落で、段落終わりに付けるものなんだけど、  これからはP〜/Pが正式になるみたい。  #いったいいつのHTMLを説明しているんだ? それでもこの本は1996年1月に初版が出ていて、 いまだに増版を重ねているらしい。 実は、他の説明は、考慮が足りないものの、そんなに間違っていない。 mozillaとieでOKなら何も断らずにNOBRなんかもバンバン紹介してるけど。 しかし、全体に文章のノリが恥ずかしい。 「http://〜を意識せずに“スラスラ”なんて読めたら一人前^^;」 なんて書いてあった。//をスラスラだって。馬鹿みたい。 −−−−− 詳細HTML&javaScript辞典 複数 秀和システム ひとことでいうならば、“秀和システム”レベルである。 あいかわらず間違いが多いし、勝手。 HTML公式規格には触れず、 mozilla3.0、4.0、IE3.0m4.0でみれるかどうかが基準。 ・Pは改行して、さらに一行あける ・で位置そろえ 関連の既述が消えない。なぜだ。 リストの説明中に、BLOCKQUOTEが出てくる。なぜだ。 LHに言及あり。IE拡張とのこと。 #そんなもんはない。 それにしても、「LIは閉じない、エンプティタグです」ってのは変だ。 だいたい、その「エンプティタグ」っていう謎の用語はなんだ? (EMPTY要素(空要素)って用語はあります) LIは、閉じるタグが「省略可」であって、存在しないわけじゃない。 IMGは「存在しない」のであって、記述してはいけない。これを空要素という。 そのへんが区別されていない。 いままで注意してチェックしていなかったので、 他の本もこの辺を間違えているかもしれない。 −−−−− 別冊宝島:いっきにわかるホームページ 宝島社 ああ、ついに出てしまった、別冊宝島の「いっきに」シリーズ。 windows95、office95、Internetなどを 独自の解釈でぶった切ったこのシリーズに、 ついに、ようやく、HTMLが誕生だ! 内容は、これがまた、大変それっぽいものだ。 Pが段落だよ、と始めに教えるにもかかわらず、 ソース中にはBRばかりという事態。たいへん、それっぽい。 #最近気が付いたんだけど、 #多くの日本人は「改行」と「段落」を区別できないんじゃないか? #ワードプロセッサ入門でも、 #「自動折り返しと改行は違います」と教えても、 #「改行と段落の終りは別物です」とは教えないもんな。 文法を教える部分は少なく、 「HTML、HEAD、BODYっていうけどさ、  なんかBODYは書かなくても動くじゃん。  けっこういいかげんなもんだな。」 ってな感じだ。それはそれでOKだぜ。 「文法は、既存ファイルをセーブして、ソースを見て勉強しよう」 ああ、なるほど、そういう姿勢を教えるわけね。 色を付けよう、点滅させよう、等などとハナシは盛り上がります。 「だって、見栄えをよくしたいじゃん!」 そういう姿勢の本。 −−−−− (^^)v HTML3.0/3.2 翻訳もの HBJ出版 #タイトルの「(^^)v」は顔文字と思われる。 #これにokを出した出版社のセンスを疑う。 文章が硬くて読みにくい。レイアウトも悪い。 でも、内容は、HTML3.0/3.2に準拠して教えているし、 教え方も悪くない。 (3.2が出ている時分には、3.0は破棄されていたのでは?) −−− 誰でも出来るホームページ 実業なんとか協会 ななか笑える本だ。 作者が分かってなくて、分かってなくても出来るんだ的な開き直りがある。 いきなりの挿し絵的カラーページに 「文字サイズ…H1〜H6」と来るのには参った。 本文中では、「ヘッダサイズ(heading)」と書いてあった。 #英語の読み方知らないのかな。ヘディングって書いてあるじゃん。 文章は丁寧なんだけど。 −−− HTMLリファレンス シーズ(会社名らしい) 技術評論社 Hをヘッダ(header)と読んで(呼んで)いる。なぜ? headingでしょ。 Mozilla、IEがサポートしているかいないか、は書かれているが、 規格に入っているのか否かが分からない。 どの本もそうだが、「MozillaやIEでこう見える」という説明になっている。 とくにH,P,BRなど。 やはり、リファレンスものは役に立たないと思う。 せめて、HEAD部分、BODY部分などでまとめて欲しい。 つまり、W3Cの3.2の仕様書みたいに構成されていなきゃ意味無いと思う。 ところで、リストヘッダLHっての、本当にあるの? 「いちそろえ」を「H ALIGN」と紹介するのはやめて欲しい。 P ALIGNも教えてるんだけど、どういう編集センスしてるんだろう。 #ただし、各社やっているので #技術評論社が特別わるいわけじゃない。 とろこで、スタイルシートの解説が付いているが、 これがまた変。 「HTML3.2が薦めるのはCSS1で…」 とあるが、html3.2はスタイルシートを規定していない。 #今後に備えて予約語を作ったに過ぎない。 各プロパティの説明もいいかげん。 しかし、嘘は困る。 「#背景色 (1).background (2).background-color  CSS1では(2)だが、ieでは(1)でも動いた」 CSS1でも(1)はある。 1はcolorやpositionなどを一括指定するプロパティ。 この辺を見るに、基礎調査をやってないと思われる。 −−− HTMLハンドブック ナツメ社 Hをヘッダと読んで(呼んで)いる。 Mozilla、IEがサポートしているかいないか、は書かれているが、 規格に入っているのか否かが分からない。 どの本もそうだが、「MozillaやIEでこう見える」という説明になっている。 とくにH,P,BRなど。 ここもLHってだしてるけど、ほんとにIE拡張? −− HTMLタグ辞典、Netscape3.0, InternetExplorer3.0対応 アンク著 SE(翔泳社) HTML規格について述べられていない。 Mozilla、IEがサポートしているかいないか、は書かれているが、 規格に入っているのか否かが分からない。 Hを見出しサイズといい、しかも英語ではヘッダだという。 #headingとheaderは別のものだぜ。

ではなく、文末に

を付けろという。 ありがちな間違いをすべてやっているような気がする。 −−− HTMLクイックリファレンス プレンティスホール ほんとに単なるリファレンスで、 なんの役に立つのか分からない。 文法的に「何に含まれていいのか」「何を含んでいいのか」みたいな 注意書きが書いてあるわけでもない。 http://www.w3.org/MarkUp/html-spec/L2index.html があれば、これはいらない。 しかも、属性つき/なしを別のタグであるかのように書いてある。 (

が別であるかのように) −−−− 吉村信 家永百合子 鐙聡(あぶみさとし) インターネットホームページデザイン SE(翔泳社) 最近改訂版が出たらしい。 ・

があるべきところで

があり、本来の

がない(html1.0以前?) ・


の違いを「改行幅」だと説明している ・HTML規格について触れられていない ・機種依存拡張が沢山ある。ただし、拡張だとは触れられている ・を「見出しの文字サイズ」と説明 ・単にフォントサイズを変えるためにHタグを使用 ・タグの属性説明が、まるで別個のタグであるかのようになされている (

が別のタグであるかのように) まあ、比較的良い方なのかもしれない。 テキストブラウザなど絵を表示できないものや、 拡張タグが扱えないエージェントへの配慮も、少し触れられている。