英語であそぼ! 日本語でもあそぼ!
NHKの国際放送で「英語であそぼ!」という番組が見られる。日本にいたときも時折見ていたが、子供にとっては英語を理解できる今はまた新鮮なようである。かおやのんは一緒に英語で歌ったり、相槌をうったり。英語と日本語の入り交じった会話がうれしくてならないのだろう。
先日テーラーが遊びに来ているとき、その「英語であそぼ!」が始まった。のんはテイラーの手を引っ張りながら、「これ、テイラーもきっと楽しめるよ!」とテレビの前にやってきた。テイラーは私の予想以上に大喜び!日本語の場面になるとのんが解説をする。英語って言ったって、日本に住む普通のがきんちょのための番組だから、大した英語を使うわけではない。でもこうやって今時の日本のがきんちょは小さいときから英語に親しむのよ、と私が言うと神妙な顔をしてテイラーはうなずいた。
我が家ではテレビで映画ばかりを流すチャンネルが3つ見られる。英語がわからなくても、まあ、それなりに面白いので、おとうの目を盗んでは(?)家事もそこそこに見ている。そうすると、結構な頻度で日本語が飛び込んでくるのだ。それがネイティブな日本語のこともあれば「ナニジンかいな?」と笑ってしまうものもあったりする。でもほんの一瞬でも母国語を耳にするのはうれしいものだ。同じようにテイラーも日本のテレビ番組に出てきた英語がうれしかったのかもしれない。
外国の言葉を覚えるのに、個人差がとても大きいと感じたことはないだろうか。ここへ来て、いろんな人に「日本語でXXXXXはなんて言うんだ?」という質問をよく受ける。私の発音をものすごくじょうずに真似する人がいるかと思うと、何度言っても真似できない人がいるのだ。我が家に電話をかけてきたESLのミス・ケイは、がきんちょが「はい、斎藤です。」と受けたのを「何回聞いてもなんにも聞き取れない」と言っていた。私がゆっくり「はい、さいとうです」と言っても真似できなかった。「むにゅむにゅむにゅ」と聞こえるんだそうだ。私には英語がみんな「むにゅむにゅむにゅ」と聞こえるのだけれど。
大人がそうやってぐずぐずしているうちに、この辺りのがきんちょは「トン・トン・トン、何の音?」だの「あーぶくたった、煮え立った」だのといって遊んでいる。昨日は「だるまさんがころんだ」をやっていた。まるで「日本語であそぼ!」の世界である。
言葉の壁をまわりの人の善意によってなんとか凌いでいる私だけれど、違う文化の一端をこういう形ででも紹介することが出来れば良いのだ、とひらきなおるこの頃である。