ワシントンへ行ったぞ! 首都は遠かった



 ワシントンは東京に似ていた。

人も車も多くて、ゴミゴミした感じ。ビルがひしめき合って、サウスカロライナに比べると空がせまい。懐かしいような、でも、田舎ののんびりした暮らしが身についてしまって、こういう所にはもう住めないだろう、という気がする。

 東洋人が多い。地下鉄の中にもいっぱい。どうやらここで生活しているらしい出で立ち。でも、話している言葉を聞くと中国語のようだ。日本語はモニュメントやホワイトハウス近辺で聞くことが出来た。観光地にはいっぱいいるんだ、日本人は・・・。

 ワシントンは2回目である。もう11年も前になるのだが、おとうの出張を追いかけてアメリカに来たとき、週末を利用して1日だけ訪れたのだった。そのときはまだ身軽だったため、スミソニアン博物館のいろいろを楽しんだのだ。だが今回は違う。9才から3才までのがきんちょを4人も連れている。

 ちーは最近母の特訓のおかげで、かどうかしらないけれど、社会科が好きになったと言って、博物館行きを楽しみにしていた。独立戦争や南北戦争の話に興味を持っている。ホワイトハウスのことも、去年3年生の社会科で勉強してクリントンさんに手紙まで書いたとかで、やたらと詳しい。かおは「白い家なんて珍しくもないじゃない!なんでそんなの見にわざわざ歩いて行かなくちゃいけないのよ!」とおかんむりだ。のんは「歩くのやだ!」とすごむ。みーは「これからどこへ行くの?」と15分ごとに同じ質問。

 博物館めぐりがチビどもの気にいるはずがない。歩き通しだったし、人がいっぱいで迷子にならないようにするだけでも疲れる。案の定、「疲れた」「お腹がすいた」「のどが乾いた」そして、「おしっこ」果ては、「うXX」。そのたびにあっちに行き、こっちに戻り、目的の場所にはなかなか着けない。大人もくたびれてしまった。

 親子6人、無事に旅行が出来たのだから、それで良しとするしかないのだけれど、「ハトを追いかけた」のがこの旅行の最高の出来事だったと言われるとちょっとがっかりだ。みーがちーくらいの年齢になる頃にはきっと違った感想が持てるに違いない。もっともその時にアメリカにいるとは限らないし、いても片道10時間のドライブをするだけの体力がおとうと私に残っているとは思えないけれど・・・。