Be My Valentine



 もうすぐバレンタインデーである。今年は日曜日なので、義理チョコの需要が少ないと予想され、日本のチョコレート業界は「本命のカレシ(最近はカタカナで書くらしい)には最高級のチョコレートを!」と懸命に売り込んでいるとか。「バレンタインデーに女の子から男の子にチョコレートを送る」なんて、日本のチョコレート業界が仕掛けた事なのよ!と言ったところで何にもならないけれど。

 アメリカでは、特にサウスカロライナでは女性が大事にされているので、男性から女性にプレゼントをするのは必須である。女性もボーイフレンドや夫に贈り物を欠かさないが、まなざしは男性のほうがはるかに真剣に映る。バレンタインデーには性別は関係なく、仲のよい友人にもキャンディーやらチョコレートが贈られる。花やアクセサリーなども多い。悩ましい下着なぞの広告も増える。また、新聞にたくさんのメッセージが掲載される。モニカ・ルインスキー嬢がクリントン大統領(ハンサム)に詩を贈ったという話しは記憶に新しい。1月27日の新聞にその申し込み用紙がついていた。

 申し込み用紙を見ながら頭に浮かんだのは唯一ガキンチョであった。こーゆー機会に夫がまったく浮かばない、あるいは「完璧に対象外よね」という意識でしか浮かんでこないというのはなんと寂しいことか。私がガキンチョ宛てだけにメッセージを出せば、離婚したか未亡人(あるいは未婚の母)と思われるだろう。夫がありながら、なんてーこった。

 で、無理やり夫にメッセージを考えてみた。

 ■たまには「おはよう」くらい妻に言ってみれば?(おとうはおはようだけではなくただいまもおやすみも挨拶は一切言わない)
 ■妻の手料理を食べたすぐ後に「たまにはうまいものが食いたい」というのはやめとくれ!
 ■妻をカーちゃんと呼ぶな!あたしゃあんたを生んだ覚えはない!
 ■健康のため少しは動きなさい。テレビのリモコンくらい自分で取りな!
 ■「子供を寝かしつけてくる」といいながら大騒ぎしないで!
出てくる出てくる。でも、こんなの載せられないよねえ。

 ちなみにどれくらい費用がかかるかというと。
活字は3つの大きさから選べる。一番小さな6ポイントは1行(だいたい27文字まで)$1.05。次の10ポイントは$2.10で17文字、18ポイントは$4.20で9文字である。イラストもつけられる。6種類用意されていて、$7.00から$2.00まで。30ドルもみておけば、結構立派なモノができるだろう。さらに希望すれば相手にメッセージが掲載される旨のはがきを出してくれるそうな。

 先日デパートで「くまのプーさん」のペンダントを見つけた。50%offである。で、おとうに言ってみた。「ねえ、かわいい妻に買ってあげたら?」おとうはもちろん大笑いしておしまいさ。おとうが買うはずがないと知っているガキンチョは何やらひそひそと話しをしている。お小遣いを出し合うつもりなのだろうか。確かにペンダントはかわいかったけれど、本当に欲しいのはモノではないのよ。といってもガキンチョにはわからないだろうなあ。