台所通信 焼きたてパンはウマイのだ!
「焼きそばパンが食べたい!」というがきんちょの声に、母はまたパンを焼くことにした。材料をボールに入れて「いざ!」というところで、テイラーが遊びに来た。「お外で遊んでおいで」というには摂氏4度は寒すぎるのだ。結局、みーとのんとテイラーが助っ人になった。頼りがいのある助っ人であって欲しいが・・・
力を込めてこねたり、叩きつけたりして欲しいときに「ミスター・ポテトヘッドを作るんだ!」と遊び、手早く形を作って欲しいときにこねこねするのが、がきんちょである。こういう事にいらいらしているうちは偉大な4児の母にはなれない。多少でき上がりが堅くなったって、かえって顎の発達に良いっていうものさ。おとうが「もう少し柔らかくなんないの?」と文句を言うけれど、そういうのは一切無視するのだ。(実のところ、ふんわり最高に柔らかいパンが出来たって、おとうは「柔らかすぎて喰った気がしねえ!」と言うに決まっている。)
テイラーは「ママがたまにパンを作るけれど、散らかるから私にはさせてくれないの。これがはじめてのパン作りよ!」と喜ぶ。彼女の母は賢明だ、と思う。のんは手形をとっている。「手形だけにしとこうね。足型は作らないでね。」と私が言うとテイラーは面白がっていろんな物を作りはじめてしまった。のんは細く伸ばして振り回す。「縄跳びじゃないよ!」大きな音で叩きつける。「この音、ママにも聞こえるかもね。」とテイラーが言う。振動もすごい。「きっとあなたのママは地震だと思ってるんじゃないかな」と私が言う。
パン種は時々ローテーションさせる。がきんちょと作るときの鉄則だ。母は必死にがきんちょの遊んでいる分をカバーしなくちゃいけないのよ。汗ばむくらいに頑張って「こねこねやめー!1時間待とうネ!」母はこのあいだにカスタードクリームを作る。
卵黄2個、砂糖70g、小麦粉30g、コーンスターチ20g、牛乳2カップ、バニラエッセンス少々、バター大さじ1。卵黄は砂糖を入れる前にほぐしとこうね。小麦粉とコーンスターチもいれて、泡立て器で混ぜる。次に牛乳を分量の中から大さじ2くらい入れて混ぜるのがダマを作らないコツかもね。残りの牛乳をいれたら火にかけて、好みの堅さにしよう。パンに入れるには堅めがいい。バニラとバターをいれてでき上がり。ただし冷めるまでちょくちょく混ぜないと滑らかにならないから気をつけて。
のんはきっかり1時間して「そろそろ?」と聞きに来た。がきんちょにはチョコチップとピーナッツバターチップを入れさせる。クリームパンは母が作るの。がきんちょにさせたら、必ず爆発しちゃうもの。焼きたてを食べる。「熱いから待って。」と言っているのに「かまわない。冷めるまで待てないもん」とテイラーはパクついた。ママがむかえに来てテイラーはパンを持って帰っていった。
いつもより疲れたのは英語を使わなくちゃいけなかったからか?これしきのことで疲れていては現地校で頑張っているがきんちょに申し訳ない。焼きたてのパンでねぎらってあげなくっちゃ!