汽車ポッポケーキの作り方



 ミーの誕生日に汽車ポッポケーキを作って幼稚園に持っていった。汽車ポッポケーキは、普通のカップケーキに比べるととても小さい。しかし、ここいらの子供は食べ物を残す事にちっとも頓着しないのだ。「もったいない」という感覚は持ち合わせていないらしい。一生懸命に作ったケーキを無残に捨てられるのはたまらない。まあ、私はその場にいるわけではないのだけれど、ミーはやはり気にするだろう。で、幼稚園児にも食べきれる量で見た目もかわいらしい汽車ポッポケーキなら、もしかしたらよろこんでくれるかもしれない!とふんだのである。ミーのリクエストでもあったしね。

 読みは正しかった。「バニラ・フレバーは嫌いなんだ」とぬかしていたオースティンも平らげたとミーが教えてくれた。上3人も担任の先生に持っていったのだが、ミセス・ジョーンズは生徒たちがテストをしている間、自分の机で「ポッポー」と言いながらケーキを走らせて遊んでいたそうな。ミセス・プールも「かわいい!」としばらくの間、手のひらに乗せてながめていたとか。

 だいたい私は芸術的なセンスが抜け落ちた人間なので、ケーキを焼いてもデコレーションはしないのが普通である。張りきってデコレーションすると余計惨めに、まずそうになってしまうのだ。汽車ポッポも器用な人が作ればもっとかわいらしいものになるに違いないのだが、私にしては40個ものケーキをがんばって作ったものだと自画自賛している次第である。

 で、ケーキの作り方なんだけど、なにしろ小さいものを作るというのが苦労するところなのよ。細い細いロールケーキを作るのが大変で、特にうちにある型(クッキーシートを使った)がでかいので、周りが堅くなりやすいのが悩みのタネ。  23cm×32センチメートルほどの型2枚分の材料。これで、22cm×15cmほどのロールケーキの生地4枚がとれる。

 小麦粉45g、コーンスターチ45g、砂糖80グラム、卵4個(アメリカの卵は起泡力に欠けるので、大きなもの)、バニラエッセンス、必要に応じて牛乳大さじ1くらい。ジャムかクリーム。(今回はりんごジャムを使った)輪か円形のシリアル。トッピング用の小さな飴。ミニ・マシュマロ。アイシング。

 小麦粉とコーンスターチは2回ほどふるっておく。卵黄に半量の砂糖を入れ泡だて器で混ぜる。オーブンを200度くらい(普通のケーキよりも高めに設定する)に温める。バニラエッセンスと粉を入れ混ぜる。卵白に残りの砂糖を入れ角が立つまであわだて、2〜3回に分けて粉を混ぜた卵黄の中にいれる。このとき硬すぎたら牛乳を加えるとよい。オーブンシート(ここいらではなかなかお目にかからないので、アルミホイルにオイルを塗って使った)を敷いた型に薄く薄く平らに広げる。オーブンにいれてほんの4分ほど。表面が乾いて弾力が出たら焼き上がり。

 少し冷めたら、紙から静かにはがす。(その紙の上に置いておく)表面にジャムかクリームを塗る。ジャムがかたい場合は熱湯かリキュールなどで柔らかくする。小さく丸める。落ち着くまで、最低一時間は紙に巻いておこう。

 3センチほどの長さに切る。アイシングでシリアルの車輪を張りつける。以前は「笛ラムネ」とか「笛アメ」とかいうヤツを使っていたのだが、くっつきにくいし(きっと重すぎるんだ)、アメをなめただけでケーキにまで手がつかないことがあるので、シリアルにした。窓用の飾りをつけ、ミニマシュマロは煙突にする。煙突は「グリコ(だったかなあ)のコロン(てな名前だったんだけどなあ)」が好きなんだけど、アメリカじゃあ、手に入らないのよ。

 大きなスポンジケーキの上に飾るときは、アイシングでレールを描き、小枝チョコをまくら木にするといい。今回、出来のいいものをすべてガキンチョに持たせてしまってから、写真を撮らなかった事に気がついた。次にいつ作るかわかりゃしないから、見かけが悪くて残しておいたケーキの写真を撮ることにした。ま、いいか。 

 お暇な方、どうかお試しください。