歯医者初体験記
私自身に自慢できることはないのだけれど、4人のがきんちょに1つも虫歯がないのが自慢といえば自慢であった。ちーのときはそりゃもう、食べ物に気を使って、お菓子は全部手作り。ちーは死ぬほど歯磨きを嫌がったので、仕方のないことではあった。2才近くなってようやく歯磨きをするようになり、(半年ほど磨かなかった。きったねー!けどしょうがない)二人目からは歯磨きを嫌がらなかったから、市販のお菓子もやれるようになったのである。
かおの奥歯に小さな穴を見つけたのは3週間ほど前のことである。虫歯って最初は表面が黒くなるもんだとばかり思っていたので、いきなり穴を見つけてちょっとショックだった。何が悪かったのか?栄養が悪いのか?でも、細くて心配するほどだったかおだが、最近は心持ちがっちりしてきているというのに。日本にいたときと一番違ったことは、ソフトドリンクをたくさん飲むようになったことである。外食が増えて、そのたびにコーラを(しかもがきんちょ中で一番飲みっぷりがよかった。)飲んでいた。それが原因がどうかはわかりゃしないけど、一番ショックを受けた本人は、以来「砂糖なしのアイスティー」を注文するようになった。
というわけで、アメリカへきて初めて歯医者へ行った。初診ももちろん電話で予約をしなきゃいけない。電話帳で歯医者を調べる。この膨大なリストの中からいったいどれを選べばいいっつうのよ!ベッキーのお母さんに聞くと、ベッキー達はかなり遠い歯医者に通っていた。遠いところは嫌じゃ!と困っていると、のんが言った。「この間、クラスに歯医者さんが来て、お話をしてくれたよ。優しかったよ。」よし!決めた。その先生にしよう!
ドクターの名前から電話帳で住所を調べる。幸い車で20分弱。早速予約を取った。学校が終わってからの時間は混んでいて、1ヵ月先じゃないと予約が取れないそうだ。しかたなく早退させることにした。診察室に呼ばれて一緒に入っていこうとすると「ここで待っていてください。あとで呼びますから。」と言われてしまった。25分も待ってようやく呼ばれた。「虫歯が二つありますよ」げげっ!ひとつじゃないの?「ええ。こっちに小さいのがあるんですよ。それに、あごが小さいですね。大人の歯が増えると並びきらないでしょう。これは大きな問題ですよ。よく噛んであごを使うようにしてください。次のとき虫歯の治療が終わりますから。」するめでも焼いてやろう。「ところで、君はミセス・フォルクナーのクラスにいた子だね。」とのんに向かって言う。20人中たったひとりの東洋人は目立つんだ。
2回目に行ったとき、虫歯を削って詰めた。「ひとつは永久歯だったので目立たないように歯と同じ色の詰め物をしました。もうひとつのは普通のを詰めときました。」げげっ!永久歯?「かお!だから言ったでしょ!朝もちゃんと歯磨きしなきゃ駄目だって!ごまかすからこう言う事になるんだぞ!!!!!」