Healthで学ぶ麻薬の害 Just Say No!
この小学校にはJust Say No Culbというのがある。タバコや酒、麻薬追放の運動をするグループである。テレビのコマーシャルではパワーレンジャーが子供にタバコを吸ってはいけない、誘われても断ろう!と言っている。こういう教育が成果をあげているからかどうかは知らないけれど、タバコを吸う人をみかけるのは確かに日本より少ない。公共の場はたいてい禁煙なのだ。JSNCには4年生以上の希望者が入れる。月に何度かミーティングがあり、たまにローラースケート場で遊べる。募金活動などもするらしい。
ちーがHealthの宿題を持ってきた。HealthはScienceの一部で、金曜日のテストで頑張らないとScienceの評価が下がってしまう、と焦っている。プリントを見ると麻薬について書いてあった。
不法な薬物の代表的なものは、マリファナとコカインである。マリファナはタバコのように植物の葉から作られ、吸うものである。タバコも肺や心臓に悪いがマリファナはその比ではない。マリファナは脳細胞を破壊し、神経系統に支障を来たす。また、白血球を壊すことによって、免疫システムを弱める。連用すると依存するようになる。コカインはコカという植物から作られ、白い粉状になっている。クラックはこれを粒状に押しかためたものである。コカを使うとはじめは精力的になったように感じるが、神経系統に影響を与え、記憶障害、学習障害をもたらし、免疫の機能を変える。コカインは短期間で依存するようになり、影響はやめてからも長く体内に残る。どちらも法律で栽培、所持、売買が禁止され、違反者は逮捕され、罰金、禁固の刑罰を受ける。
教科書にはこういう事がどっさり書かれていた。ちーに一通り説明し、プリントを読みながら、もう一度念を押すように解説する。日本語の単語が難しいので苦労する。ちーの知っている単語を手がかりに説明しなければいけない。免疫(immunity)は予防注射をしたときに出てきた(immunization)から説明をした。神経の働きもなーんにも知らない。ついでに、コカコーラのコカがコカインから来ていることも教えてやった。今はもちろんコカインは入ってないよ。
ちーはJSNCの後期のクラス代表に選ばれた。ミーティングが早朝にあったり、担当の先生がえらく早口だったりして、ちーはちょっとめげていたのだけれど、麻薬が本当に恐ろしいものなのだ、と知って「頑張らなくっちゃ」と決意を新たにしていた。日本では麻薬が手に入りやすくなり、軽い気持ちで手を出す子供が急増していると聞いた。「日本でもJSNCを作ればいいね」とちーは言った。確かに教育は大切である。