Rumakiって?Saiminって?



 おとうがパソコンのソフトを買いこんでいるので、私も料理のソフトを買ってしまった。もともと料理は仕方なくやっているというものであり、これまでその手のソフトは全く関心がなかったのだけれど、自分のレシピが作れるわけだし(wordでだってできるんだけど)、栄養素の計算までしてくれるわけだし、おまけに日本で買うより安いのである。あってもいいかも!と思ったのだ。おとうも自分のレシピに写真までつけられるなんてえコメントを見てしまったものだから、「リベートのことをちゃんと聞いてから」という条件付きで買ってもよいというお許しを出してくれた次第である。

 今までソフトのインストールも何でもおとうにやってもらっていたのだが、今回は「自分でやれ!」という温かいお言葉に従うこととなった。結果として、インストールくらいならド素人にも何とかなるものである。ところがそのソフトを使いこなすのはなかなか一朝一夕にはいかないものなのだった。おとうが新しいソフトを買うたびに夜更かししていたのは、そういう状況もあったのねと遅まきながら気づいたのであった。

 12000種類のレシピが入っているといううたい文句のソフトである。インストールして3日目にようやく日本料理のレシピもあることに気づいて眺めていたのだが、日本料理に関しては私の好みではないといえる。砂糖を使いすぎる傾向があるし(アメリカ人の好みに合わせると仕方ないのよ)、なによりグルタミン酸ソーダを使えというのが気に入らない。我が家でも最近はだしの素なんぞを使うようになったし、手に入るものの範囲で食べ物を調達するしかない生活だけれど、なるべくなら添加物の少ないもの、化学調味料も極力避けて料理することにしている。

 そんなこんなでブツブツ文句を言いながらソフトを見ていたのだけれど、どうにもわからないレシピが出てきた。それがSaiminとRumakiなのである。Saiminは麺料理。麺はどんな麺なのかfresh noodlesとしか書いてないので困ってしまう。で、鶏がらスープをベースに醤油と胡麻油、みじん切りの生姜に塩胡椒。青ねぎを散らしてChinese BBQ porkを乗せる。???こりゃ、ラーメンのことかいな?Saiminってもしかすると中国語なのかもしれないぞ。それにしても、6カップのunsalted スープに醤油が大さじ1、塩が小さじ4分の1なんだけど、これだけで大丈夫なんだろうか?せめて醤油がチャイニーズ・グローサリーで見つけた醤油ペーストならいいかもしれないけど。

 次のRumaki。鶏のレバーをニンニクと生姜をいれた醤油に漬けて4−96時間(4日間!)漬けておく。半分の長さにきったベーコンの上に栗と漬けこんだレバーを置いてくるくる巻き楊枝で留める。オーブンで焼き、途中で漬けておいたたれをつけてもう一度オーブンで焼く。貧血が心配な向きには良いかもしれないが、Rumakiという名前はどこから来たのだろう?それにこっちのベーコンはものすごく脂肪が多い。日本のベーコンだったらいいかもしれないけれど。

 さてさて、おとうが画面をみて言った。「日本の料理ってこんなにあるのか?なのに、俺のウチときたら、ラーメンとカレーとヤキソバの繰り返しだもんなあ」肉じゃがを食べたすぐ後によく言うよ。と文句を言ったら「そうか、ラーメンとカレーとヤキソバと肉じゃがの4種類」だと。あたしゃ、もう少しレパートリーがあったと思うんだけれど、すらすらと出てこないのがもどかしい。まあ、確かに反省の余地はある。だけど、少しでも誉めてくれていりゃ、もう少しマシな主婦になってたはずだと思うこのごろである。