小学校事情1 日米の違い



 アメリカの学校といっても、この小学校しか知らないのだけれど、日本の学校とは違うところがいろいろある。最初の1年はとまどいながら、楽しく観察した。

 日本では教師は担当する学年が毎年のようにかわるが、ここでは何年も同じ学年を受け持つ。ミセス・クインはサードグレードを9年担当している。ミセス・スミスは15年間K-5を教えていて、その後新設されたK-4の担任をするようになった。

 それから、教室も変わらない。だから先生の机の回りは私物でいっぱいになる。コーヒーメーカー、電子レンジ・・・(ここで暮らすわけじゃないけど)、家族や教え子の写真がどっさり。ミセス・クインの部屋はマスコットのキリンだらけだ。同様に教頭のミセス・ライトの部屋はネコだらけになっていると聞く。いわゆる「学級文庫」にも先生個人の本がどっさりある。机の並び方も先生次第。先生によって教室の雰囲気もすっかり違ってくる。

 教室が先生の部屋の様になっているからか、職員室というのはない。ラウンジがあって、コーヒーや、ソフトドリンク、スナックの自動販売機があるそうな。でも、たいていあき時間に車で3分のグローサリーに大きな袋のを買いに走っている。

 PTAが堅苦しくないのはおとうが書いたけれど、クラス単位の親の集まりも一切ない。名簿も配られないので、どういう子がいるのかは子供に聞くより他に知るすべはない。学年の最後の方で、顔写真入のイヤーブックが配られはするけれど。放課後友達に電話をするのも、自分達で電話番号を交換しなくてはいけない。ちーくらいになれば問題はないけれど、低学年ではせっかく書いてもらった番号が判読不可能だったりするのだ。かおの友達は最近でこそ間違えなくなったけれど、去年は鏡文字だらけで、自分の名前のスペルもいい加減で、家族総出で「判読会議」を開かねばならなかった。今年はのんが盛んに友達の電話番号を聞いてくるが、のんは友達に言ってもらった番号を自分で書いてくるので、判読会議をすることはなくなった。幼稚園児は字がかけないのが普通なのだ。