ご褒美はお仕置き!?
ガキンチョが読書好きなのは、私譲りなのであろう。おとうは「教科書以外読んだ覚えがない」という。また「自分で買ってまで読みたいとは思わない。借りても読みたくない。」という。だから、私やガキンチョが静かに本を読みふけっている様は「何が面白いんだ?」と理解できないようである。しかも最近では私までが英語の「分厚い」本を読んでいたりするので、おとう一人が違う世界から紛れ込んできたような印象すら受けるのだろう。もっとも、引越しのための整理をしなくてはいけない身なので、私の本は戸棚の奥に隠してある。日本に帰ってから、サウスカロライナを思い出して泣きながら読むのよ。
ガキンチョは学校で週1回ライブラリーの時間がある。ミーもいっちょまえに絵本を借りてきて読んでいる。日本語の本はまだまだ読めないのだが、補習校の1年生になって、自分が日本語の教科書も読めない事に非常に傷ついている。英語の本が読めるんだから、日本語の本もじきに面白く読めるようになるよと慰めているが。上3人はチャプターブックと言われる字ばかりの本を借りてくるのだが、それぞれ回し読みをしていて、読書量はものすごい。しかも「読み終わったらいつでもライブラリーに行って次の本を借りてきてよい」という事になったそうで、それが拍車をかけた結果となっている。
さて、2年生は今年も読んだ本に関するテストをコンピュータで受け、ポイントを集めるというのをやっている。(ほかの学年もやってはいるようだが、熱の入れ方が違う。)2年前カオはこれが規定に達せず、遠足に参加できなかったのだが、ノンは学年でトップのポイントゲッターである。最初はエーナと競争していたらしいのだが、今では読書が楽しくて病みつきになった状態。何週間かごとに目標が決められていて、それを達成すると賞品がもらえる。区切りのよいポイント毎にもご褒美がある。クラス全員が達成できればさらにアイスクリームなんぞが食べられる。ノンはマクドナルドのタダ券やらドミノピザのMサイズ(結構でかい!)の券なんぞをもらってきたが、今度到達するであろう200点のご褒美を先生に教えてもらったといって話してくれた。なんと、ミスター・バーンズと一緒にランチを食べるというのである。
ミスター・バーンズは副校長という役職にある。登下校としつけ担当で、モンダイのあった子がミスター・バーンズと一緒にランチを食べるのだ。先生方はもしかすると200ポイント集める子が出ると予想していなかったので、ご褒美を用意していなかったのかもしれない。あるいはノンをかまって冗談を言ったのかもしれない。が、それを聞いた姉たちはひと笑いした後で、「それもいいかもしれないね。」としんみりしてしまった。「日本に帰る前にいい思い出になるよ。」ノンもにっこり笑ってうなずいた。ウチのガキンチョは家でのことはさておいて、とにかく学校ではよい子である。(私は強制していない!)先生にしかられることはまずない。お仕置きでミスター・バーンズの所に送られる事は絶対ないのだ。
ミスター・バーンズもノンが「ご褒美」で一緒に昼食を取ると知ったら喜んでくれるに違いない。ノンは相変わらずすごい勢いで本を読んでいる。
PS;ミスター・バーンズは下校のときいつもBye, Saito girls!と声をかけてくれる。いつだったか、ガールズの中に私が含まれているかと聞いたのだが、彼は「もちろん!!!」と飛び切りの笑顔で答えてくれた。なんてえこたあないんだけれど、こういうことがうれしんだなあ、私には。