グインサーガ

(2001年12月)どうも100巻で終わりそうにないので、メンテを停止します。最新情報などは天狼星通信をどうぞ。

かなりがんばって読み、がんばって楽しみ、がんばっていいところを見つけ、がんばって感情を動かしてきましたが、もうムリです。 拍手する


とあるトマトの感想録(凍結)

過去の己の感想を知ることすら、実はすでにツライんですが… 


ひとこと/独り言

/解脱/

(12月16日(月)23:30)

グインの1巻〜25巻をまとめてパッキング。ちと読んだ。やはり9巻はスゴイ。あのマリウスのイキイキした感じ、苦悩、酒場の賑わいなど、とても今の温帯と同じ人間の作品とは思えぬ。

7巻のマリウス初登場シーンを読む。アストリアスを罠にかけるシーン。なんと魅惑的かつファンタジーな描画なことか! 黒蓮による催眠熟でアストリアスに語らせる間、国政を真に憂えたり、双子の真珠を真に愛したり、兄との関係の葛藤に苦しんだり…このマリウスはかっこいい。

アストリアスの口から「ノスフェラス」の単語が漏れた瞬間、マリウスおよびディランら魔道士がハっと身構える。未知の世界への畏怖がありありと嗅ぎ取れる。魔道士ですら魔法が万能でないことを知る世界。人知にも限りがあるからこそ、知的欲望があり、また踏み込むべきでない領域をも理解する。

このころの登場人物はみなよかったなぁ… なによりも、生活の香りがある。世界が砂埃と喧騒と酒と剣で満ちている。男くさい労働がある。ナリスをとってさえも、アムネリスを手玉にとって狂わせるその姿は、あくまでも男、あくまでも策士だ。これをみて「腹黒い」と嫌う読者はいるかもしれないが、すくなくとも作品にとっていかに重要な地位を占めているか、疑う読者はいないだろう。

この魅力ある世界。

それはもうなくなってしまったのだな。

−−でも、不思議なことに、もう悲しくない。怒りもしない。

そうか、これが解脱か…

(追記:2004年7月1日、bookoffに売却しました。)

/かつて小説家だったあなたへの手紙/

2002年10月1日(火)

■かつて小説家だったあなたへの手紙■

泣ける。わたしはもうちょっと許して(感度をわざと下げて)読みつづけているわけだが、思いは同じだ。そういう思いを抱いたトマトは無数にいるのですよ>温帯

/矛盾のはじまり/

(2001年2月25日、ちょうど77巻が出たころ記す)

最近グインサーガ52巻[異形の明日]を読んでいる。面白い。このころは≪人間の物語≫であり、愚集だろうが集まれば強い影響力をもちうる−−というか、個人では抗えない社会の力が画かれており、面白い。

リギアは、か弱い女性であるバーシアの気持ちがわからず、イライラする。アムブラは、ヴァレリウスを弾圧者と呼ぶ。レムスは精神を回復し、ようやく自分の弱さを認め、それによって宮廷に迎え入れられる。

−−現在(77巻)との矛盾が大きすぎる。というか、≪ヤンダルがパロに≫ストーリーになってからの破綻が大きすぎる。

続けて58巻[運命のマルガ]を読んでいる。「このころまでは面白くてしかたなかったのに」という感想がよぎる。だが、冷静に読んでいるうちに、破綻の始まりを見つけた。−−48〜52巻での流れが、すべて消滅しているのだ。

この後、ナリスはヴァレリウスに極端に依存するし、ヴァレリウスも極端にナリスに依存しはじめる。物語は、強力な個人だけが支配する流れに変わってしまう。

外伝ならばともかく本編では、怪物対峙物語じゃなくて、ちゃんと三国志を書いて欲しい。≪人の魅力≫、≪人の思惑≫、≪人を超えたところで働く群集や国の流れ≫を書いて欲しい。


余談:冒頭のトマトシリーズは、高林氏のいんちきウォーホルにヒントを得ています。)


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