仮名について:ホントは「ドラゴンスレイヤーズ!」とかしたいんだけれど、そうすると某富士見書房の小説とかディズニーの実写映画とか、何より某超有名至高のRPGシリーズの名前とかぶってしまうわけで・・・。タイトルが示すとおりラストはドラゴン退治でしめたいなあとか。
ゲーム上のキャラクター特性
・イーシャ Eisya
剣士。隙が大きいが攻撃力は高い。マジックサーキットは長め=耐久力に優れるがタメに手間がかかる。マジックアタックは乱舞技。
・フェイリィ Feily
魔法使い。杖が重いためやや隙が大きいわりに攻撃力は低い。マジックサーキットは短め=耐久力が少ないが、フルにしやすいためマジックアタックが連発しやすい。マジックアタックは雷撃。
・クスフィ Cusfy
ハンター。近接での標準武装は山刀で、隙は少ないがリーチも長くはない。マジックサーキットは中間で、耐久力もタメに必要な労力もそこそこ。マジックアタックは聖霊の加護を受けた多段ヒットする矢。
・シャルラシスカ Charlasysqua
ハイエルフ。短剣なのでリーチは短く威力も低いがそのかわり速度は一番速い。マジックサーキットは中くらい。マジックアタックは聖霊の力を借りた体力回復。
・ムラサメ Murasame
明らかに大陸出身ではない風貌の人物。対戦専用。ムラサメというのは通り名で、由来は左腰に下げている奇妙に反った片刃の剣の名前から。リーチはイーシャよりも長い。マジックサーキットは長く、マジックアタックは一撃必殺の斬り技。
マジックサーキットの長さ(精神の強靭さ:長ければより強靭な精神の持ち主である=「ガード時の体力消耗が少ない」が、マジックアタックをするために必要な「マジックサーキットをフルにする」が困難になる)
イーシャ>シスカ>クスフィ>フェイリィ
マジックアタックの威力
フェイリィ>イーシャ>クスフィ、シスカ=0
武器のリーチ
フェイリィ>イーシャ>シスカ>クスフィ
武器の威力
イーシャ>クスフィ>シスカ>フェイリィ
攻撃の速度(速いー遅い)
シスカ>クスフィ>フェイリィ>イーシャ
・世界 -The World-
共通語では「イシュティハーサ=Ishutti-hurtha 」と呼ばれる。意味は「大いなる・土地」。その呼び名のとおり、現段階では大いなる土地である「グラン・デー=Gran-de=大陸」とその近辺に存在する小諸島しか知られていない。海の向こうに何があるのか、何もないのかも定かではない。そこへ届くすべがないからである。諸島と大陸の間の交流は比較的頻繁で、小さい島国であっても経済的に大陸の都市部よりも豊かなものもある。
しかしこれが内陸部になると事情は一変する。内陸部から海まで到達する大河が少なく、馬による陸路主体の交易のため、奥地にはほとんど人が入らず、あったとしても小さな村落がある程度。不思議なことに、現在では不毛の地(その長さ2000クリムト(1クリムト=1000ムルト、1ムルト=約1.2mと換算)にも及ぶ「サレラ砂漠 The Sallela desert 」などが有名である)にも、かつて文明があったと思しき痕跡が残されており、これらは「遺跡 ruins 」として知られる。大きなものには名前がついているが、小さなものは単に「遺跡」である。
最大の都市は大陸西端にあり、「オーレアス都市国家 The Aulleaus city-state」と呼ばれ、大統領制をしいて数年に一度選挙によりその首長を決定する。またオーレアス周辺の都市国家を合わせて「オーレアス都市国家群 The states of Aulleaus」と呼称することもある。この他にも大小さまざまに「国家」を称する地域・諸島があり、共和制や世襲の国王制をしいている。
・宗教 -Religion-
主な宗教としては古くから伝承される書物「エルナレの書」を教義とするエルナレ教が知られる。
このエルナレの書に基づき、天空に輝く戦いの象徴カイル Keile、愛と平和を司るエルサ Elsa、商いと流通の象徴セロス Seloth、「冠をつけた冥界の王子」ナバク Navakの4つの惑星と、それに対応する神々(惑星と同じ名前を持つ)とへの4神信仰が存在する(カイルは火星、エルサは水星、セロスは金星、ナバクは土星に相当?)。またこれに万能神エヴラ Evlla=太陽とその妻ニト Njet=月を加えた6神を信仰の対象とする地域が多く、これは大陸の西方に見られる。
魔法研究者、あるいは「遺跡」研究者の中にはこういった信仰の起源を「遺跡」が構築された当時に求める者も少なくない。一方で、内陸部や東方地域に存在する少数民族の伝承に、それとは異なる信仰があることを見出したとする研究者もいる。それによれば世界にはかつてあらゆるものに神が宿っていたとされるが、現在の4(6)惑星信仰とこういった多神教との関係はいまだわかっていない。
自称「先進的」である人々のなかには、こういった信仰を過去の遺物として切捨て、即物的な価値観に移行している者もいるが、大勢から見れば(当然のことではあるが)まだまだ異端者という扱いを受けている。
宗教とともに世界観も示す。
世界は深いすりばち状のもっとも底の部分に位置しており、すりばちの上部に4(6)惑星神がそれぞれの座を設けて世界を見下ろしているのである。したがって、海、あるいは大陸をひたすら進んでいけばやがてはすりばちの斜面に向かって上っていくことになり、神々の座に近づくことができるのである。しかしこれは、神をも恐れぬ行為であり、タブーである。また、すりばちの外がどうなっているのかということも不明。恐らくは4(6)神が住む世界が広がっていると想像されるが、教義ではこれについて言及されておらず、これもなかばタブーとなっている。
先の「すべてのものに神が宿る」という信仰を持っている者は同時にこの世界観には異を唱えている。彼らは、自らが住まう土地が巨大な空間に支えもなく浮かぶ一つの物体・・・惑星神たちと対応付けられる惑星も同じく巨大な空間に浮かんでいるものだと考えている。この考え方は、当然ながら大多数の人間には受け入れられていない。支えもなしに自分たちの住む場所がどこかに浮いているとは常識的にはどうしても考えられないからである。神々も、すりばちが存在して、その縁に腰掛けているからこそ、あの天空に存在できるのである。
まず、エヴラが天に昇るための塔(それははるか東にあり「勝利の塔 The Tower of Victory」と称されるがその目で確認したものはいない)から天空、つまりすりばちの天辺に到達するまでが朝である。その後東から南を経て西まで、4人の神々の座を見て回った後(つまりそれぞれが適切な仕事を行っていることを確認しに来るのである)、今度は天から降りるための塔(はるか西方にある「黄昏の塔 The Tower of dusk」という、が、これを見たものもいない)を使って姿を隠す。これが夕刻の訪れである。
その後はニトが同様に「勝利の塔」からのぼり「暁の塔 The Tower of Dawn」(「黄昏の塔」と双璧をなす双子の塔と言われているが、やはりこれも見たものはいない)に至るまで見回りをする夜が始まるのである。しかしニトは神々には寛大で、夫がいない夜中にこそ自由に過ごしなさい、と、神々にささやくのである。神々はこれにしたがい、ようやく己が光を放つのである。
日中はエヴラの光が強すぎ、自分の輝きが打ち消されてしまう。ニトにしても同様である。エヴラがおらず、またニトが姿を消す新月の夜にこそ、彼ら神々は真に自分の光を放つのである。
このちょっとした伝承にはさらに詳細が記されており、エヴラとニトが上る「勝利の塔」の下にはア・バオア・クゥと呼ばれる魔物が門番をしており、人間などが近づくとあっという間に殺されてしまうのだという(もっともその塔が存在するはるか東にたどり着けた人間などこの世にはいないのだが)。
しかしその「闇にして光なる手」(遭遇した人間がいないため、それが本当にいわゆるなんらかの「手」なのか、それとも単なる比ゆなのか、それがなんらかの既知の生物の姿に似ているのかも不明である)を逃れ「勝利の塔」を登ることに成功したものは神と同等の力を手に入れることができるという。
南東、海のはてにあるとされる「死者の塔 The Tower of deads」にはありとあらゆる生きた物が近づくことは不可能で(近づくだけで体が崩れ去ってしまうと伝承にはある)、これはもっぱら死者の魂が冥界の門に到達するための通路として使用される。ちょうど塔の真上にナバクの座=冥界への門があり、死者はその元で永遠の命を得るのである。ナバクの座=冥界の門をくぐった先には「チルナノグ」と呼ばれる永遠の楽園があり、すべての魂はそこで憩うのだとされる。
戦いの象徴であるカイルは、当然のことながら戦士や兵士などの戦う職業にあるものによく信奉されている。この神は戦乱などのときはもちろん神々の軍隊を率いて戦場に赴き、その手にした巨大な「見えざる剣 Invisible sword」で神々の敵を倒す。それ以外のときは、この世界を異界の侵入者から守る役割を担っている。異界の敵はたとえば不吉なほうき星にまたがって現れるが、ほうき星が地上まで到達して我々をおびやかすことはない。それはひとえに戦いの神カイルの手によるものである。
愛と平和をつかさどるエルサはカイルとは逆の立場にある神で、もっぱら地上でのみにくい争い事が起きたときにその仲裁を行うために現れる。だが現実には争い事がなくなることはなく、エルサは平和の神としてよりは平等と博愛のシンボルとして見られる。当然のことながらこの世界には偏見などによる種族間の差別が見られ、このような被差別者がすべての救済者としてエルサを崇拝することが多い。
商業の神であるセロスはもっとも信奉者が多く、ことに商人の多い大都市で信者が多い。自分の商売が上手くいくように、朝晩に商人たちはセロスに祈りを捧げるのである。
ちなみにこの神は一日に10000クリムト以上を駆け抜ける俊足の「運び手」(人間のような姿をしているがそれとは異なる存在であろうといわれている。また何かの箱を先端につるしたかつぎ棒のようなものを担いで疾走しているゆえにこの存在は「運び手」と呼ばれてはるが、実際に何を運んでいるのかは不明である)を多数従えた姿で描かれることが多い。この「運び手」のほかに黒いネコを従えているとされる意匠もあるが、これは「遺跡」時代から踏襲されているさらに古いデザインとされ、もっとも古い歴史ある神としても知られている。
・遺跡 -Ruins-
大陸に散在する、太古に人為的に作られたと思われる痕跡の総称。ただ単に石を意味ありげに配置しただけのものから、壮麗な宮殿を思わせるものまでさまざまである。その起源を遡ろうと日夜研究者たちが努力しているが、詳しいことは判明していない。ただ、そこから発掘される品々から、それ以前には魔法の品々を作る技術があったこと、そしてそれがなんらかの事情により失われたことがわかる。
それらの失われた技術がいったいいつごろまで存在していたのかは不明であるが、研究者の大勢は2000年前までにはその技術がすでに失われていたという説を支持している。これは大陸各地に伝わる伝承(主に口伝)から類推されるに過ぎないが、そのころ破局的な出来事(遺跡が多数あり、かつては居住可能であったと思われる「サレラ砂漠」のような広大な土地を砂漠に変えてしまうほどの)があったためにかつての「遺跡」の建築者たちはこの地上から姿を消したのだという。だとすればなぜ現在人間(ハイエルフ、地下種族を含む)やその文明が生き残っていて「遺跡」に関連する技術だけが失われたのかという疑問が生ずるが、これは今後の研究が待たれるところである。
・人 -Humanoids-
この世界に生息する人型の種族には、いわゆる人間=ヒト、ハイエルフ、その混血=エルフ、地下種族(ドワーフなどと呼称される)が知られる。またこの「種族」とは別に、居住する地域によって肌の色、瞳の色などが異なるいわゆる「人種」もあり、例えば「黄色人種の人間(東方地域に多い)」、「黒色人種のハイエルフ(南方地域に多い)」など、種族と人種には多様性が存在する。
この世界(といっても都市部などの目に付きやすい範囲で、ではあるが)では人口のおよそ7割を人間が占める。それについでハイエルフ、そして人間との混血であるエルフが存在する。都市部にも交易という目的で地下種族が生活していることがあるが、これはきわめて少数である。
もちろん大多数を占める人間に対して好意的ではないハイエルフ、エルフ、そしてその逆も存在するが、これは異民族が混在する場合許容せざるを得ない部分であろう。
ハイエルフは人間と混血が可能であることから生物学的遺伝学的に人間ときわめて近い種類の存在・・・恐らくは亜種・・・であるらしいことが推測される。ただ、ハイエルフと人間の間に生まれたエルフ同士ではそれ以降の世代(F2)が誕生しないことから、遺伝子レベルでの若干の違いはあると思われる(ちなみにエルフとハイエルフ、あるいはエルフと人間の間ではF2以降の世代=クォーターが誕生する)。
身体的には耳が尖っている以外には特徴はなく、人間と比べて特に飛びぬけて優れた点、劣っている点はない。精神面では聖霊との交感力が高く、魔法を使うに際しては若干有利な面があるようであるが、人間にもこの能力が高いものが稀に存在するなど、この「聖霊との交感力 Communication skills for spirits」というスキル自体がよく解明されていない。現在は「生まれついての天賦の能力」でしかない「聖霊との交感力」であるが、もしかすると訓練などによりこれを高める方法もあるかもしれない。これについては各国の魔法研究家たちが研究中である。
これに対し、地下種族は、暗闇でも見通せる目を持ち(逆にその強力な視力ゆえに太陽の強烈な光を忌み嫌う)、地下に穴居するため背が低い。あるいは背が低いがゆえに身を守るすべとして見通しの悪い草原などよりも安全な地下を生活圏とし、結果視力を発達させた可能性もある。またその力は強く、独自の技術で精錬した工具とその腕力とで岩盤を削り生活範囲を広げている。人間やハイエルフとの混血は存在しないといわれるが、人間やハイエルフからは交わりそのものを忌み嫌われているため、それが遺伝的生物学的に不可能なのか文化圏的に断絶しているせいなのかは定かではない。
種族自体は忌み嫌われる反面、その高度な独自技術により精錬された工具、武器などはきわめて重宝され、高額で取引きされる。この代表例として凄まじい切れ味を誇る「ボーパルウェポン Vopal-weapon=けしにぐの剣」が知られ、オーレアス中央博物館 Aulleaus central museumに所蔵されている。主人公イーシャの持つ「太陽剣ガラティーン」ももともとは地下種族の手になるものと推測される。
・モンスター -Creatures-
なぜか「遺跡」に住み着いている固有種が多い。大陸のいたるところで見られるが、要するに「家畜ではない動物」の総称であり、本来人に危害を加えるタイプのものは少ない。山岳地帯にごくわずかにサーベルタイガーなどの肉食獣が存在するが、これによる被害記録はあまり見られない。しかし、ここ数年の間、新たに「遺跡」を探し当てて訪れる人間が増えた(希少で高価な魔法の装飾品が「遺跡」で発見されることが多く、これを目当てに探索に出かけるものが増加しているのである)ため、そこに住む固有種との接触の機会が増えた。それから得られた情報によると、いくつかの遺跡には非常に凶暴で危険な種族が住み着いているという。
・魔法 -Power of Magi-
詠唱魔法と交感魔法の二種類に分けられる。詠唱魔法は一定の韻を踏んだ「呪文」を唱えることにより効力を発動するものである。この韻により、術者が持つ「魔法を生み出す物」との共鳴効果が起こり、そこから魔法=なんらかの結果が引き起こされる。共鳴ということからもわかるように、これは一意的な(融通の利かない)魔法の発動であり、多くの場合破壊的な結果を生む。
この効果を起こすためにはその対象に韻と共鳴するためのしくみが必要であるが、このしくみはよくわかっていない。したがって、この詠唱魔法と共鳴しうる品物を作り出すことは現在のところできない。「遺跡」から発掘された品々の一部にそのような魔法を生み出す力が確認されている程度であり、一般に実用に供するレベルには至っていない。したがってこれら魔法を発動する力を秘めた品々(壮麗な装飾品や強力な武装品であることが多い)は非常に希少で価値が高く、これを求めて「遺跡」に身を投じる人々も少なくない。
この魔法を生み出す力を品物に付与する技術については地下種族がなんらかの情報を持っているとする説もある。ちなみに主人公イーシャの「太陽剣ガラティーン」も、「切れ味の鋭い優れた剣」ではあるが、この詠唱魔法を発動することはいまのところできない。
交感魔法は「聖霊」との交感=交渉をもって「聖霊」の協力を仰ぐもので、現在の魔法技術の主たるものであるが、前述したように聖霊との交渉能力=交感力には個人差が大きく、人間ではこの能力を備えるものは稀であるが、ハイエルフには多い(といっても一説にはハイエルフ総人口の20%ほどと言われている)など、不明な部分が多い。
いずれにしろ、魔法を扱える者自体かなり数が少なく、魔法技術の研究が開始されてから日が浅いため、メカニズム自体不明な部分が多い。しかし言えるのは、交感魔法の場合は聖霊との交渉の結果魔法が効力を奏するので、かならずそこには交渉の成立の対価が必要となることである。これは目に見えない代償・・・術者の精神力などを聖霊に与える・・・からもっと具体的な物理的代償・・・動物の生贄やその血液など・・・まで様様であるが、もっとも容易なのは術者の精神力を対価とする魔法である。この場合、術者は魔法の行使に際して精神的な疲労を覚え、ひどい場合には昏倒することになる。しかし精神的な力はいずれ回復するものであるし、なにより術者の「気の持ちよう」によっていかほどにも増幅が可能であるため、魔法の代償としてはもっとも安価ともいえよう。
・精霊 -Spirits-
実はこの存在もよくわかっていない。現実には魔法に力を貸す目に見えない(見えると主張する者も存在はするが)不可思議な存在である。また、その魔法の行使に対しての代償の要求も今ひとつわからない。とにかく精霊という存在が現在の魔法体系には必須であること、そしてそれが魔法の行使のときだけ人間のそばに現出する存在であることが話をややこしくしているのかもしれないが、本当の目的が「人間に力を貸し代償を得る」というそれだけなのか、それとも他に目的があるのか、完全に明らかにはされていない。
・イーシャ Eisya
本作品の主人公。「オーレアス都市国家 The Aulleaus city-state」の出身であり、「太陽剣ガラティーン Gallatine, the sword of Evlla」の持ち主である。基本的に陽気で強気だが、2つ年上の姉とゴキブリが苦手という弱点がある。
剣士を標榜しているが、実家は別になんでもない食料の小売業。それに嫌気が差して「遺跡」探索者=ダンジョンエクスプローラーを職とするようになる。偶然、ある事件の際に、「太陽剣ガラティーン」を手に入れ、以後それをなしくずし的に使うようになるが、その財産的価値などはあまり考えていないようで、単に切れ味の鋭い武具としてしか見ていない。
服装はごく軽い皮で作られた半身鎧に、これまた簡素な木材を金属の枠で止めた小さな盾を装備するだけ。「ごっつい鎧? 丈夫な盾? そんなもん、当たらなければ関係ない!」と口にする。
・太陽剣ガラティーン Gallatine, sword of Evlla
元は地下種族の名匠の手になると思われる、やや大ぶりの両刃の剣。もともとは単に「ガラティーン」と呼ばれていたようであるが、とある事件を解決したことにより「太陽剣」と呼ばれるようになる。
切れ味は巷にあふれる凡百の剣とは一線を画し、大概のものを一刀両断に切り捨てることができる。柄頭に存在した(と思われる)宝玉が失われており、「財宝としての価値」はさほど高くない。が、武器を扱う「見る目をもった人間」が見た場合の「武装としての価値」とは当然ながらまったくの別問題である。
・フェイリィ Feily
「オーレアス都市国家群 The states of Aulleaus」のうち、東に80クリムト程の位置にある「リスメンディア Rithmendia」出身の魔法使い。人間としては稀な高度な「聖霊との交感力」を持ち、幼い頃からその名前は近隣に知れ渡っていた。14歳のころ「オーレアス中央魔法研究所 Aulleaus Central Magi Laboratory」に招聘され、それから魔法のメカニズム研究を行っているが、現在は「遺跡」から発見される魔法力を備えた装備品と魔法行使との間の関連について興味を持っており、そのため頻繁に各地にある「遺跡」を訪れるようになる。ある事件がきっかけでイーシャと知り合い、行動をともにする。
性格は温和ではあるが、本人がそれと気づかずに毒を吐いていることが多い。
・月の女神の杖フェルティナーザ Feltinursa, rod of Njet
「遺跡」から発見された魔法の装備の一つ。韻を踏んだ「呪文」により、雷撃を起こすことができる。「月の女神の杖」とは、杖の先端の形状が満ち欠けをする月に似ていることからつけられたあだ名であり、「フェルティナーザ」という名称も杖自体に刻まれた古代文字を解読した結果「名前と仮定して」付けられたにすぎない。正式な名称は不明。
・クスフィ Cusfy
「オーレアス都市国家群 The states of Aulleaus」から北西200クリムトに位置し、東西に1000クリムト以上に渡って連なる「エスタローネ山脈 the Estarone mountain range」のふもとにある小さな山村「クリオ=プリス Crio-priss」出身のハンター。ハンターとはモンスター(家畜以外の動物の総称)を狩り、その皮、肉、骨加工品などを売って生業とする人々の総称である。
職業上弓矢を操るのが得意で、各地で開かれる競技会でも優勝候補の常連であるが、ここ一番のプレッシャーに弱く、残念ながら優勝経験はない。
・聖弓マリスティアニ Maristiani, the bressed bow
ある大きな競技会で、準優勝をした折に入手したもの。「聖弓」とあるが、特に高度な魔法の品物であったりということはなく、神官が祝福を与えたもの、という程度の意味合い。ただし弓としての性能は高く、現在最新式の目の字押し出し鍛造された頑強・軽量な本体に取り付けられた自動巻き上げ式の強力な弦から連続して矢を射ることができる高級品で、力の弱い人間が使用してもそれなりの威力を得ることができる。また、弓本体にではなく、矢のほうにさまざまな工夫を凝らすことで、通常以上の威力を引き出すことができる。
・シャルラシスカ Charlasysqua
「オーレアス都市国家群 The states of Aulleaus」から東方に500クリムト離れた港町「ケーネ Quenes」に住んでいた長身のハイエルフ。「ケーネ」に住む以前にどこに住んでいたかは定かではなく、素性は不明で、自分から過去のことを口にすることもない。無口なため誤解されやすいが、細やかな心遣いができる。
・聖剣ヴェリ・オ・シーカ Verie-otto-seeker, the sacred sword
「ケーネ Quenes」に住む以前から「シャルラシスカ」が肌身離さず持っていた銀色の小さな剣。地下種族の鍛造した武具並みの強度と鋭利さを持っているが、その意匠は地下種族の手になる品物とは思われない。むしろまったく別の文化体系を持った民族の工芸品のような印象を受ける。
刃の表面には細かい古代文字が記されているが、研究家にも知られていない言語体系であるらしく意味は不明で、剣とその名前だけが脈々と彼女の家系で(もしくは一族の間で)伝承されてきたものである。