嫁も息子もつらいのだ ジジババ日本へ帰る



 おとうの両親は、無事に帰った。アトランタ行きの飛行機の出発時刻が変わっていて、JALに間に合うか、ちょっと心配したけれど、本人達は待ち時間が少なくて助かったと言っていた。

 今までだって、年に何回かしか「嫁」をしていなかったのだけど、10日間不慣れな土地で、疲れているであろう義父母と過ごすのは、とても気を使った。特に義母は入れ歯を入れて間がないそうで、その分食事に配慮しなければいけなかった。アメリカの食事は、野菜不足になるので、朝、野菜を心して食べなくっちゃいけない。何時に起きるかわからないし、お腹をすかせたまま我慢させてはかわいそうだから、いつもより早起きをした。もっとも、いろいろ出歩いていたから、昼と夜は外食になるのがほとんどで、助かったけど。

 おとうはいつものように「運転手」だった。大変だ、とは思うけど、子供と一緒に寝て、一番最後に起き、家に居ればずーーーーーっとゴロゴロしているおとうをみると、運転くらいしなきゃダメよ!と思うのだった。

 だいたいここは観光とは無縁の土地なので、行くところがない。モールやスーパーでの買い物が前半の中心であった。ハンドバッグや財布などの皮製品は驚くほど安い。安すぎて、買っていいものか迷うほどである。義母も店に何度も足を運び、ようやく買った。「この値段は人にはいえないね」と義父母は言ったが、日本じゃ、「高いものほど高級だ」という信仰がまだまだ健在なのだ。チョコレートもそうだ。近所へのお土産に買うのに「安すぎる」と何度も手にとってはやめていた。しかし、この辺りで日本のように高いチョコレートを探そうとしても難しい。チョコレートは安いものなのだから。

 それにしても疲れた。おとうは言った。「疲れすぎてビタミン剤も効かない!」同感である。