料理は苦手なんだけど



 料理のソフトを買いはしたものの、ミーが熱を出したこともあって、レパートリーを広げるまでの貢献はしていない。実を言うと、おとうは会社の人に日本の料理のレシピを2点ほど頼まれていた。そーゆーいきさつがあったから、このソフトを買ってもいいぞと言い出したんだと思う。で、いきなり新しいレシピを作る事から始めたのである。このソフト、新しいレシピを作ると、カロリーの計算も自動的にやってくれる。アメリカで一般的なチーズケーキのレシピと私のレシピではどれくらい栄養素が違うかも比べる事ができる、はずだ。まだ、そんなヒマないけど。だからたとえば市販のソーセージはものによって脂肪も塩分も違うので、自分がよく使うソーセージの情報を入れておいたり、日本食のデータもなるべくここにいる間にいれておくといいだろう。なんたって、こっちでは栄養素を表示する事が義務付けられているのだから。

 さらにソフトに入っているレシピを手直しすることもできる。ソフトの中に日本料理もあったので、本当のことを言うとそれにちょっと手を加えてあげちゃえばいいかと考えないではなかった。おとうなぞも「そのままコピーして渡しゃーいいや!」とのんきな事を言ったのだ。が、たいした料理がないし、写真ものってないので、自分で作ることにした。

 だいたい、おとうはいい加減なヤツである。「インターナショナルフェスティバルに持ってくんだと。鶏肉と魚は料理できないって言ってたぞ。あれ?鶏肉は大丈夫だけど、魚はだめだって言ってたんだったかなあ?まあ、鶏肉と魚ははずして考えりゃあいいな。」ひそかに「鶏のから揚げ」を考えていた私はがっかり。そんなこというんならとんちゃんが考えてよと言ったら、おとうは「ソーセージパンとヤキソバ」とのたもうた。ソーセージパンのどこが日本料理なのよ!と言い返してはみたものの、とにかくソーセージパンとヤキソバに決まってしまった。しかもヤキソバはインスタントの粉末ソース付きなんだそうだ。「ほかにヤキソバがあるか?」アメリカへ来て半年以上、日本食料品店に行かずサバイバル生活(?)をしていた頃は中華ソバの麺で作っていたじゃない。ソースを作るのが大変で苦労したのよ!おとうはすっかり忘れている。ふん。

 さて、ヤキソバのレシピを作る。インスタントヤキソバはもちろん栄養素の情報からインプットしなくてはならない。4人分作ると仮定して適当に野菜や肉を書き込んだ。我が家ではインスタントの麺の場合、ラーメンでもそうなんだけれど、一度普通の乾麺のようにゆでてから使うようにしている。アメリカでインスタントを使うというのはなにも時間の節約ということではなく、それ以外の選択ができないからだといったほうがよい。一度ゆでるとインスタント臭さが抜けてましになるのよ。で、栄養素をみると一人分のトータルでカロリーが258、脂肪分は15g。繊維が思ったほどいかなくてたった2グラム。繊維質は一日に必要とされる分の7%にしかならない。せめて30%近くにしないといけないねえ。しかし、これ、信用していいのかなあ?

 ヤキソバを作るべく材料をそろえる。野菜の切り方も英語で説明するのは大変で、写真に取っておくといいかもしれない。切った材料とインスタントヤキソバの袋をいっしょにおとうがデジカメで撮る。チーが作ってくれたソーセージパンも写真に撮る。(チーにはレシピを渡してある。最近は母の手を借りずにパンが作れる!)自分で作ったものをプリントアウトしてみると、やたらとカッコよく見える。でも、これじゃソフトにもともと入っていた奴と自分の作ったのが区別つかなくなっちゃうじゃない!急いで自分のレシピに名前を書き込んだ。ゆくゆくは手直ししたレシピも含めて、自分だけのクックブックにまとめる必要がありそうだ。そのうち汽車ポッポケーキの写真とレシピも載せねば、などと考えていたら、なんだかちょっと楽しくなってきた。